佐藤勝利&髙石あかりが熱演! 手塚治虫原作「アポロの歌」で感じた思いとは2025/02/12 18:00
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佐藤勝利(timelesz)さんと髙石あかりさんがダブル主演を務める連続ドラマ「アポロの歌」が、MBS/TBSドラマイズム枠にて2月18日より放送スタートします。
本作は、1970年に「週刊少年キング」で連載された鬼才・手塚治虫さんの壮大なSF青春ストーリー「アポロの歌」を現代解釈し、実写ドラマ化したものです。原作は、人間のダークな部分を掘り下げた手塚さんのノアール作品で“黒手塚”とも呼ばれており、大きな叙情詩の中で真っ向から愛を描き賛歌をうたった傑作として、改めて注目を集めています。
主人公の近石昭吾(佐藤)は、幼少期に起きた母親とのトラウマ(心的外傷)で愛を憎むようになり、女性の家に転がり込んでは金をもらい生活を続けていました。幼なじみの渡ひろみ(髙石)との関係だけは特別な何かを感じていましたが、ある日、ひろみが自らに好意を抱いていることを知った昭吾は、愛を憎むが故に決定的な間違いを犯し、ひろみを死なせてしまいます。行きついた世界で、昭吾は女神にある罰を言い渡されます。それは「何度生まれ変わっても1人の女性を愛し、結ばれる前に死ぬ」というものでした。逃れられない転生のループと女神の啓示により、昭吾はいくつもの世界をさすらいながら、愛と向き合うことになります。
TVガイドWebでは、愛を軽蔑して生きている大学生・昭吾を演じる佐藤さんと、昭吾が転生するいずれの世界にも必ず現れる幼なじみ・ひろみを演じる髙石さんに、役づくりについてなどを語っていただきました。
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――手塚さんの原作を現代解釈し、実写化した作品ということで、出演のお話を聞いた時の心境をお聞かせください。
佐藤 「企画書に載っていた手塚さんの絵を見て、『手塚作品に出演できるなんて!』と感激しました。演じられるのか不安でしたが、だからこそ挑戦したいし、手塚さんの世界に飛び込みたいと思いました」
髙石 「同じドラマイズム枠の『生き残った6人によると』(MBS・TBS/2022年)で、ご一緒させていただいた二宮(健)監督とMBSのプロデューサーさんからお声がけいただいてとてもうれしかったですし、手塚さんの作品だと聞いて本当に驚きました。二宮監督ワールドと手塚さんワールドとの掛け合いがどんなものになっていくのかも、とても楽しみでした」
――作品名の発表前に、お二人の上半身だけの写真が公開されるという斬新な方法で出演が解禁されましたが、周囲の反響はいかがでしたか。
佐藤 「ドラマイズムとだけは書いてあるので、ドラマだとは思われているのでしょうけれど、『果たして本当にドラマなのか?』と思った方もいるかもしれませんね」
髙石 「皆さんは、私たち2人の表情だけで考察をされていましたよね。険しい表情と涙を流している表情で」
佐藤 「『どんな作品なんだろう、ドロドロ系かな』という意見も見かけますが、ドロドロ系でもないのかな」
髙石 「おそらく、皆さんが想像されているものとは全く違うものになっているので、『アポロの歌』というタイトルが発表された時の反応がとても楽しみです」(※取材時は作品名解禁前)
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――お互いの第一印象と、実際にお会いしてみての感想をお願いいたします。
髙石 「初めてお会いした日に、柔らかい雰囲気があり、スタッフの皆さんに対しても優しい方だなと。最初は少し緊張しましたが、楽しんでお芝居ができそうだなという印象を受けました」
佐藤 「お話をいただいた時は、かわいらしい雰囲気の方という印象でした。でも、初めて本読みをした時、椅子から立ち上がり、動き回って読まれていたので、『お芝居への熱量がすごい! 僕も付いて行かないと』と思いました。ポスター撮りの時もご覧のとおり涙を流していて、すごい役者さんだなと。お話ししていても楽しく、和気あいあいと撮影に臨むことができました」
髙石 「ありがとうございます。佐藤さんをはじめ、周りの皆さんの熱量もすごいからこそだと思います」
――幼なじみという関係を演じるにあたり、2人で何かディスカッションはしましたか。
髙石 「役について2人だけでは会話をあまりせず、お互いに監督と話をし、お互いが感じるものを精いっぱい感じ取り、与え合って…という感じで作っていきました」
佐藤 「ファーストリアクションを撮りたいという監督の意図もあったんです。現場では、スタッフの方々とも自然と仲良くなり、周りとも距離を感じることなく撮影させていただきました。なので、幼なじみという関係性が自然とそこにあった感じがしました」
髙石 「皆さん仲良しで、とてもいい現場だったなと改めて思います」
佐藤 「監督とカメラマンさんは大学の同級生だそうで、プロ同士の会話もたくさんありましたが、砕けた会話もあり、それが現場のリラックスにつながっていました。初日は緊張感がありつつも、2日目からは肩肘張らない現場になっていました」
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――シリアスな作品ですが、現場は和気あいあいと楽しい雰囲気だったのでしょうか。
佐藤 「最終日までとても楽しい現場でしたよね」
髙石 「楽しい雰囲気のシーンを撮影する時は、和やかな撮影現場の空気感をそのままお芝居に持っていって演じたことも。なので、リアルな楽しいテンションが出ているシーンもあります」
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――演じるにあたり、難しかったことや苦労されたことはありますか?
佐藤 「原作の昭吾は世界や時代が切り替わるごとに記憶が一からスタートするのに対し、ドラマ版では記憶もそのまま続いています。なので、原作に描かれていない部分をどのように積み上げていけばいいのかを想像しながら固めていくのが難しかったです」
髙石 「私は、各話数でのキャラクターの演じ分けが難しいなと思いました。各エピソードで作っていったキャラクターに一切触れず、全部壊して新たな方法で取り組むという役どころになるので。でも、難しいからこそ挑戦したかったところでもあります」
――演じたキャラクターの魅力に感じている部分などを教えてください。髙石さんは3役を演じられたということで、それぞれお伺いできればと思います。
佐藤 「昭吾は幼少期のトラウマにより愛に飢え、愛情や周りの幸せを認められず、もはや否定してしまう役ですが、愛に飢えているということは愛を望んでいるということですよね。そんな愛に飢え、求めているからこそ拒んでしまうところが出せればと思って演じました。ただ嫌がっているのではなく、欲しいけど欲しくないような、矛盾のある人間というふうに。でも、“本当に欲しい”かのように伝わってしまったら違うキャラクターになってしまうので、1話の世界の昭吾を作っていくのは特に難しかったです」
髙石 「1話のひろみと私は、性格が一番かけ離れているので特に難しかったです。『すごく好きだけれど壊れたらどうしよう。伝えたくない、でも伝えたい』など、矛盾する感情がたくさんあったので。昭吾に対しての乙女なかわいらしい部分は、監督と相談しながら固めていきました。2人目の歌手のひろみは、カッコ良くてすてきだなと思うキャラクターです。信念はあるけれど、大きい力に負けそうになるという魅力的な子ですね。そして、3人目の合成人シグマはとても不器用。人間は『愛してる』という言葉の強弱で表現できるけれど、合成人のシグマにはその方法がないから伝えられず…もどかしさや不器用さを持つかわいらしいキャラクターだなと思いました」
――撮影をすでに終えたそうですが、手応えはいかがですか。
佐藤 「大変いい作品になっています! 『映像が美しい』と好評いただいていますし、監督を筆頭にスタッフやキャストの皆さんとコミュニケーションを取り、チームワークを感じながら撮影できたので、現場にいる時から『いい作品になっているな』と思っていました」
髙石 「衣装やメーク、撮影技術、照明など、スタッフさん全員がこだわり抜き、1人でも欠けたら完成しなかった作品だと思っているので、このこだわりが視聴者の皆さまにも届いたらいいなと思っています」
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――本作はお二人にとっても斬新な役どころかと思いますが、これをきっかけに見せていきたい一面などがあれば教えてください。
佐藤 「ドラマでのシリアスな役がほぼ初めてだったので、今後もチャレンジしていきたいなと思っています」
髙石 「合成人の王シグマというキャラクターを、自分の中で固めて作っていきました。最初は『自分で固めていったシグマを演じてしまっていいのか』と不安がありましたが、監督が良しとしてくださったからこそ、新境地でいろいろ挑戦ができたのかなと思っています。ぜひ見ていただけたらうれしいです」
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【番組情報】
「アポロの歌」
2月18日スタート
MBS
火曜 深夜0:59~1:29
TBS
火曜 深夜1:28~1:58
※TBS放送後、TVer、MBS動画イズムにて1週間無料見逃し配信
【第1話あらすじ】
幼少期の母親とのトラウマが原因で、愛を憎むようになった近石昭吾(佐藤勝利)は、皮肉にも母親と同じように人妻と寝てはお金を受け取る退廃的な日々を送っていた。そんな中、幼なじみでBAR「アガペ」で働く渡ひろみ(髙石あかり)から呼び出された昭吾は、ひろみが長らく昭吾へ抱いてきた思いを知ってしまう。2人の距離が近づいたある夜、過去のトラウマが原因でひろみを死なせてしまった昭吾は、深い眠りの中で「愛」を説く女神に出会い啓示を受ける。それは「何度生まれ変わっても1人の女性を愛し、結ばれる前に死ぬ」というものだった。
※手塚治虫/手塚プロダクションの「塚」について、正しい表記は旧字体となります。
取材・文/S・Y(MBS/TBS担当)
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