山本美月主演で志村貴子の「おとなになっても」がドラマ化。共演は栗山千明2025/02/18

　Huluでは、山本美月、栗山千明の共演でおくるHuluオリジナル「おとなになっても」が4月26日から独占配信。2019年5月号から23年10月号まで「Kiss」（講談社）で連載されていた志村貴子氏の同名コミックが、ついに実写ドラマ化されることになった。

　原作者の志村氏は、現在連載中の「ハツコイノツギ」や、「どうにかなる日々」「青い花」「こいいじ」など多くのヒット作品を生み出してきた。同性同士の恋愛、少年少女の複雑な心情を大胆かつ繊細に描き、多くの読者から注目の人気作家だ。志村の描くイラストは親しみやすく柔らかさのあるタッチで支持され、話題のアニメ「アルドノア・ゼロ」「バッテリー」のキャラクターデザインを手がけ、あさのあつこ氏の「The MANZAI」や川上未映子氏の「あこがれ」などの小説の装丁などでも、作品の持つ世界観を優しく表現し彩ってきた。

　原作では、さまざまな登場人物たちの群像劇の中で「おとなの女性同士の恋愛」をメインテーマに据え、既婚者の大久保綾乃と平山朱里の恋模様が描かれている。加えて、結婚や義理の親との関係、職場でのしがらみなど、“おとな”に成長する過程で多く人々が経験したことのあるほろ苦い事柄や、読み進めるうちにドキッと核心を突かれるセリフにハマる読者が続出。今回、これまでの志村の長い作家生活の中で、記念すべき初の実写化となる。

　出産後、初の単独主演ドラマとなる山本は、主人公の綾乃を演じる。山本は11年に俳優としてのキャリアをテレビドラマでスタートし、直近では映画「聖☆おにいさんホーリーメンVS悪魔軍団」（24年）など話題作に出演している。演技はキャリアを重ねるごとに存在感を増し、個性的なキャラクターも豊かな感性で見事に演じ上げてきた。

　綾乃は、小学校の先生で真面目だが、意外にも大胆さを持つ女性。柔らかな雰囲気をまといながらも自分の考えを言葉で真っすぐと紡いでいくキャラクターを、原作ファンでもある山本が真摯（しんし）に、そして愛らしく表現する。「高校時代から志村先生の漫画がずっと大好きだったので、まさか私が初めての実写化に呼んでいただけるなんて、信じられませんでした。一ファンとして絶対に、世界観を壊さず、実写化する意味のあるすてきな作品にしたい」と意気込む。

　また、山本と初共演の栗山は、綾乃の行きつけのダイニングバーで働く朱里役を演じる。栗山は2003年に「キル・ビル Vol.1」でハリウッドデビューを果たしたことでも知られ、シリアスからコメディまで、どんな作品の色にも染まる幅広い演技力を評価されている。昨年芸能活動35周年を迎え、テレビドラマ「晩酌の流儀」や映画「八犬伝」（2024）など出演作が続く。

　そんな栗山が演じる朱里は女性が好きで、マイペースな綾乃に翻弄（ほんろう）されながらも、いちずに自分が信じる愛に向き合っていく。ツッコミゼリフも多いキャラクターを生き生きと見せる姿も注目だ。今回の出演に際し、「朱里があまりにも魅力的なので、私が演じさせていただいていいのか、とても恐縮に、そして光栄に思う」と率直な心境を明かしている。

　こんほど公開された特報映像では、出会った直後からひかれ合い、距離を近づけていく綾乃と朱里の映像に添えられたモノローグが、2人の心情を色鮮やかに映し出す。映像では、綾乃が「あんなふうに気持ちが揺れ動いたのは初めてで…」という真っすぐな気持ちを吐露。反対に、朱里は「あんた何者？」「オメーは人妻だろ！」と、早くもマイペースな綾乃に振り回される姿から目が離せない。最後に、綾乃と朱里の「会いたい」という切ない思いが一つに重なったセリフは、一筋縄ではいかない2人の恋の行方を予感させる。対照的な2人が心情を繊細に表現していく物語に注目だ。

山本美月（大久保綾乃役）

――「おとなになっても」への出演が決まった時の感想は？

「高校時代から志村先生の漫画がずっと大好きだったので、まさか私が初めての実写化に呼んでいただけるなんて、信じられませんでした。もちろん『おとなになっても』も大好きな作品の一つで、私が綾乃を演じることができるなんてとてもうれしかったです。一ファンとして絶対に、世界観を壊さず、実写化する意味のあるすてきな作品にしたいと思い、挑ませていただきました」

――ドラマの注目ポイント＆視聴者へメッセージをお願いします。

「この作品は恋愛ドラマですが、よくある恋愛ドラマとは少し違ったものに感じるかもしれません。真っすぐにハッピーエンドへ向かう恋愛ドラマではないと思います。たくさんの登場人物がいて、みんなそれぞれに思いを持っていて。それぞれの決断を正しいと思う人も、間違っていると思う人もいると思います。でもきっと正解はなくて、それがとてもリアルだと思うのです。そんな人のあいまいで美しい思いを描いた作品です。きっと誰かに自分を重ねて見ていただけるのではないかと思います。自分の気持ちに正直になれない方の心にそっと寄り添える、そんな作品になっていたらうれしいです」

栗山千明（平山朱里役）

――「おとなになっても」への出演が決まった時の感想は？

「朱里があまりにも魅力的なので、私が演じさせていただいていいのか、とても恐縮に、そして光栄に思いました。志村先生や原作ファンの方々の作品への思いをきちんとくみ演じることができるのか、私が演じる朱里を受け入れていただけるか、不安も大きかったです」

――ドラマの注目ポイント＆視聴者へメッセージをお願いします。

「重く描くこともできる内容だと思いますが、どこかポップで透明感のある奇麗な印象の作品になったと思います。それは登場人物それぞれが真っすぐに、誠実でありたいと思っているから生まれた世界観ではないかと私は思います。作品を通して、悩ましい感情や葛藤を少しでも前向きに捉えてもらえたらうれしいです」

志村貴子（原作）