ベネディクト・ウォンがSF大作「三体」で自身に似た役柄を熱演2024/05/23
ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエーターが手掛ける、世界的ベストセラーSF小説の実写ドラマシリーズ「三体」が配信中。優秀な科学者が次々と自殺するという異変の真相を究める捜査官・大史(ダーシー)役のベネディクト・ウォンが、本作の魅力を語った。
── この物語で、演じた大史はどんな役割を担っていますか?
「私が演じるキャラクターの名前は大史で、『使者』『大使』『外交官』『持参人』といった意味を持ち、大史自身もテロ対策担当の刑事として、役の中でこうした特質を体現しています。どちらかというと一匹おおかみタイプの元MI5捜査官だったにもかかわらず、科学者たちの間で起きている一連の自殺の裏に潜む謎を解くために、彼はユニークで型破りなアプローチを試みます。大史は社会の大義のために心を砕く不完全なアンチヒーローで、この物語に人間的な側面を与えています」
── 最初にオファーを受けた時はいかがでしたか?
「夢のようでした。まずクリエーティブチームから連絡をもらい、このキャラクターの概要を読みました。マンチェスター出身で、両親は香港からの移民、そして1970年代に育っています。Zoomで彼らと話をした時に『ちょっと私自身に似ている気がする』と伝えました。すると彼らは、私のウィキペディアのページを見たと告白したのです。自分に似たキャラクターを演じるのは初めてですが、本当に素晴らしい経験をさせてもらっています。役の中で、より自分らしくあるというのはなかなか大変です。大規模な作品には何度も出演したことがありますが、本作もまさにその一つで、スケールという意味ではまったく同等です。本作は彼らが手掛けた過去の大作に並ぶものであり、『ゲーム・オブ・スローンズ』に関わったメンバーが何人もいるので、家族のように強い結びつきの中で一緒に働いています。皆の努力はとても素晴らしいです」
── 役づくりのためにどのような準備をしましたか?
「資料や原作を読み込みました。こうした組織で働いた経験を持つ人から助言を得て、刑事を演じる上での複雑さを理解することができました。大史を現実に即した人物として演じ、真実味を与えることが、私にとっては重要でした」
── 大史は仕事一筋な人物ですね。
「ひたむきでがむしゃらに仕事に打ち込んでいるため、それ以外のすべては自分の容姿でさえも後回しになっています。というわけで、私は基本的に毎朝ベッドから抜け出したままの格好でしたが、そのままシーンに入っていけるのは何ともいいものでした。髪の毛もボサボサのままで、そうした細部へのこだわりが気に入っていました。そのおかげで、彼にとって本当に重要なものは、目の前にある任務だけだということが伝わるのです」
── 大史の物語は、脅威に挑む天才科学者5人の周りで展開します。
「大史は、初めて登場するシーンでは張り込み体勢に入っています。それから少しずつ、彼の正体が明らかになり、彼が天才科学者の5人を重点的に追跡していることが分かっていくのです。彼らが何者なのか、できるだけ多くの情報を集めようとしているのです。より大きな全体像をつかむために、すべてをかき集め、点と点をつなぎ合わせていきます。科学者の5人を演じた、ジェス・ホン、エイザ・ゴンザレス、ジョン・ブラッドリー、アレックス・シャープ、ジョヴァン・アデポは、この素晴らしい物語を語るのにふさわしい見事なアンサンブルキャストです」
── 捜査官を率いるリーダーのウェイドを演じたリーアム・カニンガムとの共演はいかがでしたか?
「ウェイドと大史が交わす冗談めいた会話は、非常に興味深いものです。2人とも任務の最前線にいながら、仕事に対するアプローチはかなり無秩序なところがあり、この物語の中の関係性は、視聴者の皆さんにも特に気に入ってもらえると思います」
── 実際の友人でもあるロザリンド・チャオとの共演は特別でしたか?
「ロザリンド! 彼女と共演するのは本当に夢のようでした。彼女とはZoomでの台本読み合わせで親しくなりました。このような形で共演できたのは、私にとって個人的に本当に光栄なことでした。とても居心地よく共演できた上に、特にロザリンドが演じる葉文潔(イエ・ウェンジエ)と大史というキャラクターとして、シーンのパートナーとなる相手に何でもぶつけることができるというのは、素晴らしいことでした。2人の間では真の交流が行われます。大きなリスクを賭けたチェス勝負です。そんなふうに彼女と共演したことを、この先もずっと懐かしく思い出すでしょう。また何度でも共演したいと、心から思います」
【番組情報】
Netflixシリーズ「三体」(全8話)
Netflixで独占配信中
1960年代、人類に絶望したエリート科学者が、宇宙に向けて秘密裏に電波を発信。そして現代。各国の優秀な科学者が次々と自殺するという異変が発生。捜査官の大史(ベネディクト・ウォン)が真相を探る中、異星文明の存在が発見され、地球に脅威が迫り来る。
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