東京パラリンピックの競技を解説【馬術】技の正確さや演技の美しさを人馬一体となって魅せる2021/08/21
対象は肢体不自由の選手と視覚障がいの選手で、パラリンピックでは1996年アトランタ大会で正式競技に採用された馬術。オリンピックと違って障害馬術、総合馬術はなく、実施されるのはアリーナと呼ばれる長方形の馬場の中で馬を歩かせたり、ステップを踏ませたりして、動きの正確性や美しさを競う馬場馬術のみ。男女の区別はなく、障がいの内容や程度に応じてグレードIからVまで五つのクラスに分けられる。種目は決められた動きを行う個人課目と、選手3人のチームで規定演技を行う団体課目、個人課目の上位のみが出場できる個人自由演技があり、個人と自由演技は五つのクラスに分かれて競う。団体は各チーム、グレードⅠ~Ⅲの選手が最低1人参加。同じグレードの選手が参加できるのは、2人までと定められている。
障がいが重い方から順にグレードⅠからⅤまで別れ、グレードⅠは、全四肢および体幹に重度の障がいがある選手のクラス。視覚障がいの選手はグレードⅣやⅤにクラス分けされる。視覚障がいの選手のグレードが軽い扱いになるのは、「人馬一体」の馬の目が見えるため。選手は障がいに応じて工夫した手綱や鞍を使う。手綱を握ることのできない選手は口でくわえたり、足の指で握ったりする場合もある。
グレードⅣとⅤはオリンピック競技と同じ20m×60m、グレードⅠ~Ⅲは少し小さい20m×40mのアリーナを舞台に競技が行われる。個人はアリーナの周囲にアルファベットなどのマークが記され、人馬は指定された順番と歩き方で順にマークをたどる。20~30の課題があり、グレードによって難度と演技中に求められる歩き方が異なる。視覚に障がいのある選手には「コーラー」が位置を声で知らせ、記憶障がいがある選手には「コマンダー」が馬場外からコースを伝えることができる。順位は採点で決まり、アリーナを囲むように座った5人の審判員が動きの正確さ、馬の頭の位置など項目ごとに採点する。
自由演技は選手が選んだ楽曲に合わせ、選手が考えたオリジナルな動きのパターンを組み合わせ、音楽に合わせて人馬が演技を行う。選手はハットにえんび服の正装で試合に臨み、馬も首筋を美しく見せるため、たてがみを三つ編みなどに編む。馬がリズムに合わせてステップを踏むさまは「馬のバレエ」とも呼ばれ、人馬一体となった軽やかな動きが見ものだ。
馬術競技は伝統的にヨーロッパ諸国が強く、パラ種目でもそれは同じ。前回2016年リオデジャネイロ大会では、イギリスが11種目で7個の金メダルを獲得し、他を圧倒した。今大会も各クラスでメダル争いをリードしそう。日本からリオ大会に出場したのは宮路満英(グレードⅡ)のみ。今大会は宮路ら男子4人が出場し、上位進出を狙う。
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