「Qrosの女」桐谷健太が明かす価値観――「本当は何でも自分で選べる」2024/10/21
桐谷健太さん演じる週刊誌記者の栗山孝治が、芸能界の闇と対峙(たいじ)していくさまを描くドラマ「Qrosの女 スクープという名の狂気」(テレ東系)。話題のCMに出演する正体不明の⼥性“Qrosの女”との出会いをきっかけに、彼女を助けるために奔走する栗山ですが、思いもよらぬ事件に遭遇し…!? 芸能界、週刊誌業界だけでなく一般人までも巻き込んだ、ミステリーとサスペンスが入り混じるゴシップエンターテインメントです。
今回は、主演の桐谷さんを直撃取材! 役作りや実際にあった記者の方とのエピソード、芸能界についてのイメージや大切にしている価値観などを明かしてくれました。
――今回演じられる栗山という役柄について、どのように役作りをされていらっしゃるのでしょうか?
「週刊誌記者だからこうだというパブリックなイメージにするよりは、栗山の過去や人間性を大切に演じられたらと思いました。元々記者としての素質があって、その仕事をすることになったけど、ある事件があって、闇を抱えるようになって…。そんな中でも記者としての仕事をまだ続けているという彼の感覚を、自分の中でちゃんと見つけて現場に入ろうと決めていましたね」
――その感覚を見つけるのは難しかったですか?
「難しいというより、役によって変わってくるんですよね。ふに落ちるまで待ってみたり、考えても出ない時は出なかったりして。急にスコーンと入ってくる時もあるし(笑)。今回は自分の中にスッと入ってきたので、その感覚を大事に演じさせていただいていますね」
――逆に、演じていて楽しい部分はありますか?
「今まで演じたことのない役であり職業なので、面白いですよね。イケイケでスクープを狙っていくだけの役ではなく、しっかり裏取りができていて、腕もすごくて…。だから、演じていると『こうやってスクープを取るパターンもあるんだ!』みたいなことを知れるのも新鮮です。これからは、記者の方に気付きやすくなるかもしれないですね(笑)」
――実際に桐谷さんの日常生活の中で、そういった記者の方についてどれくらい意識されて行動されているのでしょうか?
「僕はあまり撮られることがないので、そこまで意識していないかもしれないですね。本当にプライベートで髪ボサボサの状態で歩いている時に、『今これを撮られたらちょっとまずいな』と感じたりはしますけど(笑)。それこそ14~15年前に、自分の家の前で、記者の方が車で張っているのに気付いたことがありまして。で、声を掛けに行って『僕は今日はもう家に帰るだけなので、何もないですよ。今後取材や番宣などがあれば、いろいろよろしくお願いします』とお伝えして、固い握手を交わしたことがありましたね(笑)。それ以降、張られたことはない気がします」
――記者の方と仲良くなられたんですね(笑)。
「そもそもあまり狙われていないんじゃないかと(笑)。だから、僕もそこまで気にしていないですね」
――ドラマでは、さまざまな芸能界の闇が炙り出されていきますが、桐谷さんにとって芸能界はどんな世界というイメージですか?
「僕は5歳の頃からこの世界に入りたいと感じていて、当時はワクワクする楽しい場所というイメージしかなかったですね。実際に芸能界に入って、仕事として働き始めたら、夢見ていた時とは違う部分もありますけど、やっぱり面白いからずっとやれていると思うんです。成長していけばいくほど、新しい役も演じられるようになりますしね。そうやって、永遠に終わりがないから、さらに面白い。もちろん、それはどんな仕事でもあると思うんですけど。僕の場合は、小さい頃に『これだ!』とピンときて、頭で考えて選んだのではなく、体が、細胞が感じたところから始められたので。だから、イメージと違うところもありますけど、面白い仕事だなとすごく感じますね」
――いい意味で満足することがないというか。
「そうですね。逆に言えば、常に満足しているんだけど、それを都度更新していってやるぜ! という感じかもしれないです。できない時もありますけど、そういう思いでやれたら楽しいやろうな、そうあるべきだなと思います」
――それでは最後に、桐谷さんが日々過ごされる上で大切にされている考え方がありましたら教えてください!
「重ねてになってしまうんですが、子どもの頃の『うわ、これだ!』というわくわくや、『人生ってすごい!』みたいな感覚って大事だなと。そして、そういう感覚って、大人になっても感じられるはずで、いろんな価値観や思い込みがくっついて、感じにくかったりすることもあるんですけど、自分で感じ取ることも大事だと思うんです。自分がやりたいと思うことをやるとか、好きなことは好きということを大切にしたいなと感じています。子どもの時と同じくらい素直な感覚でいたいなと」
――体の全細胞が喜ぶ…みたいな感じですよね。
「そうそう! それって無理やりできることじゃないじゃないですか? だから、あの頃の感覚に近づけるように、今まで歩んできた中で培ってきた固定観念や価値観で、自分にとって不要なものは外していっていいと思うんです。そこは大事にしたいかな」
――わくわくする気持ちを大切にされたいんですね。
「そうです。なので、あまりいろいろ考えんでええんちゃうかな(笑)。なんとなく感覚で気付くことってたくさんあると思うんです」
――どうしても考えてしまうこともありますもんね。
「今の時代は特にいろんな情報が入ってくると思うんですけど、それを変えようとするんじゃなくて、自分を変える。自分が何を選んで、どう行動するかで全部変わってくると思うんです。悲しいニュースばっかりだというのなら、ニュースを見ないという手もありますし。そうやって、本当は何でも自分で選べるんですよね。もし何か失敗したことがあったとしても、『うわ、なんでああやってしまったんやろう』と考えることもできるし、『この経験があったから、次はもっと良い方向に変えてやろう』と考えることもできる。全然変わりますよね。だから、自分がどう感じて、どれを選んで、どう行動していくのか…選択肢は無数にあると思いますね」
――受け取り方も自分で選べますもんね。
「そうなんです! 過去さえも変えられますからね。そういうことを僕は大事にしています」
【プロフィール】
桐谷 健太(きりたに けんた)
1980年2月4日生まれ。大阪府出身。みずがめ座。O型。ドラマ「坂の上の赤い屋根」(WOWOW/2024年)、「院内警察」(フジテレビ系/24年)、「ROOKIES」シリーズ(TBS系)、映画「ラーゲリより愛を込めて」「ビジランテ」「火花」「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」、舞台「酔いどれ天使」「恋と革命」などに出演し、多方面で活躍している。
【番組情報】
ドラマプレミア23「Qrosの女 スクープという名の狂気」
テレ東系
月曜 午後11:06~11:55
取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当) 撮影/尾崎篤志 ヘアメーク/岩下倫之(Leinwand) スタイリスト/岡井雄介
キーワード
この記事をシェアする