小日向文世が山田洋次の描く珠玉のホームドラマ「わが家は楽し」で主演。髙橋海人らが共演2025/01/31 04:00
TBS系では、3月13日に小日向文世が主演を務めるドラマ特別企画「わが家は楽し」(午後9:00)を放送することが決定。戸田恵子、髙橋海人(King & Prince)、桜井ユキ、山田杏奈、えなりかずきが共演することも発表された。
本作の作・脚本を務めるのは、映画「男はつらいよ」シリーズをはじめ、多くの名作を手がけてきた山田洋次。プロデューサーには、同局の「渡る世間は鬼ばかり」など数々のホームドラマを世に送り出してきた石井ふく子氏が名を連ねる。この2人がテレビドラマでタッグを組むのは、2018年の「あにいもうと」(TBS系)以来、約7年ぶりとなる。
物語は、夫婦間の離婚問題をきっかけとして、その問題が家族全員の心を揺さぶっていく、というストーリー。そして、やがてそれに関わる全員が、それぞれの立場で「家族とは何か」「夫婦とは何か」を考え、新たな形で家族の絆を見つめ直していく。
長年、同じ屋根の下で暮らしてきた家族でも、大切なことは何も話してこなかった。話さなくても分かってくれていると思っていても、もしかしたら分かってくれていないこともあるのではないだろうか…。本当に大切なことはちゃんと言葉にして相手に伝えなければいけないのではないか? 例え、それが家族であっても。本作は、人と人とのつながりが希薄になっている現代だからこそ、孫・親・祖父母の世代に広く「家族」について見つめ直すきっかけを訴える珠玉のホームドラマとなっている。
主人公は、仕事一筋だった平山幸之助(小日向)。長年勤めた会社を定年退職し、妻の史枝(戸田)と穏やかな余生を送ることを楽しみにしていたが、史枝には「ブックカフェを開業したい」というひそかな夢があった。史枝は幸之助の退職金を使ってカフェを始めたいと考えていたが、幸之助は猛反対。これがきっかけで家族を巻き込む離婚問題に発展してしまう。
そんな中、大学生の長男・和夫(髙橋)は、両親の離婚話にどう関わるべきか悩み、彼女の美鈴(山田)に相談するが、彼女には和夫の知らない過去があった。さらに、長女で税理士の濱口遥(桜井)は、夫・雄太(えなり)とともに両親の関係を修復させようと奔走する。そんな家族たちの心情が交錯する中、予期せぬ出来事が発生する。
数々の映画やドラマで幅広い役を演じてきた小日向だが、本格的なホームドラマで一家の父親を演じるのは今回が初めてとなる。小日向は「山田洋次さんがテレビドラマをオリジナルで書くことはあまりないことだと思うので、そんな作品に自分が参加できること、そして石井ふく子さんがプロデュースをされるということで、このお二人がそろったドラマに自分がオファーされて非常に光栄でした」と、巨匠たちの作品に参加できる喜びを語る。
さらに「僕が演じる幸之助は、そんなことしたら奥さんに嫌われちゃうよ、というような困ったおじさんだなと思います(笑)。僕はいつも妻に気を使いながら、嫌われない、捨てられないようにして生活していますから真逆です。偉そうにはしていません。絶対に(笑)」と、自身の役柄についてユーモアを交えながらコメント。
本作を通して、家族の在り方を深く掘り下げた物語になっているとし、「僕が子どもの頃にテレビでよく見ていたホームドラマに近い感じがしてすごく懐かしい。僕の世代の方は特に何とも言えない郷愁を感じると思います。いろんな家族の在り方を深く掘り下げている作品になっていますので、若い世代の方にもこの作品を通して『家族とはどういうものか』ということを考えるきっかけになっていただけたらうれしいです。ぜひご覧ください」と、作品の見どころについて触れている。
小日向の妻・史枝役を演じるのは戸田。「本作のお話をいただいた時は『私ですか!?』と本当にびっくりしました」と、オファーを受けた際の驚きを明かし、「この家族の中のいろんな人物に皆さんリンクするところがきっとあると思います。今時珍しい感じのドラマになっているんじゃないかなと思います。逆にそれがすごく新鮮で、タイトルには“楽し”とありますが、私たちは楽しくないけんかシーンや、そのほか、さまざまなシーンもあります。でも、そこを乗り越えて、最後は楽しいと落ち着くドラマになっていると思います」と、本作の魅力を伝える。そして、「撮影では、みんなそれぞれ夢中で一生懸命でちょっと不器用で、すごく面白いです(笑)。たくさんの方に見ていただきたいです!」と、作品への期待を込めた。
髙橋は、家族の問題に直面する長男・和夫役を担う。「石井プロデューサーと山田洋次さんというレジェンドのお二方がそろった作品に出させていただけるということで、とてもワクワクドキドキしました。僕にとっては、何が起こるか分からないすごい世界に飛び込んで立ち向かっていくような、宇宙旅行みたいな感じで(笑)」と、作品への参加を喜ぶ。
続けて、「この作品に携わらせていただいてから、改めて『自分にとっての家族像』ってなんだろうとすごく考えさせられました。でも結果、自分にとって家族は、一番近くにある当たり前なものなのだと思いました。人生生きていくと良くも悪くもいろんなことが当たり前になって会話をおろそかにしてしまうこともあるけど、一番頼れて、一番長くて近くにいるとほっとする当たり前の存在なのだなと」と、本作を通して感じた思いを明かし、「このドラマから『家族とは何か?』ということをたくさん感じ取っていただき、見終わった後は家族のみんなと連絡を取るきっかけになればいいなと思います。楽しんでご覧ください!」と、視聴者にメッセージを寄せている。
桜井は、長女・濱口遥役として出演。「幼少期から見ていたテレビドラマや映画、数々の名作を生み出されてきた石井ふく子さん、山田洋次さん、そして清弘(誠)監督の作品に、まさか自分が出演させていただける日が来るとは思っていなかったので、本作のオファーをいただいた時はすごく光栄な気持ちでした。そしてとても緊張しました(笑)」と出演の喜びと驚きを述べる。
加えて、「このドラマは、とても温かみのある家族の日常のお話です。でも、その温かさの中にあるちょっとしたひりつきや滑稽さもとてもいとおしく。見どころたっぷりです。この不思議な愛すべき家族の日常を、温かく見守って、そして楽しんでいただけたらうれしいです」と作品の魅力を伝えている。
山田杏奈が担当するのは、和夫の彼女・吉岡美鈴。山田は、「ずっと日本の映像界を作ってこられたお二方なので、今回参加させていただけることが本当に幸せで光栄で、身が引き締まる思いでした」と語り、「脚本を読んでいて、この言葉を言わせてもらえるのはすごく楽しみだなとか、幸せだなと思いながら一つ一つ大事にやらせてもらえたらなと思っています。山田洋次さんからも『(私の演じる)美鈴が言う言葉は、作品の中でも大切な要素になっている言葉が多いから』と言われてすごく緊張しました」と、その重責を感じたという。
そして、「本作は、家族の在り方や自分は家族の中でどういう存在なのか、他の家族は実は何を考えているのだろうかということがすごく人間らしく、でも日常的なテーマの中で描かれているすごく心温まるすてきな作品だと思います。私は髙橋海人さん演じる和夫の彼女・美鈴役として参加させていただいていますが、美鈴が一家にどのように関わってくるのかも注目して見ていただけたらうれしいです。お楽しみに!」と呼びかけた。
遥の夫・雄太役を務めるのはえなり。「まず、このお二人がタッグを組まれるんだというのが衝撃で、今回その作品に携わらせてもらえて本当にうれしいです」と感激。さらに、「本読みでは、山田先生がひと言ひと言に命をかけて書いていらっしゃることに感動しました。それと同時に、その命がかかったセリフを言う身としては非常に緊張してちょっと震えました。あのような本読みは初めてで、初体験でした。山田先生の作品に携わらせていただくのは今回が初めてですが、きっと山田先生の数々の作品は、このようにして生まれてきたのかなという勝手な妄想をしておりました」と、特別な体験になったことを明かす。
また、「僕は小日向さんと戸田さんの大ファンなので、お芝居を目の前で見られたことがとても幸せでした。あのお二人の掛け合いを皆さんにもぜひ見ていただきたいです。すごいお芝居の応酬なので、すごく見応えがあると思います。ぜひご覧ください!」と、内容への自信をのぞかせた。
山田洋次は、「『サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ――』という植木等の歌が大ヒットしたのは1960年代だっただろうか。一応名の通った大学を出て上場会社に就職すれば、スピードに個人差はあってもともかく年ごとに月給は上がってゆき、やがて管理職、そして定年になりほどほどの退職金をもらって第2の人生を迎える、という安全なサラリーマン人生を植木等は自嘲気味にうたったのだが、1980年代に入ると効率とか成果主義とかいう言葉が押し寄せてきて、サラリーマンの世界に中途退社とか中途採用が当たり前になりだす。大きく変わり始める会社員の在り方に不安を抱きつつ、何とか無事に定年を迎え、そこそこの退職金をいただいてリタイア、さてこれからどのようにしてまだまだ長い人生、いわゆるオルタナティヴライフを送るべきかと、家族には見せないけど内心不安をいっぱい抱えているのがこの作品の主人公・平山幸之助だが、その彼に思いもかけない事件、大げさなようだがしかし、彼にとっては間違いなく人生の大事件が勃発する」と、物語のテーマについて語る。
さらに「長年同じ屋根の下、屋根どころか同じ部屋に寝起きしていながら、愛について語り合うことが少ない夫婦は多いのではないだろうか。さて、この恐るべき事態をどう切り抜けるか、破綻してしまうのではなく、懸命な知恵と工夫で夫婦が再生することは出来ないだろうかという難問題を、石井ふく子プロデューサーから出された宿題を解くような思いで、この脚本を書きました。思えば今から50年前の東芝日曜劇場の時代、ぼくは石井さんにテレビドラマ脚本の骨法についてしっかりと教えられたものです。ドラマのTBSという輝かしい伝統を懐かしく思い出します」と、執筆に込めた思いを語った。
石井プロデューサーは、「今の時代、テレビで家族の問題を真正面から描いたドラマが少なくなってきたなと思います」とし、「でも、『家族』という存在はすごく大事なんだということを常に感じています。そして、長年タッグを組んできた山田洋次さんとは数年前からそのことを話してきて、山田さんも同じお気持ちでいたので、今回も山田さんの脚本で作り上げたいなと思いました。家庭の中では時にいざこざが起きて、腹が立つこともあるかもしれないけれど、それでも一緒に生活できることはとてもすごいことで、実は一番自分の生活に合っていて、それが『家族』なのだということ。いろんな問題があるけれども、最終的には『家族は楽しいんだ』ということを伝えたく、本作を作りました」と、制作の経緯を説明。
その上で、「家族という存在には良いところも悪いところもあるけれど、家族を通して気付くことはたくさんあると思っています。本作の中で繰り広げられる家族同士のいざこざや心の通い合いを通して、自分は正しいと思ってやっていたことが実はほかからは全然違うふうに捉えられていたり、血のつながっている家族でも考え方は人それぞれあるということ。相手の気持ちは聞いてみないと分からないということに気付くきっかけになればうれしいなと思います」と、家族について描いた本作が多くの人に届くことを願っている。
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