松下洸平が「光る君へ」で演じる周明のまひろに対する“恋心”を解説!2024/06/17
NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「光る君へ」(日曜午後8:00ほか)で、周明役を演じる松下洸平が、まひろ(吉高由里子)への印象や周明がまひろへ抱いた恋心をどう表現したかなどを語った。
「光る君へ」は、貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、世界最古の女性文学と言われる「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描くもの。脚本は、同局の大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「ふたりっ子」、「セカンドバージン」など、数多くのヒット作を放ってきた大石静氏が手掛けている。
松下が演じる周明は、朱仁聡(浩歌/ハオゴー)らとともに越前にやって来た、宋の見習い医師。まひろ(紫式部)に宋のことばを教えてくれ、2人は親しくなっていく。優しく穏やかだが、どこか謎めいたところがある男だ。6月9日放送・第23回では周明の過去が明らかとなり、6月16日放送・第24回では、藤原道長(柄本佑)とまひろの関係を知った周明が、自らの出世を図るためにまひろに道長への手紙を書かせようとする場面が描かれた。
まひろの人物像や印象について、「自分の知らない世界に大きな好奇心を持ちながら、型にはまらない生き方を望むたくましい女性という印象を持ちました」と語る松下は、「まひろのどこか軽やかさのある人柄や宋の言葉を積極的に学ぼうとする姿勢に、周明の心には少なからず特別な感情が芽生えていたと思います。自分と同様につらい過去があるのにも関わらず、明るく天真らんまんに振る舞う様子は周明にはまぶしく、太陽のような存在に映ったのかもしれません」と心引かれた理由を分析する。
さらに、まひろを脅し、左大臣・藤原道長へ文を書くよう迫るシーンに関しては、「陶器の破片で脅し、道長へ文を書くよう迫るシーンではまひろに拒絶されてしまいますが、彼女と過ごした時間や交わした会話は周明にとって、きっとかけがえのないものでとても楽しかったのだと思います。それゆえに自分の本当の気持ちと果たすべき使命があまりに裏腹でかみ合わない。自らの出世欲や朱仁聡の期待に応えたいという思いとの葛藤により、張り詰めていたものがプツンと切れ、心がぐちゃぐちゃになってしまった瞬間の突発的な行動だったのかなと振り返っています。そのシーンの最後に『つまらぬ夢など持つな』とまひろに吐き捨てますが、近づきそうだったものが自分の手から離れてしまったことで裏切られたと判断し、大切な人を傷つけるようにして去ってしまう。周明の繊細で脆く、悲しい人物像があらわれた場面だったと思います」と振り返る。
まひろを利用しようする周明の気持ちに関しては、「周明は見習い医師ではありますが、宋と日本の交易を結ぶという密命を背負って上陸しました。その目的を果たすために、まひろを利用しようと企んで接近したことは確かです。けれども彼女に近づけば近づくほど、『今までの人生にこういう人と出会っていたら、自分の人生は変わっていたかもしれないな』という気持ちを抱くほどに心の変化がありました。彼は日本にいた時も宋で働いていた時もあまり心を開かなかったと思いますし、ずっと孤独だったはず。そんながちがちに固まっていた自分の心をまひろの笑顔が少しほぐしてくれたような気がします。だからこそ彼女と話すときにふと見せる、周明の優しそうな表情は決してうそではなかったのだと思います」と心の変化があったはずだと説明する。
さらに、周明がまひろに抱いた恋心の表現では、「朱仁聡から『お前の心の中からは消え去るとよいな』と言われたとき、まひろに対して淡い恋心を抱いていたことに初めて気付かされるという演出をつけていただきました」と言い、「実は演出担当の方々と議論する中で、『周明がまひろに恋心を寄せている様子をどこまで見せましょうか?』と何回か相談したことがありました。その瞬間を見せられる場面はいくつかあったのですが、彼女との人間関係が壊れてしまった後に『まひろのことを慕っていたのか…』と自覚する方がドラマチックではないかとの結論に至り、今回の芝居につながりました」と演出の裏話を明かした。
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