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「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント2024/11/01

「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント

 TBS系では、日曜劇場枠で神木隆之介が主演を務める「海に眠るダイヤモンド」を放送中。今作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントである。

 今作を手掛けるのは、「アンナチュラル」「MIU404」(ともにTBS系)などの連続ドラマや、映画「ラストマイル」など、数々のヒット作品を放ってきた脚本・野木亜紀子×監督・塚原あゆ子×プロデューサー・新井順子のヒットメーカーたち。今回は、新井プロデューサーに、制作の舞台裏や今作の見どころを聞いた。

現場作りも含めいいキャスティングができた

――今作の制作の背景には、野木さんとのご旅行で端島に目をつけたとお聞きしました。

「その時点では、まだこのドラマをやろうとは考えていませんでした。旅行では、長崎のさまざまな観光地に行き、軍艦島ツアーでは元島民のガイドさんに当時のお話を聞きました。数年がたち、端島に上陸した時の圧巻さやエピソードがとても印象に残っていて、『日曜劇場だからこその作品を作りたいね』という話になり今作に至りました」

「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント

――今作はCG技術を駆使して撮影しているとのことで、第1話からもスケールの大きさが映画並みだなと感じました。特に大変だったことはありますか?

「実際の端島では撮影ができないので、まずセットを建てる場所を探すところからかなり時間がかかりました。緑がない島で、緑がある場所には建てられない…。長期にわたって立てるので、倒れないようにしっかりとした躯体があるところに作らなければいけない。美術さんは、数カ月かけて世界観を作り上げてくれました。完成すると、リアルなまんまで圧巻でした。第1話のみんなで歌うシーンは、エキストラさんが300人ぐらい集まってくれて、その方々が着替えるだけでも毎日2時間かかる。大規模なだけあって日曜劇場だなとあらためて実感しました」

――主役級の豪華なキャスト陣ですが、キャスティングで工夫した点や、こだわった点などあれば教えてください。

「メインキャストに関しては、神木さんはすぐに決まりました。神木さんをセンターにした時に、女性3人をぱっと見て雰囲気が違う感じにしたく。さらに、テレビを全然見ない人が見ても、外国の方でも、雰囲気の違いが分かる方々を探していました。その中でもリナ役は、歌えてお芝居がしっかりしている人が良かったので、池田エライザさんにオファーをしました。たまたま、お父さんが端島の隣の高島出身で、すぐオッケーをいただきご縁を感じました。杉咲花さんと土屋太凰さんは、彼女たちが学生時代にご一緒したことがあって、また一緒にやりたいという思いがありお願いをしました。斎藤工さんは、オファーをずっとしていて、念願かなってのご出演です。清水尋也くんは、野木さんが昭和のハンサム顔にはまるのでは? と。神木さんと歳が離れているので、若過ぎないか心配もありましたが、違和感なくぴったりとはまっていました。そして、皆さん現場でもずっとお話をされていて仲良しですね。現場作りも含めいいキャスティングができたと思います」

「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント

誰かに共感して自分の好きなパートを追いながら見てほしい

――実際、神木さんがホスト役を演じられて、いかがでしたか?

「第1話のナンパをして、無視をされ『ケチッ』というところは特にリアルでしたね。実はあの日、夕方まで鉄平で、夜だけ玲央の撮影でした。前向きで頑張るぞという性格の鉄平から、とにかくだるいモードの玲央に持っていくのは、非常に大変だったと思います。それを見事にやられていて、切り替えがすごいなと。カットが掛かったら神木さん本人にすぐ戻るんですよね。お芝居もすごく自由な方で、台本に書いていないアイデアをいつも出してくれて、面白くしようとしてくれます」

――神木さんのアイデアから生まれた印象的なシーンはありますか?

「第1話の鉄平が靴下を投げるところは、彼のアイデアでした。それを國村隼さんにだけ『すいません、投げます』と伝えていたそうです。そういうところまでも考えてくれています」

「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント

――これまでの「日曜劇場」と違うポイントがあれば教えてください。

「エンタメにしたいというのはもちろんあります。今まで社会的テーマや、事件ものといった重いテーマが多かったのすが、今回はその当時、実際に起こったことを何個か入れつつ、基本はフィクションの日曜劇場らしい“人間ドラマ”を描こうと思っています。今作は、“ちゃんぽんドラマ”でいろいろな要素が入っているのもポイントです。誰が主役になってもいいストーリーに描いているので、父と息子の関係がどうなっていくのか考察しながら見てもいいですし、それぞれのラブストーリーに注目してもいい。ぜひ、誰かに共感して自分の好きなパートを追いながら見てほしいです」

――その中で特に“見せたい”と思っていることはありますか?

「第1話は、激動の人生の序章という感じですごくハッピーなイメージですが、これからどんどんいろいろなことが起こり、少しずつ人生が思いもよらぬ方向に走っていきます。神木さんが一人二役なことがどうつながっていくのか推測していただきたいです。実は第1話からヒントが隠されています。ここがつながっていたのか! という仕掛けもあり、最終回でもう一回第1話から見返したくなるはずです!」

――最後に見どころをお願いいたします!

「過去で描かれた内容がどう現代に結びついてくるのかが見どころになってきます。登場人物の誰もが主人公になれる濃厚な人生を、玲央が過去からのメッセージをどう受け取り行動していくのか。現代の人たちの気持ちや行動がどう変わっていくのか、最後まで見届けてほしいなと思います。野木×塚原×新井の3人でやる日曜劇場は初めてで、今までとは違うジャンルをお届けするので、また世界が広がったなと思ってもらえたらうれしいです」

「海に眠るダイヤモンド」新井順子Pが語る! これまでの「日曜劇場」と違うポイント

【番組情報】
「海に眠るダイヤモンド」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54

【プロフィール】
新井順子(あらい じゅんこ)
TBSスパークル所属。ドラマプロデューサーとして活躍。主な担当作に「9ボーダー」「下剋上球児」「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」「最愛」「着飾る恋には理由があって」「MIU404」「わたし、定時で帰ります。」「中学聖日記」「アンナチュラル」「リバース」「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」「Nのために」「夜行観覧車」などがある。直近では、映画「ラストマイル」も大ヒット公開中。

取材・文/N.E



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