【トピックス】映画の年間視聴ランキングを視聴層別とあわせて深掘り!2024/12/20
今回のトピックス
2024年間ランキングベスト20~映画編~
今週は2024年の映画番組の年間ランキングにスポットを当てる。昨年12月9日から今年の12月8日までの1年間に放送された映画番組の「年間ベスト20」である。リアルタイム視聴と録画視聴を合わせた総合ポイントによる集計なので、どれが本当に支持された番組がよく分かるはずだ。
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■年間映画ランキング[リアルタイム+録画視聴] ベスト20
順位 | 番組タイトル | 放送局 | ポイント (%) |
---|---|---|---|
1 | 金曜ロードショー「すずめの戸締まり」(4/5) | 日本テレビ | 100.0 |
2 | 金曜ロードショー「となりのトトロ」(8/23) | 日本テレビ | 98.2 |
3 | 金曜ロードショー「天空の城ラピュタ」(8/30) | 日本テレビ | 95.9 |
4 | 金曜ロードショー「千と千尋の神隠し」(1/5) | 日本テレビ | 94.5 |
5 | 金曜ロードショー「名探偵コナン 黒鉄の魚影」(4/19) | 日本テレビ | 89.2 |
6 | 金曜ロードショー「ベイマックス」(9/6) | 日本テレビ | 81.6 |
7 | 金曜ロードショー「魔女の宅急便」(3/22) | 日本テレビ | 76.1 |
8 | 金曜ロードショー「アナと雪の女王2」(12/6) | 日本テレビ | 74.0 |
9 | 金曜ロードショー「アナと雪の女王」(11/29) | 日本テレビ | 71.7 |
10 | 金曜ロードショー「キングダム 運命の炎」(7/12) | 日本テレビ | 70.9 |
11 | 金曜ロードショー「名探偵コナン 紺青の拳」(4/12) | 日本テレビ | 69.5 |
12 | 金曜ロードショー「塔の上のラプンツェル」(10/11) | 日本テレビ | 67.8 |
13 | 2023WBC映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」(12/16) | テレビ朝日 | 67.5 |
14 | 金曜ロードショー「アラジン」(3/1) | 日本テレビ | 66.4 |
15 | 土曜プレミアム・映画「イチケイのカラス」(1/6) | フジテレビ | 66.3 |
16 | 金曜ロードショー「今日から俺は!!劇場版」(9/13) | 日本テレビ | 65.3 |
17 | 金曜ロードショー「ゴジラ-1.0」(11/1) | 日本テレビ | 64.3 |
18 | 金曜ロードショー「ホーム・アローン」(12/22) | 日本テレビ | 64.3 |
19 | 映画「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(10/5) | フジテレビ | 63.2 |
20 | 土曜プレミアム・映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」(9/28) | フジテレビ | 63.0 |
「ベスト20」のほとんどが日本テレビ「金曜ロードショー」で占められており、その内訳はアニメが11本で実写が9本。アニメのうち、4本がジブリ作品、4本がディズニー作品、2本が「劇場版 名探偵コナン」で、残りの1本がトップに立った新海誠作品「すずめの戸締まり」である。
22年末の公開で、これが地上波初放送。録画視聴でポイントを伸ばし、堂々の年間首位に輝いた。ほかにも5位の「名探偵コナン 黒鉄の魚影」や、10位「キングダム 運命の炎」など、地上波初登場の作品が上位を占めているが、何度放送されてもいまだに高い数字を残すスタジオジブリの作品の強さは桁外れであると言える。
中でも2~4位の「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」「千と千尋の神隠し」は特に人気の高い作品で、これが全部放送された今年は当たり年だったと言える。
実写では、10位の「キングダム 運命の炎」がトップだったが、変わり種だったのが13位の「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」。23年3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で見事優勝を果たした“侍ジャパン”の活躍を記録したドキュメンタリーで、同年6月に劇場公開され、昨年末に地上波で初放送された。
14位の「アラジン」は、19年公開の実写版。今年は3月に日本テレビ、11月にフジテレビと2回テレビ放送されているが、ランクインは3月の日本テレビ分である。15位以降には「イチケイのカラス」「ゴジラ-1.0」など、地上波初放送の日本映画が並び、秋に久しぶりのテレビ放送で話題となった「踊る大捜査線」シリーズもランクインしているが、18位の「ホーム・アローン」が異彩を放つ。昨年のクリスマス前に放送されているのがミソで、この時期テレビで放送してるとついつい見てしまう。今年も本日、20日に「ホーム・アローン2」放送される。
続いてユーザーの性別・年齢による視聴傾向の違いを見ていこう。各ターゲット別の「年間ベスト3」を表にしてみると、なかなか興味深い結果となった。
「T」(13~19歳の男女)から「M1」「F1」(20~34歳の男女)の若いグループは、「名探偵コナン 黒鉄の魚影」の圧勝。「T」のベスト3にジブリ作品がなく、代わりに「コナン」が2本入っているのも興味深いが、むしろ20代~40代にかけてのジブリ作品への支持の高さはさすがといえる。特に「天空の城ラピュタ」の強さは驚異的で、まさにこの世代が“バルス祭り”を支えていたんだろうなと思う。
そして50歳を境に、一気に実写作品への志向が強まる。「M3」層(50~64歳の男性)の「キングダム 運命の炎」や「今日から俺は!!劇場版」への支持や、「F3」「F4」層(50歳以上の女性)での「イチケイのカラス」の人気は興味深いし、「M4」「F4」層(65歳以上の男女)で共に「憧れを超えた侍たち」が第1位となっているあたりにエンターテインメントの世代感がダイレクトに感じられる。個人的には「M4」層(65歳以上の男性)で「ゴジラ-1.0」が2位に入っているのが実に面白い。
かつてほどの存在感はないものの、テレビにおける映画番組の重要性は今も大きい。往年の名作や初放送の新作に胸ときめかせる感覚は世代を超えている。今後もさまざまな角度から分析を続けていきたい。
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文/武内朗(たけうちあきら)
TVアナリスト。東京ニュース通信社にて「TVガイド」「TV Bros.」編集長ほかを歴任。TVガイドアーカイブチーム代表。好きな言葉は博覧強記。3大フェイバリットコンテンツは、ビートルズ・ナイアガラ・魔法少女まどか☆マギカ。
【ランキングデータについて】
ランキングデータは、関東142万台(公開日現在)を超えるREGZAの視聴データを基に、テレビの利用状況(家族での視聴や個人の視聴など)やユーザーの性別・年齢などの属性に、政府統計による世代別人口やテレビ保有率を加味した番組ごとの「推計視聴人数」を算出し、TVガイドWebが独自にランキング化したものです。
※各ランキングデータは、地上波放送番組とBS放送番組を合わせて集計したものです。
※ランキング集計期間には、集計日当日の翌日AM5:00までの番組を含みます。
※録画視聴は、放送日当日を含めた7日間のうちに再生視聴されたデータです。
※数値は1位を100とした場合の比率となります。
■テレビ視聴ランキング
・リアルタイム視聴ランキングベスト20 → 放送時刻に視聴した推計視聴人数が多い番組の上位20位分を掲載。
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出典元:TVS REGZA株式会社 テレビ視聴データ“TimeOn Analytics”
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