櫻井翔が戦後80年「いまを、戦前にさせない」プロジェクトのメッセンジャーに就任2024/12/09
日本テレビは、NNN各局と共に戦後80年プロジェクト「いまを、戦前にさせない」を立ち上げ、櫻井翔がメッセンジャーとして就任することを発表した。
2025年8月15日で“あの戦争”は戦後80年を迎える。1945年に生まれた赤ん坊は80歳になり、当時20歳だった人は100歳となる。戦争の記憶がはっきり残る世代はかなり少なくなり、いまの日本で生きる私たちの大半が、あの戦争についてほとんど分かっていないと言っても過言ではない。教科書で学んだかもしれないが、記憶は曖昧。世界で起こっている戦争のニュースを聞いても、どこか遠い世界のことだと思ってしまう。
しかし、日本の外に目を向けると、軍事大国となった中国が台湾への圧力を強め、北朝鮮は核やミサイルの開発に突き進み、日本や韓国への威嚇も繰り返している。ロシアの大統領はウクライナへの侵攻を止め、他の国々に対しても核の使用をちらつかせ、中東で続く戦闘でもおびただしい数の市民が命を落としている。そして超大国アメリカの次の大統領は日本、そして世界を戦争から守るために指導力を発揮するのか、いまは予測不可能だ。
日本人はいま、意識せずに「平和」を手にしているが、80年前には日本でも、戦争の悲劇に人々は翻弄(ほんろう)されていた。当時の犠牲者は、日本人だけでもおよそ310万人。世界では数千万人が命を落としたと言われている。
日本テレビは、「いまを、戦前にさせない」という気持ちを胸に「戦争」と向き合うことを決意。戦後80年の節目に「二度と戦争をしてはならない」と改めて認識し、「いまの日本は本当に平和ですか?」と投げかけ、日本を見つめ直すきっかけになればという思いを強くする。そのためには、あの戦争を“じぶんごと”として感じ、考えるきっかけを作りたいという。
メッセンジャーを務める櫻井は、これまでも「徹子の部屋“戦争”を忘れない~櫻井翔が聞く黒柳徹子の記憶~」(テレビ朝日系)で黒柳徹子に戦争体験を聞くなど、戦争にまつわる番組に出演している。そういった機会を通し、強く印象に残っているのは「戦争っていうのはね。始めたら戻れないんですよ。だから、始めたら駄目なの。やっているうちになんで戦争しているかも分からなくなる」と当事者から聞いた言葉だと語る。
続けて、「始まってしまった。止めることが出来なかった。戻れなかった。引き返せなかった。戦争が始まり行く様子を知る方の、後悔にも近い思いがにじみ出る言葉でした。雨の神宮外苑競技場で学徒出陣を見送ったこと。戦中、戦後のこと。目の前に景色が広がるかのようなお話を伺ったのは3年前。そして、昨年、旅立たれました」とその言葉を発した方との思い出を振り返る。
そんな櫻井が初めて戦争に関する主事をしたのは、2009年8月。長崎での取材から始まり、およそ15年がたった。「多くの方に戦争についてのお話を伺ってきました。目に涙を浮かべながら伝えて下さる方。眼球を動かしながら、まるでいまその景色を見ているかのように伝えて下さる方。橋の手前でお話を聞いた妹さんの先には、見送ったお兄さんが見えているかのような時もありました」と取材で出会った方々の記憶をひもとく櫻井は、「思い出すのもつらいことを必死に伝えて下さった方々。全ての方に共通する強い思いがあります。『二度とあのようなことがないように』」と彼らからメッセージを受け取った。
そして、「1945年から80年が経とうとしています。あの時代を、白黒写真の遠い過去の話にしないように。いまと同じような“日常”の中にいたと感じられるように。そして、いまの自分たちは、その地続きにあるのだと感じられるように。記憶に深く刻まれるような記録を積み重ねて参ります」と思いを新たにした。
本プロジェクトは2025年1月3日よりスタート。3日は「news every.」(午後5:30)にて日本がなぜ戦争に踏み切ったのか、当時の出来事を振り返り、二度と惨禍を起こさない教訓としていくヒントを報道局長解説と共に探る。1月4日は「news every.サタデー」(午後5:00)で「新しい戦前」とは何か、台湾有事が起きると私たちの生活にどのような影響があるのか、80年前の出来事から学んでいく。1月5日は「NNNニュース」(午後6:00)にてこれまで櫻井が取材してきた戦争企画の中から、戦後80年に届けたい「語り継ぐべき戦争の記憶」のVTRをオンエアする。
1月6日以降は「Oha!4 NEWS LIVE」(月~金曜午前4:30)、「news every.」(月~金曜午後3:50、午後4:45、午後5:53。一部地域を除く)、「news zero」(月~木曜午後11:00、金曜午後11:30)、「真相報道 バンキシャ!」(日曜午後6:00)、BS日テレ「深層NEWS」(月~金曜午後6:58)など、日本テレビの報道番組が総力を挙げて「いまを、戦前にさせない」を考え、取材し、伝える。
企画始動に際し、伊佐治健日本テレビ報道局長は、「3年前の12月、ヨーロッパの国際会議から戻った政府関係者が、声を潜めて口にした言葉はいささか大げさに聞こえました。『ロシアは本気だ。“第3次世界大戦”になるかも知れない』。翌年、ウクライナ侵攻は想像をはるかに超える全面的な攻撃で始まりました。国際社会の平和と安定を守るはずの国連安全保障理事会・常任理事国のロシアが、武力による領土侵略を堂々と行い、第2次世界大戦後の国際秩序は根底から揺らいでいます。3年目にはついにアジアから、北朝鮮兵士も戦闘に加わって、世界戦争の恐れは現実味を帯びてきました」と自身の認識と違う方向に走り出した世界情勢を憂う。
そして、「そんな緊張感のもとで迎える戦後80年。“力による現状変更”の試みは私たちのすぐ近くでも進んでいます。台湾、フィリピンの近海で、中国が軍事的威圧を強め、武力衝突の危機に日本の平和も脅かされています。軍事的つばぜり合いが、やがて偶発的な衝突を招き、最後は意図しない戦争に突き進んでしまうことがあることも、歴史の教訓です」と危機感を募らせる。その意識を「“いまを、戦前にさせない”ために、報道の仕事に携わる私たちがいまやるべきことは何か。戦争体験者に取材を続けると同時に、戦争の予兆を毅然として見逃さない。80年前、事実を隠し、戦争をあおり立てたメディアの罪もよく心に刻んで、伝えるべきこと、残すべき映像を力の限り発信したいと考えます」と、メディアとしての責任感を果たす覚悟を語る。
また、本プロジェクトでは戦争に関する“記録”を探している。日本では敗戦後、連合国に処罰されるとの恐れから、戦争に関する記録の多くが廃棄されてしまった。一方、近年では、個人の思いでひそかに保管された記録が荷物の整理の際などに発見され、歴史を伝える貴重な資料になっている。戦地や国内で記録された日記や資料、写真、映像などをお持ちの方、戦地での出来事を証言できるという方は、25年1月に開設する情報募集サイトより、情報を寄せてほしいと呼びかけている。
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