玉置浩二が原点を語る! 北海道スペシャルで「安全地帯」特集2024/11/12
NHK総合で11月15日に北海道スペシャル「安全地帯・零ZERO ~旭川の奇跡~」(午後7:30、北海道ローカル)が放送される。玉置浩二や関係者らのインタビューを通し、北海道・旭川で結成され、1980年代に「ワインレッドの心」などのヒット曲で人気を集めたロックバンド・安全地帯の“原点”に迫る。
日本の音楽界で類まれな存在感を放ち続けるシンガー・ソングライター、玉置。彼がボーカルを務める安全地帯の“原点”は70年代、結成地である自然豊かな故郷・旭川にあった。「旭川で音楽を作り、旭川に人を呼び込む」──農機具小屋を改修し、合宿生活を送りながら音楽を奏でた青春には、病やけがなど危機に見舞われ、メンバーチェンジを重ねながらもがいた日々があった…。
安全地帯は、中学校の同級生だった玉置、武沢豊ら3人によって73年に結成。以後、現メンバーの矢萩渉、六土開正、田中裕二のほか、武沢の兄・俊也ら8人が離合集散を繰り返しながらデビューを目指した。中でも、彼らの心に刻まれているのは約4年間にわたる合宿生活。田園広がる旭川郊外・永山にある農機具小屋を自ら改修し、そこで寝食を共にしながら練習に明け暮れた日々だった。
「今でも一番影響受けた人、武沢の兄貴だ」「その頃の玉置ってまだ幼くてまだ詞がお子ちゃまなんだよね(笑)」──玉置が10代の頃、音楽的に一番影響を受けたと言ってはばからないのが、ギター・武沢の兄で、元メンバーの俊也。結成直後に加入し、安全地帯では主に作詞を担当。作曲の玉置とともにオリジナル曲を多数作り、ポプコン(当時、新人の登竜門だったコンテスト)に挑戦していく。当時の安全地帯が目指したのは「旭川で音楽をつくり、旭川で演奏し、旭川に人を呼び込む」という理想。玉置いわく「アメリカのロックバンドみたいに同じ場所で生まれ育ったやつが作る音楽」だ。玉置と俊也は、曲作りの唯一無二のパートナーとして信頼を深めていく。
そんな安全地帯に、大きなチャンスが訪れる。当時、井上陽水や小椋佳のプロデューサーとして活躍していた星勝が合宿所を訪問。その後、陽水のバックバンドとして全国ツアーを回ることになったのだ。しかし、俊也はその直前に脱退。そこにはプロとして作詞をしていくことへの重圧があった。俊也なしでもやっていく。そう決めた安全地帯は合宿生活に終止符を打つ。
「“北海道で音楽やる”より、“東京で成功する”に変わったんです。もうここで成功しないと何の意味もないって」──東京での成功を第一目標に置き換えることは、地元の仲間だけで作る音楽を諦めることでもあった。以降、安全地帯は、井上陽水作詞「ワインレッドの心」から多くのヒット曲を世に送り出していくことになる。それが、旭川時代の大きな理想とは合致していなくとも…。
番組の見どころの一つは、アマチュア時代の楽曲が10曲以上初公開する点だ。特に76年、ポプコン全国大会に初出場した楽曲「昔にみたもの」、また合宿生活で制作した「愛を伝えて」などの未発表曲は、安全地帯がアマチュア時代から完成度の高い楽曲を作っていたことを物語る。さらに、旭川市公会堂でのライブ映像、BGMでも当時の楽曲を多数紹介する。
番組は、玉置と武沢が出会った中学時代、72年から始まる。「骨まで愛して」「ガロ」「ドゥービー・ブラザーズ」…当時の流行歌謡曲からフォーク、ロックまで、洋邦問わず多種多様な音楽から受けた影響を、玉置はじめメンバーが語る。特に75年、ポプコン北海道大会で競った中島みゆきの歌声への衝撃は大きかったという。さらに、メンバーお手製の“ガリ版”似顔絵と、それをモチーフにしたCGアニメも見どころだ。
玉置への番組インタビューは8月末、夏から続くツアーの合間、故郷・旭川市民文化会館でのコンサートを目前に控えたタイミングで行われた。旭川での玉置の歌声、それを聴く元メンバーたち。今再び交錯する思いとは。そして、自らの半世紀を振り返った玉置の口からこぼれたメッセージとは?
結成から半世紀。安全地帯のデビュー前の貴重な映像・音源や知られざるエピソードに注目が集まりそうだ。なお、北海道スペシャル「安全地帯・零ZERO ~旭川の奇跡~」は放送後、NHKプラスで1週間配信を予定している。
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