大泉洋、小雪が登壇！ 「探偵はBARにいる」札幌上映会リポート2024/12/01
映画「探偵はBARにいる」の上映会＆トークイベントが11月23日、北海道・札幌のTOHOシネマズすすきので開催され、主演の大泉洋、小雪、須藤泰司プロデューサーが登壇した。本イベントは初開催となる「北海道フードフィルムフェスティバル」の一環。2人は作品への思いや、小雪が演じた沙織の夫役として出演し、2024年10月に亡くなった西田敏行の思い出などを語った。
「北海道フードフィルムフェスティバル」は、北海道の食文化と映画を融合させた新たな文化の祭典として、クリエイティブオフィスキュー、北海道新聞社、札幌市で構成する実行委員会が主催。11月22日～24日の開催期間中、映画上映やトークイベントのほか、映画の世界観を味わう「シネマディナー」、札幌の店の食べ歩きを楽しむ「サッポロシネマバル」、連携企画などが札幌市内で行われた。
公開から13年ぶりの上映となり、大泉は「私から見ても別人のような若い探偵さんがいて（笑）、懐かしいのと同時にびっくりしました。恥ずかしい気もしますが、久しぶりに劇場で見てもらえて大変うれしいです」と感慨深げにあいさつ。札幌出身の須藤プロデューサーも「札幌ススキノで上映されるなんて夢のようで、これ以上の喜びはありません」と話し、小雪が「皆さんとこの瞬間をシェアできることをうれしく思います」と笑顔を見せると、大きな拍手が沸いた。
久しぶりに小雪と再会したという大泉は「僕にとっては東映作品の主演を初めて務めた映画で、大抜てきと言えました。覚えているのは、なかなかキャスティングが決まらなかったこと。大ヒットドラマの映画版でもないですし、主役が大泉洋というよく分からないヤツ（笑）。そんな中、いち早く出演を決めてくれたのが、小雪さんでした」と感謝の言葉を述べた。
司会者から出演を決めた理由を問われ、小雪は「ストーリーのテンポ感が良くて興味をひかれた点もありますし、大泉さんと共演させていただきたい思いもありました」と説明し、「東日本大震災で撮影が中断するなど、本当にいろいろな事がありました。札幌ススキノにまた来ることができ、当時のことが思い出されました」と振り返った。
大泉は「冒頭の場面、札幌ススキノの路地裏で行った雪の中でのアクションシーンの撮影は、何時間も掛かりました。最終的には雪が降ってきて、シーンとしてはつながらないけれど、『奇麗だからいいんじゃない？』と採用されました（笑）」と苦労談を明かすと、須藤プロデューサーも「確か深夜2時半までかかり、寒くて寒くて。あと、（探偵の相棒役）松田龍平くんから出る血の特殊効果に何度も失敗して…」と告白。
一方、クライマックスでガンアクションに挑んだ小雪さんは「純白の花嫁衣装が残り1着しかなくて、緊張しながら何度も段取りをイメージングしたことを覚えています。大泉さんたちがアクションシーンで苦労されていたことも聞いていたので、皆さんの集大成のもとに出来上がった作品なのではと感じていました」と作品への思いを語った。
さらに大泉は「西田敏行さんが出演して下さったことも忘れられません。僕はこの映画の中で共演することはなく、一緒にお食事する時間もなかったのですが、撮影シーンの入れ替わりでお会いした時には、（西田の口調をまねながら）『お疲れさま！ …飲みに行ってきますけれども（笑）』などと声を掛けてくれたことを覚えています」と懐かしむと、須藤プロデューサーが「西田さんは『北海道のハマちゃん、札幌の寅さん、頑張れ！』と言ってくれて」と言葉を添えた。
トークの後半には、大泉が主演し、須藤氏がプロデューサーを務めた2025年1月17日公開の新作映画「室町無頼」（入江悠監督）の話題も。主人公・蓮田兵衛を演じた大泉は「世の中の不満が溜まりに溜まった、今の時代ともどこか通じるかもしれない室町時代の物語です。すごいスケールで一揆が描かれます！ スクリーンから人が出てくるような、3Dのような迫力です」と見どころをアピール。須藤プロデューサーが「大泉さんは三船敏郎ばりの大人の魅力です！」と合いの手を入れると、大泉も「気持ちは三船敏郎でした！」と返し、会場を盛り上げた。
本イベントは「映画を通してこそ出合える食体験を提供する」ことを目的の一つに掲げており、上映会の後は、TOHOシネマズすすきのが入る複合商業ビル7階のホテルに場所を移し、「探偵はBARにいる」シネマディナーも開催された。参加者は、劇中で探偵が食べたナポリタンを、ススキノ交差点を見下ろしながら味わうというぜいたくなひとときを堪能した。
上映会で大泉は「ロケをした喫茶店トップのナポリタンはすごくおいしくて、僕もプラベートでも食べに行きました。今はトップがないのでもう食べることのできない味ですが、本当に当時のままの味をマスターの娘さんが継承され、シネマディナーでは再現されています」とコメント。
一方、発酵食好きで、食に関する番組に出演中の小雪は「北海道は食材がすべてあり、地産地消率の上位を占める土地。洋食文化の造詣も深いです」と特色を話し、「食と映画がセットになる時代が、やっときたなと感じています。心も体も栄養を入れて、今日はすてきな日だったなと思うような、映画館や、このイベントのような文化が続いてくれるとうれしいなと思います」とエールを送った。
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