東京パラリンピックの競技を解説【ボッチャ】戦略と精密なコントロールが求められる奥深い球技2021/08/19
ボッチャは、比較的重い障がいのある人のために考案されたパラリンピック特有の球技。1984年ニューヨーク大会から正式競技になった。赤・青各6個のボールを投げ、ジャックボールと呼ばれる白いボールにいかに近づけるかを競う競技であり、カーリングにルールが似ているため、「地上(床上)のカーリング」とも呼ばれる。ただし、カーリングが得点の基準点が固定されているのに対し、ボッチャではジャックボールの位置が毎回変わり、競技中に動く点が異なる。男女の区別はなく、障がいの程度などにより4クラス(BC1~4)に分けられる。実施種目は個人戦が4(BC1~BC4)、ペア戦が2(BC3、BC4)、3対3のチーム戦が1(BC1/BC2)の計七つ。
赤と青に分かれて対戦し、選手たちは決められた枠の中から有効ゾーンに向けてボールを投げる。先攻は赤。最初にジャックボールを投げた後、自分の赤いボールを投げる。続いて青が投球。以降、ジャックボールから遠い側がボールを投げていき、6個ずつの試技を終えた時点で、ジャックボールに最も近い色の選手(チーム)が勝利。負けた側の最もジャックボールに近いボールよりも内側にあるボールはすべて得点になる。6投を1エンドとして、個人とペアは4エンド、団体は6エンドを行い、得点の総計で勝敗が決まる。
ボールは、規定の範囲内であれば自由に作ることができるため、選手は硬さや転がりやすさが違う数種類のマイボールを持参して競技に臨む。そして、相手のボールを弾き出したい場合は、転がりやすく反発力のある硬いボール、ジャックボールの周囲に複数のボールが密着している状態で得点を狙いたい場合は、転がりにくい柔らかいボールで、ジャックボールの上に乗せて止める、という具合に状況に応じてボールを使い分ける。どの局面で、どのボールを使うかといった判断力と決断力、先を読んでボールを配置していく戦略性、狙いを具現化する精密なコントロール。それらが求めらる奥深い競技がボッチャなのだ。
なお「投げる」と表記しているが、BC1クラス(重度の脳性まひのクラス)は蹴りでボールを転がしてもOKで、BC3クラス(重度の運動障がいのクラス)は「ランプ」と呼ばれる滑り台のような勾配具を使ってボールを転がす。ボールを扱うのが困難な選手はアシスタントをつけることも認められている。アシスタントはボールを手渡したり、ランプの高さやコースを調整したりして選手をサポートするが、コートを見ることや助言は禁じられている。戦略を考えるのは選手でなければならない。
日本の期待はチーム戦。前回2016年リオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得し、今大会は金メダルを目標に掲げる。ライバルはリオ大会金メダルのタイ。リオ大会以降の対戦では日本が負け越しているが、地元で勝利をつかめるか。なお、タイはリオデ大会7種目で金2、銀1、銅2個のメダルを獲得。今大会も各種目でメダル争いをリードしそうだ。
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