本木雅弘、小泉今日子らが倉本聰最新作「海の沈黙」記者会見に登壇!2024/11/01 10:00
倉本聰氏が36年ぶりに映画の原作・脚本を手掛け、11月22日に公開の映画「海の沈黙」(TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開)の記者会見が10月13日、北海道・札幌で行われ、主演の本木雅弘、小泉今日子、菅野恵、若松節朗監督、倉本氏が登壇した。本木は「倉本さん独特の大きなくいが刺さっているような作品」、小泉は「私たちが今受け止めるべきメッセージがある」と、作品への思いを話した。
物語は、著名な日本人画家の展覧会で起きた贋作(がんさく)事件をきっかけに、若き日に消息を絶った天才画家(本木)の秘めた思い、美と芸術への怨念、忘れられない過去が明らかになるミステリアスなヒューマンドラマ。小泉は画家のかつての恋人、菅野は画家のもう一つの顔である彫師と出会うバーテンダーを演じる。本木、小泉が俳優として共演するのは、1992年に放送されたフジテレビ系連続ドラマ「あなただけ見えない」以来31年ぶり。倉本氏が映画の脚本を手掛けるのは、88年公開の高倉健主演「海へ~See you~」以来36年ぶりとなる。
本木は「私は、倉本作品はまったくの新参者。なぜ自分なのかと戸惑いましたが、倉本さんが『最後のつもりで』とおっしゃっていたので、これはもう覚悟してお受けするしかない、という気持ちでした」と出演を決めた時の心境を説明。孤高の天才画家という役どころについて「あるかたくなさを秘めた非常に難しい役。主演とはいえ、私が登場するのは全体の3分の1くらい。ほかの登場人物たちによって、私が演じる主人公の素性が語られていくスタイルで、自分が積み上げたものを見せながらお客さまに感情移入してもらう前段がないだけに、独り善がりの演技に見えてしまわないか悩んだのですが、出来上がった作品を見るといろいろなものがきちんとつながっていて、キャラクターがそこに存在していた。また、若松監督がほのかなラブロマンスを加えてくださり、あらゆる不安が鑑賞後には不思議と消えていました」と語った。
倉本作品に今回初出演した本木は、「かみ応えのある語りというか、教訓が散りばめられている。倉本さん独特の大きなくいがグッと刺さっているような作品で、近年の邦画では見ない作品です。私はとにかく、倉本作品に懸命に食らいついたという感じ。苦労もしましたが、自分にとって記念碑的な作品になりました」と感想を述べた。
一方、小泉は「同い年で、歌手時代に同期だった本木さんと久しぶりに演技ができて楽しかったです」とあいさつ。脚本を読んだ感想を「この成熟した物語には、今、私たちが受け止めるべきメッセージがあると思います」と語った。続けて、「倉本さんのドラマは、幼い頃から夢中になって見ていました。一度だけ、ちらっと倉本作品に出演したことがあり、その後、ちらっとではない役でお声を掛けていただいたんですけど、私の都合で出演することがかないませんでした。それがずっと心に引っ掛かっていたので、今回お話をいただいた時、『これですっきりできる』とも思いました」と率直に胸の内を告白し、「60年間温めていたこのテーマを映画にするということで、先生にとっても、心に引っ掛かっていたものをスッと流すタイミングだったと知りました。倉本先生のメッセージが、いろいろな人に届くといいなと思います」と話した。
菅野は「芝居の師匠である倉本さんの脚本作品で、映画に初めて出させていただける機会をいただけ、非常に感謝しています。そうそうたるキャストの皆さんとご一緒できたことは、私の役者人生において財産になりました」とあいさつし、「分からないことだらけの中、『私で本当に大丈夫かな』という思いを抱くのを必死に抑えて撮影に臨みました。常に武者震いをするような現場でした。まだまだ力及ぼずと感じることもたくさんありましたが、映画は本当にすてきな仕上がりです。たくさんの方に愛されてほしいなと思います」と初出演した映画の現場について振り返った。
若松監督は「今までの倉本さんの作風とは少し異なる感じのシナリオですが、世渡りの下手な人間像、不器用ながら一生懸命頑張る主人公を描くという“倉本イズム”がやはりあって、出演者それぞれが輝いています。美とは何か、愛とは、命とは…というテーマの、とても深い映画です」と作品について説明。さらに、「『倉本聰』という名のもとに何度も倒れそうになる。でも、今回は倉本先生からのご依頼でしたので、まずは受け入れてもらっているのかなと思いながら取り組みました。たびたび電話でお話したところ、とても優しく、背中を押していただきました。先生が描きたかった世界観を、本木さん、小泉さんの力を借りてできたような気がします」と言葉を重ねた。
倉本氏は、本作を構想するきっかけが約60年前、鎌倉期の傑作として国の重要文化財に指定されたつぼが著名な陶工による贋作だったことが判明し、大騒動に発展した「永仁のつぼ事件」にあることを明かし、「今もテレビの鑑定番組が人気だったり、美術品が話題になりますが、高価値かどうかで美が評価される風潮にずっと疑問を抱いていました。いわば、60年前に仕込んだ子どもがやっと生まれてくれたわけです」と説明。さらに、北海道・天塩の海岸で、海で死んだ仲間の霊を迎える迎え火の現場に遭遇した約30年前の出来事や、洋画家・中川一政氏を息子が撮影したテレビのドキュメンタリー番組からインスピレーションを受けたことを振り返り、「本木さんと小泉さんという素晴らしいキャストに恵まれ、監督がどのように仕上げたかが楽しみです。この作品を応援してください。お願いします」とメッセージを寄せた。
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