畑芽育が「うち弟」で初の長女役に! 作間龍斗ら4人の弟たちは「バランスが良すぎる」2024/12/06
オザキアキラ氏による同名人気コミックを実写映画化した「うちの弟どもがすみません」。主演を畑芽育が務めるほか、HiHi Jetsの作間龍斗、美 少年の那須雄登、少年忍者の織山尚大、ジュニアの内田煌音が出演する。
今回は、母親の再婚によって、突然4兄弟の姉となる主人公・成田糸役を演じる畑さんにインタビュー。糸に共感できる部分や兄弟たちの魅力をはじめ、映画初主演を務めるにあたって心がけていたことなどを聞いた。さらに、畑さんが俳優として大切にしていることなども…!
――畑さんは今作で映画初主演を努めますが、出演が決まった当初はどのような心境でしたか?
「主演という立ち位置での出演ということで、今までとはまた一つステージが変わるのだなと、プレッシャーや作品を背負う意識みたいなものを今まで以上に感じました。私はこのお仕事を始めて21年になるのですが、長い目で見れば、『この位置に来るのははまだ早いんじゃない?』と感じる方もいらっしゃると思います。ただ、選んでいただいたからには、座長として、この組を引っ張っていける人物になろうと決めて。ただ、これまで先々のことを考えて不安を感じたり、このお仕事を続けるかどうか悩んだこともあったので、ついにここまで来られたんだ…と喜びも大きかったです」
――原作を読んだ時にどのような印象を感じましたか?
「すごくかわいいお話だなと思いました。家族のお話かつラブコメディーと最近あまり見なくなった王道の組み合わせで、『ここまで女の子たちが夢見るシチュエーションってある?』と思えるドキドキな展開も多くて。自分がその主人公である糸を演じるということで、背筋が伸びましたし、しっかりやらなきゃと思いました」
――糸を演じる中で、共感できた部分は?
「糸はお母さんの再婚によってある日突然長女になるという役柄ですが、まずそこから私と似た境遇だなと感じました。というのも、私自身は末っ子で、これまで長女の役を演じたこともなく、一体どうなるのか想像もつかない状況でこの役をいただいて。“分からないなりに、まずはひたむきに一生懸命やってみよう”という部分にすごく通じる部分を感じました。なので、難しさはあまり感じませんでしたが、ずっと糸というキャラクターを模索し続けていた気がします」
――畑さんが糸に感じる魅力は?
「たくさんありますが、何か目標ができた時に突っ走ってしまい、周りがあまり見えなくなってしまう不器用さが人間らしくてかわいらしいなと思います。きっとそういうところが、皆さんから愛される理由なのだろうなと。そんな糸を演じようと私も日々突っ走る中で、いつも彼女にエネルギーをもらっていました。思わずその背中を押してあげたくなる、魅力的なヒロインだと思います」
――今回、初座長を務めるにあたって、現場での過ごし方など、何か意識していたことはありますか?
「私は結構人見知りなところがあるのですが、キャストやスタッフの皆さんとコミュニケーションを取ることを意識していました。一つ屋根の下で物語が繰り広げられるので、現場の温かさやチームワークが作品に色を足していくと思ったからです。そういう和やかな雰囲気が作品に出たらいいなと思い、なるべく楽しく過ごすことを心がけていました。重いシーンの前など、感情の整理をしたい場面もあったのですが、それも現場に持ち込み過ぎないようにしようと思って。普段であれば、現場で雰囲気を感じ取りながら黙々と用意するタイプなのですが、今回は家で済ませていくなど、リズムを変えながら臨んだ1カ月でした」
――長男・源役の作間さん、次男・洛役の那須さん、三男・柊役の織山さん、四男・類役の内田さんと過ごす時間も多かったかと思いますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
「4人は皆さん同じ事務所で、最初から関係性が出来上がっていたのですが、私に対してもいい意味できょうだいのように接してくださいました。当初は男性陣の中に私がポッと入ることでその空気を壊してしまったり、変に気を使わせてしまって、うまく接することができないかもしれない…という不安な思いがあったのですが、そういう男女の壁みたいなものを気にせず過ごすことができて。振り返ってみると、いつも穏やかで、毎日おなかを抱えるぐらい笑って、本当に楽しい1カ月だったなと思います。4人の空気感やチームワークが現場にすごくいい影響を与えてくださって、本当に感謝しています」
――撮影中、印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
「自由人が多くて、皆さんいい距離感でした(笑)。例えば、劇中で源くんがバスケをしているシーンがあるのですが、みんなで撮影をしている作間さんの応援に行ったにも関わらず、気付いたら織山さんが涼しい部屋にいたり、那須さんがバドミントンをしていたり…(笑)。あと、体育祭で源くんと柊くんが騎馬戦をするシーンは、作間さんと織山さんが本当に大変そうでした。暑い中、上裸でほぼ1日かけて騎馬戦のシーンを撮影していたのですが、私と那須さん、煌音くんは応援するシーンのみで、その日は実働30分ぐらいしかなく、本当に申し訳なかったです…。その分、作品の中で一つ華となるシーンになっているので、ぜひ注目していただけたらと思います」
――畑さんは、撮影を通して柊役の織山さんのお芝居に驚いたそうですね。
「ご本人同様に柊くんは繊細で、感情の表現が難しい役柄だと思うんです。でも、織山さんは本読みの段階から原作から飛び出してきたかのように、思い描いていた柊くんを演じていたので、すごくびっくりして…。実際、現場でお芝居していても感情の変化を絶妙に表現されていて、織山さんは俳優としてもさらに輝いていくのだろうなと感じました」
――続けて、成田家の4兄弟それぞれに感じる魅力を教えてください。まず、無愛想で家族思いな長男・源はいかがでしょうか。
「源くんはかわいらしい部分もあるのですが、実際にいたら一番とっつきにくいタイプだと思います(笑)。家族のことを大切に思っているのですが、それを素直に表現できず、不器用なんだけど強さもあって…。柊くん同様に表現が難しいキャラクターだと思うのですが、作間さんがとても魅力的に演じてくださいました」
――頭脳明晰でたまに腹黒な次男・洛は?
「洛くんは源くんとは裏腹にしたたかといいますか、周りをよく見ていて、実は一番長男っぽいのかな、なんて。それが魅力でもあると思います。そして、映画では描かれていないのですが、原作では洛くんの恋愛パートもあり、それがすごく良くて…。キャラクターとしては、実は洛推しなんです。映画では、那須さんのお芝居と、そんな洛くんのキャラクターが絶妙なバランスで成り立っていると思います」
――ミステリアスでシャイな三男・柊は?
「柊くんは本当にミステリアスですよね。何を考えているのか分からないところもありますが、本当は誰よりも家族への思いが強くて、思いやりがあって優しい子。ただ、“家族は守らなきゃいけないし、守るべき存在”というのは兄弟みんなが共通して根底に抱えている思いで、それが家族の絆につながっているのだろうなと。織山さんの繊細なお芝居、とても素晴らしかったです」
――そして、甘えん坊で一家のアイドル的存在の四男・類は?
「類くんは本当に無邪気で、強烈な弟たちの中の唯一のオアシス。大人に気を使うことがまだない年齢なので、グサグサ強烈な発言をすることもあるのですが、それがスパイスになっていて面白かったです。現場でも、煌音くんのおかげで家族の調和がとれていて、“バランスが良すぎる4兄弟だな”と思っていました」
――それでは、演じる皆さんの印象はいかがでしたか? まず、作間さんと那須さん。
「作間さんは面白かったです。那須さんと本当に仲がよく、ニコイチという感じで。いつも2人で変顔をしたり、ギャグを披露し合ったりしていて、思い返すとだいぶ不思議な空間でした(笑)。そして、那須さんは普段はどんな方なのか分からないのですが、この現場ではいい意味で楽しくふざけてらっしゃって。いじられ役を引き受けてくださって、和やかな空気を作り出してくれていました」
――続けて、織山さんと内田さんについても教えてください。
「織山さんは顔を合わせるシーンが少ない分、お会いした時にはコミュニケーションを取ろうと、趣味のお話やダンスについてお聞きしたのですが、いつもどこか恥ずかしそうにされていて…。シャイな方なのかもしれません。そして、煌音くんはおそらく現場で誰よりもおしゃべりしていました(笑)。私に対しても、学校のことや日常のこと、ご家族のことなどいろいろお話ししてくれて、本当に弟のような存在です」
――2024年、今作のみならずドラマ「9ボーダー」(TBS系)、「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日本テレビ系)などにご出演され、大活躍の1年だったかと思います。畑さんが俳優として大切にしていることは?
「自分がこのお仕事を選んだ理由とか、役者でいたいと思ったきっかけとか、今まで数えきれないステップを上ってここまで来たのですが、経験を重ねていくとそういうことがフワっとしてしまうことがあって。自分は何が楽しくて、何をやりたいのか…みたいなことを考える時間が少なくなってしまって、自分を見失ったり、役者としての信念みたいなことをうまく答えられなかったり、はっきり見いだせないこともありました。でも、結局私の根源にあるのは周囲の皆さんへの感謝の気持ちなんです。そして、今作でいえば台本のどのページを開いても大体糸のセリフがありますが、それは5年前の自分ではあり得なかったこと。セリフが数えるほどしかなかったり、自分がセリフを言っているのに別のところをカメラが抜いていたり…。自分にカメラが向くことが当たり前だと思わないこと、謙虚さを忘れずにいたいです。何事も当たり前だと思わずにがむしゃらにやっていかなければいけないな、とこの夏あらためて思いました」
――すてきなお話をありがとうございました。最後に、今作の見どころをお願いします。
「自分に急に兄弟ができて、一緒に暮らすことになり、その中で恋模様が起こるというのは非現実的に感じると思うのですが、この作品はどこかリアリティーを感じられ、さらには胸がときめく瞬間がすごく詰まっています。また恋模様だけではなく、家族の愛も感じられる作品になっているので、少女漫画原作の映画はちょっと…と二の足を踏むのではなく、ホームドラマとして捉えて楽しんでいただけたらうれしいです。温かく優しい気持ちになれる作品になっていますので、多くの皆さんに届くことを願っています」
【プロフィール】
畑 芽育(はた めい)
2002年4月10日生まれ。東京都出身。O型。近作はドラマ「パティスリーNON」(テレ東系/24年)、「9ボーダー」(TBS系/24年)、映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」(23年)など。現在、ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」(日本テレビ系)にも出演中。
【作品情報】
「うちの弟どもがすみません」
12月6日全国公開
原作:オザキアキラ『うちの弟どもがすみません』(集英社「別冊マーガレット」連載)
出演:畑 芽育
作間龍斗、那須雄登、織山尚大、内田煌音ほか
監督:三木康一郎
脚本:根津理香
製作:「うちの弟どもがすみません」製作委員会
配給:松竹
©2024「うちの弟どもがすみません」製作委員会 ©オザキアキラ/集英社
文・撮影/片岡聡恵
関連リンク
この記事をシェアする