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「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る2024/11/08 08:00

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

 地域医療が破綻の危機にひんしている街を舞台に、病院再建を期待された医者(“D”octor)・紙子良(藤木直人)と組織に忖度(そんたく)しないベテラン刑事(“D”etective)・弓削文平(寺島進)のバディの活躍を描く「D&D ~医者と刑事の捜査線~」。

 社会のセーフティーネットからこぼれ落ちてしまった人々が起こす事件と、その背景にある人間ドラマに医者と刑事それぞれの立場で向き合って難事件を解き明かしていく、完全オリジナル脚本のヒューマンミステリードラマだ。

今回は、そんな今作で主人公を演じる藤木と共演する寺島にインタビューを敢行。演じる役柄の魅力やドラマ初共演となる互いの印象、出演キャスト陣とのエピソードなどを聞いた。

――オファーを受けた際の心境と作品に感じた印象を教えてください。

藤木 「まずは作品を背負う役をオファーしてくださり、非常にうれしかったです。脚本は先が読めない、展開が二転三転していく面白いストーリーという印象で、いかに役者がそれを立体化していくかが大切だなと思いました」

寺島 「俺も役者として必要としてもらえるのはうれしいし、期待に応えられるように精いっぱい頑張りたいなと思いながらやっています。それに、新しい枠というのもあって、テレ東も力を入れているのが伝わってくるんだよね(笑)。その相乗効果もあって、“いけるんじゃないか”というのは撮影が始まる前から感じていて。それに、他の局じゃ触れないような題材を勇敢に取り上げていて、まさにテレ東ならではだなと。度胸ありますよ、本当に(笑)」

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

――続けて、それぞれの役どころについても教えてください。藤木さんはご自身が演じる医者・紙子をどのような人物だと捉えていますか?

藤木 「紙子はエリートではないかもしれませんが、医者としての信念を貫くことができる人。それ故に周りと対立するなど、冷たく見える部分もあるかもしれませんが、自身の中にある“正義”に従って動くことのできる人だと思っています」

――第1話では殺人事件の犯人を救うシーンが描かれ、SNS上などで視聴者の話題を呼びました。

藤木 「これは永遠のテーマじゃないですか。人を殺した人物を助けるのが正義なのか…というのは、非常に難しい問題ですよね。僕は、助けた上で、きちんと罪の重さや責任を感じさせる機会を作るというのは一つの正義だと思っています」

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

――対して、寺島さんが演じる弓削は昭和のにおいが漂う、現代には珍しい刑事のように感じます。

寺島 「その通りなんだけど、あまり説明したくないんだよね。というのも、ラーメン屋に行った時に“うちはこういうだしを使っていて…”と説明されてから食べると、予想と違っていた時に“そうでもないな”って思っちゃうことない? まっさらな状態で見てもらって、それぞれに弓削を捉えてもらえたらうれしいかな」

――そんな弓削の注目ポイントを挙げていただくと…?

寺島 「娘に弱いところしかり、意外とかわいいところがあると思うよ(笑)。今後の楽しみの一つとして取っておいてください」

――以前、今作のプロデューサーが“いわゆる凸凹バディとは違う、大人2人のバディ”とお二人の関係を解説していましたが、お二人がこのバディに感じる魅力を教えてください。

藤木 「確かに、僕らは職種もしかり、普段行動を共にしている人たちも違うのでパッと見はあまりバディ感がないと思います。ただ、ここから互いの立場を生かして助け合っていく中で、その距離感が少しずつ縮まっていくのかなと。コミュニケーションを取ることも増え、いいバディ感が出てくるんじゃないかなと思います」

寺島 「徐々に出てくるだろうから、そこも楽しみだよね。俺はバディと言うと、いつも一緒にいるわけではないけれど、違う場所から同じ月を見て、同じことを感じているような…そういうロマンチックなイメージがあって(笑)。今後の2人の関係性もお楽しみに!」

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

――ドラマでは今回が初共演となるお二人ですが、お互いの印象はいかがですか? また、クランクイン前から変化はありましたか?

藤木 「寺島さんは現場の雰囲気を作ってくださる方。大勢いるスタッフさんのことも一人一人名前で呼んで、話し掛けているのがすごいなと思います。僕もコミュニケーションを大事にしていますが、少しシャイな部分があって…。なので、寺島さんの存在に助けられていますし、やりやすさを感じています。ドラマでは初共演ですが、以前僕がMCを務めていたトーク番組にゲストで来てくださったこともあり、クランクイン前と大きく印象が変わったということはないですね」

寺島 「俺から見た藤木くんは、やっぱり日本を代表する“二枚目”だなと。それに、俺は人の名前を覚えていても、横着なのでみんな呼び捨てだから(笑)。対して、藤木くんは皆さん“さん付け”で丁寧に呼んでいて、この凸凹さもいいバランスなんじゃないかな」

藤木 「そう思います。そして、寺島さんは僕ら役者が思ったことをスタッフさんに率先して伝えてくださるので、それもすごくありがたくて。僕は僕なりに作品に貢献できるように頑張ろう、と思いながらやっています」

――撮影を通して見つけた、お互いの意外な一面はありますか?

藤木 「…実は泳げないんですよね?(笑)」

寺島 「いや、泳げるって!(笑) この前メークさんと金魚の話をしていた時に、『金魚はずっと泳いでいてすごいよね。俺は浮き輪がないとあんなに泳げないよ』って話していただけだから(笑)。藤木くんは、もっと不器用な人だと思っていたんだけど、この前俺だったら舌をかんで言えないような長ゼリフを一発でこなしていて。しかも、監督が鬼だから同じことを3回やらせていたんだけど(笑)、全部きちんと言っていたから大したものだなと。陰で相当努力しているんだなと思いましたね」

藤木 「あれ、10行ぐらいありましたから(笑)」

寺島 「藤木くんは座長として責任感を背負っているのもそうだし、プレッシャーもあると思うから、縁の下の力持ちとしてできるだけサポートしていきたいね」

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

――劇中、藤木さんは法医学教授・譜久村聖子役の大塚寧々さん、看護師・石川咲良役の早見あかりさんとの共演シーンが多いですが、皆さんの雰囲気はいかがですか?

藤木 「早見さんとは、最近『アンチヒーロー』(TBS系/24年)でもご一緒させていただいたのですが、その時はお話しできるタイミングがなく、今回やっとお話できて。仕事に対する向き合い方や現場でのたたずまい、価値観など、僕自身と似ている部分が多いのかなと感じました。料理やお酒に詳しいのもそうですが、まだまだ知らない一面がありそうですね。そして、寧々さんとは『Around40~注文の多いオンナたち~』(TBS系/08年)や『ラスト♡シンデレラ』(フジテレビ系/13年)ぶりの共演で、変わらず楽しい時間を過ごさせていただいています。親としての先輩でもあるので、大きくなったお子さんのお話をお聞きしながら、“そのうち僕もそっちのステージに行くんだな…”といろいろ考えたりもします(笑)」

――今作の会見時、寺島さんと後輩刑事・牧野真二役の前田拳太郎劇団EXILE)さんが親子のようなやりとりを繰り広げていたのも印象的でした。寺島さんから見た前田さんの魅力は?

寺島 「拳太郎は目が奇麗だよね。それにすごく純粋だし、これだけ(多作品に)キャスティングされているから、またここでひと皮、ふた皮むけるんじゃないかな。伸びしろのある役者だと思っているからこそ、彼のためにガツンと言うこともあるよ」

――座長として、藤木さんがこの現場で心掛けていることはありますか?

藤木 「決して早く終わることが正義とは思っていないのですが、どんな現場でも滞りなく進められたら、とは思っています。もちろん必要な時には時間を掛けつつ、朝から晩まで…というスケジュールがほぼ毎日続くので、無駄な時間はあまり作りたくないなと。そのために自分にできることはなんだろう、というのは今でも模索しているのですが。ひとまず、雰囲気作りにおいては寺島さんに丸投げしています(笑)」

寺島 「この現場は、スタッフの子たちもみんな明るくて元気でまぶしいくらい。俺はそれを見守りつつ、合間にちょっとふざけているだけだから(笑)。現場で気付くことも多いし、どんどんみんなとキャッチボールしていきたいなと思っているよ」

「D&D」“医者”藤木直人&“刑事”寺島進の異業種バディが互いの魅力語る

――最後に、今後の見どころを教えてください。

藤木 「『D&D』は題材的にもシリアスなシーンが多いのですが、弓削さんとの距離感が縮まっていく中で、コミカルな表現が増えていきます。時にクスっと笑い、少しほっこりしつつ楽しんでいただけるのではないかなと。また、紙子の勤務先の病院が抱える問題が“テレ東さんならでは”という形で描かれていくので、そこにもご注目ください」

寺島 「最近はドラマをBGM代わりに見ている人も多いと思うんだけど、『D&D』は1話完結で展開も早いから、ぜひテレビにくぎ付けになって見てほしいね。時間も夜9時からなので、晩ご飯を食べ終わって、家族そろって見てもらえたらうれしいです」

【プロフィール】
藤木直人(ふじき なおひと)
1972年7月19日生まれ。千葉県出身。近作に、ドラマ「パパとなっちゃんのお弁当」(日本テレビ系/2023年)、「連続ドラマW フィクサー」(WOWOW/23年)、「恋愛戦略会議」(フジテレビ系/24年)、「アンチヒーロー」(TBS系/24年)などがある。音楽活動も行っており、今年6月にシングル「BE FREE」をリリースした。


寺島 進(てらじま すすむ)
1963年11月12日生まれ。東京都出身。近作に、ドラマ「日本統一 関東編」(日本テレビ/23年)、「雲霧仁左衛門6」(NHK BS/23年)などがある。11月25日に出演作「日本統一 65」のDVDが発売。25年1月31日に出演映画「BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~」(監督/三池崇史)の公開を控える。

【番組情報】
ドラマ9「D&D ~医者と刑事の捜査線~」

テレ東系
金曜 午後9:00~9:54

取材・文/片岡聡恵 撮影/尾崎篤志



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