「日本一の最低男」第9話からクライマックスに突入! 香取慎吾「一平を通して社会を知った」2025/03/05 17:00

フジテレビ系で放送中の香取慎吾主演の木曜劇場「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(木曜午後10:00)が、3月6日に第9話を放送する。“選挙編”が始まり、物語はここからいよいよクライマックスへと突入する。
香取が11年ぶりにフジテレビ制作の連続ドラマで主演を務める本作は、選挙で当選するためにイメージアップを狙う大森一平(香取)が、シングルファーザーの義弟・小原正助(志尊淳)とその子どもたちと暮らすことになることで巻き起こる出来事を描く完全オリジナル作品。
第8話では、学童の待機児童問題に直面した一平が学童不足の問題解消に向けて一肌脱ぐことに。正助の子・ひまり(増田梨沙)と朝陽(千葉惣二朗)のほかに、3人の子どもたちを預かることになる。正助の力も借りながら家事に育児、そして学童を両立することができるのか…というストーリーが描かれた。
“選挙編”に突入するにあたり、主演の香取からコメントが到着した。
「これまでは、一平が選挙に出ることを目指しているという前提はありつつも、“選挙ドラマ”というより、“ニセモノホームドラマ”というところを前面に出しながらいろいろなテーマが描かれてきました。僕も撮影しながら、“なかなか選挙が始まらないな”なんて思っていたんですけど(笑)、いざ選挙編の撮影に入ってみると、自分の中で、選挙へ向けての考え方をしっかりと持てていることに気付いたんです」と物語の変遷を振り返る。
続けて「それはきっと、1話から8話までを通じて、僕なりに社会のことを知ることができていたからじゃないかなと。例えば最近、実際のニュースを見たり読んだりする中で、“この問題って、『最低男』のあの回で扱ったことだよな…”と思い当たることが増えてきて。“じゃあ、この問題を解決するには、こういうふうに向き合うべきじゃないか”なんて考えるんですけど、それって結局、一平から教わったことだったりするんですよね(笑)」と、一平を通して自身の意識に変化があったことを明かす。
そして、「とにかく、これから始まる選挙編は、ちょっと変わった方向から、ちょっと変わった切り口で家族や社会を描いてきた『日本一の最低男』という作品の最後を締めくくるにふさわしいものになっていると思います。単純に“選挙に勝つ・負ける”というだけじゃなく、その先にあるもっと大切なことまで描かれていきますので、ぜひ楽しみにしていてください」と、今後の一平の言動や物語の展開に注目を促した。
北野拓プロデューサーは、これまでの展開について「日常生活にあふれているさまざまな問題は全て政治につながっていて、個人が解決するには限界がある。“ニセモノ家族編”ではこのテーマを中心に描いてきました」と語り、その上で「ここからの“選挙編”では、そのことを身を持って感じた主人公がいよいよ選挙へ挑んでいきます。一つの連続ドラマで家族ドラマから選挙ドラマへとジャンルが横断し、『日本一の最低男』というタイトルの意味もようやく明かされます」と、これから描かれていくクライマックスの見どころを予告。
さらに「連続ドラマだからこそ可能な、即時性の高い、今の時代に届けたいドラマになったと思っています。脚本・蛭田直美さんの珠玉の物語、主演・香取慎吾さんをはじめとする俳優陣の素晴らしいお芝居を、ぜひ楽しみに見ていただけたらと思います! “選挙編”から見ていただいても十分に楽しめますので、このドラマが一人でも多くの方々に届き、少しでも世の中がより良い方向に向かっていく一助になることを願っています」と、本作が世の中や人々に伝えるメッセージにも言及した。
北野プロデューサーが“珠玉の物語”と評した脚本を執筆している蛭田氏は、第4・6・7・9・10・最終話を担当(大石哲也氏との共同執筆)。「ドラマは見ていただけて初めて完成するので、ここまで一緒にドラマをつくってくださって本当にありがとうございます。あと少しですね。寂しいな。最後まで一緒に走ってくださいね」と応援してくれている視聴者への感謝を述べる。加えて「選挙編から参加してくださる方も、もちろんもちろん大歓迎です! 見つけてくださってありがとうございます。お一人お一人に、“ここまでこんなことがありまして…”と、暑苦しくお話ししたいです」と、残すところわずかの放送への応援もお願いする。
北野プロデューサーから選挙編の見どころや脚本に込めた思いをコメントしてほしいと依頼を受けたという蛭田氏。「見どころ、本音を言えば全部です…!」と言いつつも「隅から隅まで大切に大切に書いて、つくって、演じていただいているので、その全てを受け取っていただきたい! という思いなのですが、そこをなんとか(と誰にも言われてませんが)頑張って書いてみますね!」と以下、各話の見どころをひねり出した。
第9話「本打ちと呼ばれる脚本の打ち合わせで、必ず話すことになる、“どこまで視聴者を信じるか”。これじゃ伝わらないかもしれない…誤解されてしまうかもしれない…誰かを傷つけてしまったり、ドラマがたたかれてしまうかもしれない…。私は、“もっともっと信じましょうよ、信じたいです”派です。もちろん、“分かりやすさ”からは絶対逃げたくないし、誤解を避けたり、誰かを傷つけない努力は必須ですが、それは信じていないのとは違うと思っています。この第9話から始まる選挙編、今までで一番、とことん見てくださるあなたを信じて書きました。スタッフもキャストも、全員腹をくくって、とことんあなたを信じることに決めました。その意味は、見ていただけたらきっと届くと思います」
第10話「ご覧いただいている間、みんなのセリフや行動に“ん? どういうこと?”と小さな(時に大きな)違和感を覚えると思うのですが、どうかその違和感、大切に憶えておいていただけるとうれしいです。そして、もし、もし皆さんの視聴環境や状況が許されるのであれば、最終回をご覧いただいた後、もう一度見返していただけると、とてもうれしいです(もちろんご無理のない範囲で…!)」
第11話(最終話)「私ごとで恐縮なのですが、この回はとてもとても大切な方に助けていただきました。敬愛する大恩人の師匠、大石哲也さんです。私に脚本の全てを教えてくださって、デビューさせてくださって、ここまで連れてきてくださった方です。ご自分のお仕事でスケジュールがぎっしりな中、いつまでも心配ばかりかける弟子を助けてくれました。大石哲也さんと(そして北野Pもすごく頑張ってくれました)一緒につくった最終回の脚本です。なぜこのタイトルなのか、なぜ香取慎吾さんなのか(他の全てのキャストの皆さんも)、そもそもなぜ一平は…。皆さんが今まで抱かれただろう“なぜ”の答えを、一つずつ大切に詰め込みました。長々と失礼しました。最後まで読んでくださったあなたに、めちゃくちゃいいことがありますように! 書きたいのは、いつでも“優しい世界”ではなく、“世界は優しい”です。どうか届きますように」
主演の香取をはじめ、プロデューサー、脚本家と、寄せてくれたコメントを通してそれぞれの立場で本作を大事に育ててきたことが伝わってくる。また、コメントはないものの、共演の役者陣もほかのスタッフも、きっと思いは同じだろう。タイトルの意味が明かされていくクライマックスに期待をしながら最後まで見届けてほしい。

第9話。大江戸区長の長谷川(堺正章)から呼び出された一平は、区役所の移転に伴う再開発計画への協力を求められる。だが、再開発の予定地には一平たちが暮らす家や商店街も含まれていた。突然の話に動揺する一平に、真壁(安田顕)は道路の拡張や、区役所も入ることになる2棟の高層マンション建設といった計画を淡々と説明する。そんな中、長谷川は一平に、この計画に反対している地権者の説得役になってほしいと依頼する。これまで、商店街の人々を巻き込んで男性同性カップルの結婚式を主催したほか、不登校児童へのサポート、子ども食堂のボランティア活動、ふれあい冬祭りの復活などに奔走し、短期間で地域住民に食い込んできた一平を見込んでのことだった。
一平が大江戸の街に愛着を持ち始めていることに気付いている真壁は、「悪い話じゃない。お前にとっても住民にとっても」と冷静に言い放つ。それに対し、一平は「自分が納得できてからやりたい」と返答。すると真壁は、再開発賛成派の地権者たちが集まる集会に参加するように勧める――。
町会長の慎太郎(岩松了)ら、賛成派たちの「変化を恐れず、街を存続させることが大切」という意見に深くうなずきながらも、商店街で老舗の銭湯を切り盛りするあき子(市毛良枝)の「街の歴史や物語を守りたい」という声にも、真摯(しんし)に耳を傾け続ける一平。賛成派と反対派の間で揺れ動く一平が、最後に下す決断とは…。かくして新たな決意を固めた一平は、続く第10話(3月13日)、最終話(3月20日)で、さらに大胆な行動に打って出ることに。最低男が仕掛ける選挙戦の行方は、果たして…!?
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