大泉洋が記者会見で笑いを誘う! 宮藤官九郎との秘話と「終りに見た街」への熱い思い2024/09/20
テレビ朝日系にて本日9月21日に放送されるテレビ朝日開局65周年記念 ドラマプレミアム「終りに見た街」(午後9:00)の制作発表記者会見が20日、テレビ朝日本社にて開催され、主演の大泉洋が登壇した。
脚本家、小説家として一時代を築き、ホームドラマの名手として人間模様を丁寧に紡ぐ山田太一氏の作品の中でも異彩を放つ「終りに見た街」。1982(昭和57)年放送時には細川俊之が、2005年(平成17)年放送時には中井貴一が主演を務め、それぞれの時代に生きる主人公とその家族たちが1944(昭和19)年にタイムスリップし、戦時下を生き抜く姿を描いてきた。放送3作目となる本作は脚本を宮藤官九郎が執筆し、2024(令和6)年に東京郊外で何不自由なくありふれた生活を送るテレビ脚本家・田宮太一(大泉)の一家を描く。
大泉は主演を務めるにあたり、「今回は山田太一さんが約40年前に描かれたドラマを宮藤官九郎さんがリメークされて、2024年の今現在の家族が昭和19年、終戦の1年前に家ごとタイムスリップしてしまうお話です。その父親役を演じさせていただいております」と自身の役柄を紹介。
また、脚本家としての宮藤と初タッグを組むことについては「なんとなく縁がなかったんですよね。宮藤さん北海道から出てきた(自身が所属する)『TEAM NACS』なんてあんま良く思ってなかったんじゃないですか(笑)。脚本でいじられているのは知っているんですけど」と冗談を飛ばし会場の笑いを誘った。
続けて「憧れのように見ていましたから、映画『こんにちは、母さん』で(役者として)共演させていただいて。映画なので待ち時間も長く、話をしているとフラットでなんとも楽しい方で、言葉のチョイスも面白かったんですよ。セールストークで出させてくださいと言ったらものすごい早さでオファーを実際にいただいてびっくりしました(笑)」とオファー時のマル秘エピソードを明かした。
脚本の印象について聞かれると、「『戦争』というテーマを扱うわけですから、相当な覚悟もいるし、なかなか大変な撮影になるなと覚悟をしていたんですけど、脚本を読ませていただいた時に実に見事なバランス感覚というか。終戦から80年経って、僕も含めて戦争を知らない世代が多くなっている現代ですが、戦争というものは伝えていかないといけない。でも、ただただつらくて重たいものだと見てもらえないと思うんですよね。そんな中に、笑える要素を入れつつ、さらに現代の社会を反映、風刺していて。戦争のひどさを伝えるというのはもちろんのことですが、それを受け入れてしまう怖さというものも描かれていて。2024年の今現在も世界で戦争は起きているじゃないですか。もともとの脚本がすごいのはもちろんのことですが、宮藤さんはこのあたりを主張したいのかなと思いながら演じていきました」と、原作の力強さはもちろんのこと、令和という時代、そして宮藤だからこそ作り上げることができる世界観とテーマがあることを強調した。
そして本作が「戦争」をテーマとしている作品ということもあり、会見には現代の若者を代表して、現役の大学生、大学院生が招待されており、大泉との質疑応答も行われた。
大学生から「戦争が当たり前の時代へとタイムスリップしたことが、子役の方たちのストレートな演技で表現されていて、『戦争』について考えることやこの作品を残していかないといけないという気持ちになりました。そんな中で、重い空気になりすぎずに作り上げられていて良かったです」と感想を寄せられた大泉は「今は大学生ですとか若い子たちにテレビを見てもらうのが非常に難しい時代だと思います。そんな中で、若い方が見てくださって感想を言っていただきありがとうございます」と感謝を述べた。
役者を志望している大学生から「役を演じる上で大切にしていること」についての質問が寄せられると「一番聞かれたくないことを聞かれました(笑)」としつつも、「常に思うのは僕は作品の中だと俳優部となるわけですが、演出部や照明部、美術部と、ほかにもたくさんの方々が作り上げている、総合芸術だと思うんです。僕以外の部署の皆さんが作り上げたものに乗っかっているんだということを意識し、自分の中で演技を固めすぎないようにと思っています。現場で受ける刺激で自分がどれだけ変われるかということを楽しみにしているし、大事にしています」と、“先輩”としてアドバイスを送った。
また会見にはサプライズで、妻・ひかり役を演じる吉田羊からの手紙が読み上げられる一幕も。
「よーさま」と始まった手紙に即座に「誰からか分かりました」と気付いた大泉。「朝から晩まで出ずっぱりで、誰よりも大変だったはずなのに、現場では誰よりも明るく楽しく。カメラが回っていないのに私と小芝居を繰り広げてくださったり、記念撮影そっちのけで虫取りに夢中になる少年・堤(真一)さんにツッコんだり、楽しかった記憶しかないのは間違いなくよーさまのエンターテイナーのおかげです」とねぎらいの言葉が寄せられると、大泉は「吉田羊さんは本当に素晴らしく尊敬する役者さんで。共演するために仕事をしていると言ってもいいぐらい、本当に楽しくて。演じていて『いや~楽しいな!』と思える役者さんの一人です」と感動しながら、改めて「ちょっとアドリブを入れてもいいかなという気持ちになるというか。必ず返してくれるというか。逆に羊ちゃんも必ず返すだろうと思ってくれてるんだと思います」と、数々の作品で共演している吉田に全幅の信頼を寄せていることを明かした。
会見の最後を大泉は、「戦争をテーマにしたドラマではありますが、宮藤官九郎さんの軽やかな脚本と共に、笑って、考えさせられて、怖くなるような、大変見ごたえのあるドラマになっています。大切な方とテレビでご覧ください」と締めくくった。
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