みりちゃむ「おむすび」でのギャル役が話題。結役の橋本環奈は「本当に気さくで優しい方」2024/11/11
NHK総合ほかにて、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」で、博多ギャル連合(ハギャレン)メンバーの“ルーリー”こと真島瑠梨を演じるみりちゃむにインタビュー。
「おむすび」は、食と人情の街、福岡・神戸・大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届けるオリジナル作品である“朝ドラ”第111作。平成時代のギャル・米田結(橋本環奈)が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティ”だ。「正直不動産」シリーズ(NHK総合ほか)などを手掛けた根本ノンジ氏が脚本を担当している。
みりちゃむが演じるルーリーは、結の姉・歩(仲里依紗)が結成した「博多ギャル連合」(ハギャレン)の、現在の総代表で、ハギャレンの復興を目指している役どころ。ギャルを嫌っていた結に大きな影響を与えるキャラクターを生き生きと演じている。本格的な演技は初挑戦ながら、自身と同じギャル役で存在感を示すみりちゃむに、ギャル文化への思いや役作りについて、主演を務める橋本環奈の印象などをたっぷりと聞いた。
――まずは、「おむすび」への出演が決まった時の心境から教えてください。
「マネジャーから『ルーリー役で決まりました』と連絡をもらった時は、『本当に?』とびっくりしましたね。『ラッキーだな』という感じで、実感があまり湧きませんでした」
――役作りにはお母さまからのアドバイスも参考にされているそうですが、放送が始まってからはどんな反応がありましたか?
「母は最初の登場シーンを見て『棒読みじゃない?』って(笑)。娘が朝ドラに出ているのが不思議みたいで、『なんか変な感じだね』って言ってましたね。衣装も『ママもこんな服を着ていた』って懐かしがってくれています」
――SNSでは、みりちゃむさんの大ファンを公言しているお笑いコンビ・錦鯉の渡辺隆さんが、実況投稿を続けられています。
「正直、あれが本当に半年間続くのかなって思いながら見ていました(笑)。でも、渡辺さんに『本当に毎日やるんですか?』って聞いたら、『やるよ』って返答があったんですよ」
――そうなんですか! 今後のSNS上でのやりとりも楽しみにしていますね。話しは作品に戻りますが、「令和のギャル」と、劇中の「平成のギャル」の違いを感じる部分はありますか?
「今の子たちは本当に空気を読むのがうまいと思います。昔のギャルは自分の思ったことをズバッと言うスタイルでしたけど、今はオブラートに包んで話すことが多いんですよね。私自身は言いたいことを言うタイプなので、その点では、平成のギャルに近い部分もあるのかもしれません」
――歩役の仲里依紗さんが「このドラマでギャルの見方を変えたい」とおっしゃっていましたが、実際にギャルの立場として何か感じることはありますか?
「やっぱりまだギャルに対する偏見を持っている人は多いと思います。でも、SNSを見ていると、最初は『ギャル嫌い』というコメントもありましたが、フェスのシーンあたりから『最初は嫌いだったけど、ギャルがいないと寂しい』といった声が増えてきたんです。ギャルとして生きていると心ない言葉を掛けられることもありますが、少しずつ見方が変わってきているのを感じてうれしいです」
――みりちゃむさんのギャルとしての姿について、プロデューサーは、「令和と平成のギャルを見事に融合させた」と絶賛されていましたが、どんな部分を意識しながら、撮影に臨まれていましたか?
「平成ギャルの明るさとパワフルさを大切にしつつ、普段の私よりもテンションを上げて演じています。普段の私自身はそこまで騒がないタイプなので、そのギャップを意識していました。役作りでは、友達のことを思い出しながら『このセリフはあの子っぽいな』と思って演じることもありました」
――脚本の根本さんが「平成のギャルは厚底ブーツで元気いっぱい」と言っていましたが、ギャルのマインドについてはどう思いますか?
「その精神は今も変わらないと思いますね。見た目にこだわる姿勢は昔から変わらず、髪やネイルに月10万円以上かけることもあります。それに、一本筋の通った信念を持つのがギャルらしさ。20年前から根本的なギャルマインドは変わっていないですね」
――再現された当時のギャルファッションを見てどう感じましたか?
「ローライズデニムや太いゴテゴテのベルトなど、昔のアイテムが本当にリアルに再現されていて懐かしさと驚きがありました。母がギャルだった頃の服と似ていてすごくリアルだなと思いました」
――それでは、演じるルーリーというキャラクターについてはどんな印象を持っていますか?
「ルーリーはハギャレンが大好きで、仲間を一番に考える子です。自分のことをあまり話さないけれど、常に仲間のことを優先する、すごく仲間思いな子ですね。広い視野で物事を見られるバランス感覚があるので、タマッチ(佐藤珠子役/谷藤海咲)が怒った時もすぐに仲裁に入ったりします。その優しさとバランス感覚がルーリーらしいなと思っています」
――物語が進む中でルーリーのキャラクターや心境の変化についてはどう考えられていますか?
「結ちゃんのことを最初は歩さんの妹としか見ていなかったんですけど、歩さんがギャルになった背景や、2人の関係性を知っていくうちに、彼女たちへの理解が深まりました。結ちゃんのことも、歩さんのことも受け入れるようになり、全体的に良い方向に変わったと感じています。今後結ちゃんが神戸に行くことになっても、みんなが特別な友人関係を続けていくと信じています」
――本格的な演技は、本作が初というみりちゃむさんですが、演技をする際にはどんなことを意識していましたか?
「相手のセリフを頭に入れすぎず、自分のセリフだけを覚えて、その場でリアルに反応できるようにしています。自然な演技を心掛けていて、台本を覚えるのは本当に大変ですが、みんなで相談しながら進めることで助かっています。スズリン(田中鈴音)役の岡本夏美ちゃんや風見(亮介)先輩役の松本怜生さんなど、経験豊富な方にアドバイスをもらうことも多いです。例えば、『ここはどう演じたらいい?』と相談すると、『こういうアプローチもあるよ』と具体的に教えてもらえて、とても勉強になります」
――劇中では、糸島フェスでパラパラを踊るシーン(10月25日放送)が話題になりましたね。
「『楽しそう!』という声が多くてうれしかったですね。ただ、私がパラパラが少し苦手なのを見抜いた方もいて、『みりちゃむ、パラパラ苦手かな?』と言っている方もいらして。よく見ているなと思いました(笑)。このシーンの撮影を振り返ると、3月末の本当に寒い時期の撮影で、でも、その寒さを忘れるくらい楽しかったです。フェスの最初にルーリーが『みんな盛り上がってこう!』と叫ぶシーンでは、私の声がガサガサで、思い切り声を出そうとすると全然出なくて(笑)。後ろを向いていたキャストのみんながずっと笑っていました。撮影が始まる前から一緒にパラパラの練習したことで、メンバー同士がすぐに打ち解けられて、良い関係を築けたと思います」
――パラパラのシーンをきっかけに、メンバーとの仲も深まっていったんですね。撮影の合間にはどんなエピソードがありましたか?
「撮影後、みんなで近くの浜焼き屋さんにご飯を食べに行ったことが印象に残っています。(橋本)環奈ちゃんも含めて『ハギャレン』のメンバー全員で初めてのご飯会でした。和やかな雰囲気で、みんなひたすら食べていて(笑)。貝が特においしかったんですけど、私は貝が苦手なので、カニを食べていました」
――結を演じる橋本さんについて、どんな印象を持っていますか?
「環奈ちゃんは本当に気さくで優しい方です。私が、ハギャレンのメンバーで一番年下なのですが、初対面の時に『敬語使わなくていいよ』と気を遣ってくださって。とても親しみやすくて、みんなで『環奈ちゃんが主役で本当に良かったね』と話しています。演技の面でも環奈ちゃんのお芝居を見て、すごく勉強になっています。私は泣きの演技は今回が初めてだったのですが、環奈ちゃんの泣き芝居を見て、『どうしてこんなに自然に泣けるんだろう!』と驚きました。セリフだけでなく、目線の動きなど細かい部分も学ばせてもらっています」
――撮影中には皆さんでどんなお話しをされているんですか?
「『花より男子』の話で盛り上がったりしました。同じ世代だから共通の話題が多いんです。また、糸島の方言についても環奈ちゃんに聞くことが多くて、『この言葉はどういうイントネーション?』と教えてもらっていました。彼女は福岡出身なので、とても頼りにしています。方言も年代によって少し違うみたいですが、環奈ちゃんに教わるのが一番分かりやすいです」
――ドラマ内で特にお気に入りのシーンはありますか?
「米田家のリビングで結ちゃんにメークをしてあげるシーンです。ああいった日常感あふれる場面はプライベートでも似たことがあって、懐かしく感じます。結ちゃんの新鮮な反応もかわいいですし、みんなでふざけながら一生懸命メークするのが楽しくて面白いです」
――ご自身の出演シーンでの見どころや特に注目してほしいシーンは?
「泣きの芝居に初挑戦したシーンです。これまで演じたことのない感情表現を頑張ったので、ぜひ注目してほしいです。今後も『ハギャレン』の物語がどう展開するのか楽しみにしていただけたらうれしいです」
――福岡の方言はうまく話せましたか? また当時のギャル語について現在と違う部分はありますか?
「方言は指導の先生から『完璧!』と言われてうれしかったです。特に『食べり』のような“○○り”がかわいくて好きですね。実は、ハギャレンのシーンはギャル語が多いので、方言を使う機会はあまりありませんでした。『あげ~』というセリフがあった時に、今は『あげ~、さげ~』はあまり使わないよね。『超あげじゃない?』とか、みんなで話したりしました。昔のギャル語で面白いなと思ったのは、『がぜん~』という言葉ですね。『がぜん、うちらがナンバーワン!』みたいなフレーズがはやっていたと聞いて、面白いなと思いました。今よく使う言葉は、『鬼〇〇』や『えぐい』。『半端ない』はもう言わなくなって、『やば!』をつけることが多いです」
――ご自身のセリフや言葉遣いで印象に残っていることは?
「一番印象に残っているセリフは、初登場の際の『待ちな~!』です。本読みで爆笑が起きたほどインパクトがあり、どのトーンで言うか悩みました。また、ルーリーの話し方は語尾が上がるテンションの高いものなので、今のギャルの語尾が平坦な話し方とは違う点を意識して演じました」
――今回の出演を経て、今後挑戦してみたい役柄や演技への意欲はどのように感じていますか?
「次はギャルじゃない役をやってみたいなと思っています。どんな感じになるのか自分でも気になりますね。セリフ一つにしても表現の仕方がいろいろあって、正解がないところが演技の面白いところだなと思いました。もしも、次があるとしたら、真逆の清楚な役に挑戦したいです。でも、自分の口調がその役に合うかはちょっと心配ですが(笑)」
――最後に今後の放送に向けての見どころをお願いします。
「11月4日からの6週目の放送で、結ちゃんがパラパラをやめると宣言した時は、ハギャレンとしても止めることができない複雑な状況なのですが、彼女が戻ってくる時のメンバーの反応は大きな見どころです。そして、11月11日~の7週目では、THEギャルの絆が描かれ、仲間同士の楽しさがあふれる展開になります。特に結の告白シーンで神社に隠れている場面は、みんなで『これはないよね』と笑いながら撮影したのが印象に残っています。前半に比べてトラブルは減り、ギャル同士の楽しいやりとりや和気あいあいとした雰囲気をぜひ楽しんでほしいです」
【番組情報】
連続テレビ小説「おむすび」
NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45ほか
取材・文/斉藤和美
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