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「おむすび」で伝説のギャルを演じる仲里依紗が伝えたい“ギャル魂”とは2024/10/21 08:15

「おむすび」で伝説のギャルを演じる仲里依紗が伝えたい“ギャル魂”とは

 NHK総合ほかにて、現在放送中の連続テレビ小説「おむすび」。食と人情の街・福岡、神戸、大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届ける“朝ドラ”第111作だ。平成時代のギャル・米田結(橋本環奈)が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティ”。

 出演者からのコメントが続々届いている本作。今回は、ヒロイン・結の八つ年上の姉で、福岡では“伝説のギャル”として知られる米田歩役の仲里依紗が、奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすという役柄について、思うところを語った。

 出演の話を聞いた時は「”伝説のギャル”役だというざっくりしたことしか聞いていなかった」と話す仲。「本当に朝ドラなのかな?」と謎は深まる一方だったと言うが、そんな印象は台本を読む中で変わっていった。「今この時代だから皆さんに届けられるメッセージが込められている朝ドラだなと思いました。朝ドラは時代ものが多いイメージだったんですけど、今回は幅広い世代にとって記憶に新しい平成が舞台というチャレンジングな作品。より若い世代にどんどん広がればいいなと思っています。『おむすび』のタイトルどおり、早くお家に帰ってごはんを食べようという気になるというか、家族と食卓を囲むことの大切さを思い出せて、食育としてもいいなと思える作品です」と作品への思いを話す。

 家族や周囲を巻き込む奔放な歩はどう映っているのだろうか。「その名前のとおり、自分の道を歩んでいるなと思って演じていて感じます。家族とのつながりを主人公の結が結んでいくなら、歩はわが道を行くというか。長女らしからぬ立ち居振る舞いでどんどん進んでいっている感じです」と、姉妹の名前を例えに、歩のキャラクターを分析。

「おむすび」で伝説のギャルを演じる仲里依紗が伝えたい“ギャル魂”とは

 そして、ギャルになった裏には秘密がある歩を「抱えているものはあるんですけど、それを跳ね返すような明るさもある。登場シーンでは『何だ、この子は?』と思うくらい明るかったりするんです。心がちょっと負けそうな時って、逆に明るくしちゃうことが私自身にもあります。多分、歩にもそういう感覚があるんじゃないかと感じています」と自身に重ねる。

 そんな歩を「私自身も平成元年に生まれたので、演じながら歩と共に成長してきた感覚もあります。歩は”伝説のギャル”と言われていますが、外見とか、そういうものだけじゃないんですよね。人間性だったり、歩自身が周囲の人に与えた影響だったりが、ギャルの中でうわさと相まって伝説になっていたんだんだろうなと思っています」と捉えている人物像も告白。

 朝ドラではこれまでも、きょうだいが奔放なキャラクターであるがゆえ、ヒロインを悩ませることが多かった。「いろいろな姉の行動で、結は苦しめられてきたと思います。結と歩は性格的にもまったく違うし、本当に嫌な部分もあったでしょう。でも、どこかで歩をうらやましく思う気持ちが結にはあるんじゃないかと思います」と、自身が三姉妹だという仲は、姉妹ならではの関係性を重ねながら役に思いをはせる。

「おむすび」で伝説のギャルを演じる仲里依紗が伝えたい“ギャル魂”とは

 続けて「妹が姉に思うことだったり、姉が妹に思うことだったりは、私も実際に三姉妹だから分かるんです。姉は姉で、妹っていいなと思うんですよ。でも、妹は絶対に『お姉ちゃんばっかり』『お姉ちゃんのせいで』と思っていると思います。どこの姉妹でも起こりうることだと思うので、歩にとっても、結はうらやましい存在でもあるし、ちょっと面倒くさいなと思うこともあったり…それでもすごく大切な存在なのだと思います。両親との関係性とはまた違った大切さですよね。特に結とのシーンはお姉ちゃんらしさが出ていると思います。派手だし、飛び回るし、はたから見たらそう見えないかもしれないけれど(笑)、歩は結の道をしっかり作ってあげたいと思っている、良いお姉さんだと思います」と歩の結への思いに触れる。

 仲が思う、「おむすび」ならではの見どころを聞くと、「“伝説のギャル”という役柄ですが、なぜ歩がギャルになったのか、その経緯の部分をぜひ視聴者の方に注目していただきたいです。この作品で私はギャルのイメージをポジティブに変えたいなと思っているんです」との答えが。

 橋本を始め、本作でギャルを演じる役者陣は皆、ギャルのポジティブさや明るさに共感していると話している。仲も同じくで、その熱量に感じるところがあるようだ。「ギャルというと見た目がすごく派手で、プラスではないイメージを持っている人もいると思います。でもギャルは、部屋・服装・ネイルを見ても、全部自分のためにやっているんです。自分の機嫌は自分で取る。見てくださる方々に、誰のためにでもなく、自分がベストでいられることの大切さが伝わればいいなと思います。上の世代の方にも、『人は見た目によらず。ギャルもすっごく良いじゃん!』と思ってもらえるきっかけになってほしいです」と本作への思いを語る。

 さらに、作品が持つメッセージについても「また、これから阪神・淡路大震災当時についても描かれていきます。当時被災された方だけでなく、その後に東日本大震災や能登半島地震などもあり、思い出したくない方もいらっしゃると思います。どう伝えたらいいんだろうと悩む部分もありますが、こういうことがあったと伝えなきゃいけないし、忘れてはいけないと思うんです。災害は忘れた頃に来るじゃないですか。また同じようなことが起こるかもしれないし、日本に住んでいる以上、付き合っていかないといけない。皆さんが改めて考えるきっかけになったらと思っています」と今後の展開への思いも率直に明かした。

「おむすび」で伝説のギャルを演じる仲里依紗が伝えたい“ギャル魂”とは

【番組情報】
連続テレビ小説「おむすび」

NHK総合
月~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は1週間の振り返り
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
月~金曜 午前7:30~7:45ほか

文/TVガイドWeb編集部



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