「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」森田成一&杉山紀彰インタビュー2024/10/11
森田「第3クールはさらにパワーアップしています」杉山「雨竜としては、第3クールは最後までお楽しみに」
「BLEACH」20周年プロジェクトにて制作が発表された、TVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」。滅却師(クインシー)の始祖であるユーハバッハ率いる星十字騎士団(シュテルンリッター)と尸魂界(ソウルソサエティ)を守る護廷十三隊、1000年前の因縁の決着はいかに。全4クールで展開するTVアニメ「BLEACH 千年血戦篇」の第3クール「相剋譚」がついに放送開始。物語の鍵を握る死神代行・黒崎一護役の森田成一、滅却師(クインシー)の末裔でユーハバッハに与して一護たちと敵対する石田雨竜役の杉山紀彰が、「千年血戦篇」について語る。
――第3クールに突入し、いよいよ物語の終幕が迫っています。感慨や達成感のようなものは感じていらっしゃいますか?
森田 「まだ道半ばなので、終わりが近づいていることの寂しさみたいなものは今のところ感じていません。『千年血戦篇』が始まると聞いたのはずいぶん前ですが、そのときも『終わるのか〜』という気持ちよりも、『全部やりきれるのがうれしい!』という気持ちが強かったです。ゴールは見えているけど、それに対する感慨みたいなものは、不思議なことにまったくありません。『千年血戦篇』が始まることが決まる前は、『もし決まったらきっと寂しい気持ちになるのかな』と想像していましたが、実際にはそういう気持ちがまったく起きていないです。ですので、すごくフラットな気持ちでやっています。ある意味でまるっきり普通です(笑)」
杉山 「終わりが近づいていることについて、2人で何か話をしたことはまだありません。と言うのも分割4クールのまだ3クール目。第3クールの収録は終わっていますが、まだ放送が終わったわけではありませんし、第4クールの収録も控えていますから」
――第1クール、第2クールの時は、どのような感情だったのですか?
森田 「第1クールが始まった当初は、相当の興奮状態だったと思います。久しぶりの『BLEACH』で、ファンの方たちの盛り上がりが、僕たちの想像をはるかに超えていて、まずそこにびっくりしました。子どもの頃に学校から帰って『BLEACH』を見ていたという世代の方が多くて、『あの時のアニメがパワーアップして見られる!』と、すごく興奮してくださっていました。その反響の大きさに背中を押されて、僕たちの気持ちもさらに盛り上がって、第1クールのときは“一気呵成”感がとても強かったです」
杉山 「第2クールは、原作者の久保帯人先生が掘り下げてくださった、原作では描かれていなかったキャラクターたちの表情やシチュエーションが、丁寧に描かれていたことがとても印象的でした。原作を読んで想像することしかできなかった部分をアニメで見られたことが、純粋に作品のファンとしてうれしかったです」
――それが第3クールでは…?
森田 「第3クールはさらにパワーアップしています。第1クール、第2クールからさらにスタッフさんたちがブラッシュアップを重ねている印象です。その中で自分はどのようにブラッシュアップして一護を演じればいいのか…。そこが悩みどころでした。原作を読んで自分が思い描いていた一護の演技があったのですが、ディレクションは『もっと内に込めるようなかたちで』という演出でしたので、自分の演技プランを軸にしつつ、『まだまだ抑えている』という感じを強くしていきました。感情を爆発させているシーンもあるけれど、『まだ振り切っちゃダメだ』と自分を押さえつけていましたね」
杉山 「雨竜としては、第3クールは最後までお楽しみにという感じです」
森田 「そうだろうね。ネタバレになりますから(笑)」
杉山 「ただ数少ない一護との会話シーンは、監督や久保先生の意向で、原作を読んでいないアニメで初めて『BLEACH』という作品に触れた方にも、『雨竜はどうしてそっちに行っちゃったの?』という、原作を初めて読んだときの衝撃的な“読後感”を味わっていただきたいという思いがあったので、どんなに一護から『どうしてだよ!』と言われても、雨竜はスンッとしています(笑)」
――現場の雰囲気はいかがですか?
森田 「星十字騎士団(シュテルンリッター)側は『千年血戦篇』から参加した人がたくさんいるから、ほぼ新番組みたいな感じでしょう(笑)。こっちの“一護・茶渡・織姫チーム”にも新しいメンバーが時々入って来ましたが、若い方は一様に緊張していました(笑)」
杉山 「思えば僕らも、長く続く人気作品の現場に初めてお邪魔したときはすごく緊張しましたから、それと同じだと思います」
森田 「その上で、僕らがワイワイやっていると少しずつ顔がこっちを向いてきて、そうなるとしめたものです。手招きをして会話に混ぜれば、リラックスしてもらえました。そういうやりとりがあったことが、『千年血戦篇』での新しい出来事です(笑)」
杉山 「『BLEACH』のアニメシリーズが始まった頃は、僕らを含めて比較的若いフレッシュなキャストが多かったんですよね」
森田 「ちょうど半分に分かれていた感じだったよね。まず、ベテランさんたちがいらっしゃって、僕らのような若い人たちと中堅の皆さん…と、あらゆる世代がそろっていました。僕は完全に一番下だったけれど、全員が先輩というのは逆に気持ちが楽でした。それが今は後輩がいる。それが新しかったです。新たな気の遣い方をしなければいけない部分もありましたが、みんな一様に喜んでくれました。僕たちが楽しくしゃべっているところを見て、まさに『BLEACH』のギャグパートのようだと言ってくれる方もいました」
――最後に第3クールの見どころをお願いします。
森田 「より物語が濃縮されていくので、各キャラクターの心情やつながりを見逃さないように注意してご覧いただきたいです」
杉山 「“起承転結”で言うところの“転”。最終話まで気合を入れて見てください!」
【プロフィール】
森田成一(もりた まさかず)
10月21日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作は「TIGER&BUNNY」「キングダム」「ワールドトリガー」など。「デリコズ・ナーサリー」(TOKYO MXほか)に出演中。
杉山紀彰(すぎやま のりあき)
3月9日生まれ。東京都出身。A型。主な出演作は「NARUTO -ナルト-」「Fate」シリーズ、「ラーメン赤猫」など。出演作「青のミブロ」(日本テレビほか)が10月19日から放送。
【作品情報】
「BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-」
テレ東系
土曜 午後11:00~11:30
シリーズ累計発行部数1億3000万部を超える、久保帯人による人気マンガが原作。2004年から12年にかけてアニメ放送され、22年から最終章である「千年血戦篇」がスタート。修業を終えた黒崎一護たちが、霊王の抹殺をもくろむユーハバッハたちの前に立ちはだかる。
取材・文/榑林史章 撮影/牛島康介 ヘア&メーク/河口ナオ(森田)、井村曜子(eclat/杉山) スタイリング/ちなみちよ(森田)
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