【福岡よしもと常設劇場記念リレーインタビュー/第4回】福岡よしもと1期生コンバット満。「当時の福岡は芸人への理解がなかった」2018/08/07
劇場オープンを記念した連載企画の最終回。今回は福岡よしもとの1期生で、テレビやラジオなど福岡のメディアではかかせない存在である、コンバット満にインタビュー! 彼は、同じく1期生である博多華丸・大吉らと共に“お笑い文化”が根付いていなかったころの福岡を盛り上げてきた第一人者でもある。そんな彼だからこそ考える福岡のお笑いの“魅力”とは?
──芸人になる前は、自衛隊でいらっしゃったそうですね。
「僕、地元が静岡なんですけど、元々パイロットになりたくて航空自衛隊に入りまして。当時埼玉の基地にいたんですが、まさかの異動で福岡に来たんです。ちょうど自分が高所恐怖症だって気付いた頃で(笑)。だから、もう長くはないなって思っていました。そんな時に、テレビでたまたま福岡よしもと1期生募集のCMをやっているのを見て、応募したのが芸人人生の始まりですね」
──てっきり福岡出身の方だと思っていました!
「19歳で福岡に来て、今年で30年になります。だからもう完璧な福岡人です。今ではバリバリ博多弁ですし。なんせ最初に華丸とかに出会っていますからね。当時僕が『そうだよね~』とか言うと、『なんがや!』とか言われてました(笑)」
──芸人になったのが1990年。当時の福岡の印象は?
「その頃の福岡は芸人への理解がなくて、ちょっとバカにしているようなところがありましたね。当時の在福テレビ局もバラエティーを作っていなかったので、ノウハウを持っていなかったんです。台本にボケが全て書いてあったりとか(笑)、今と違って芸人の扱い方を分かっていなかったというか」
──当時の福岡よしもとには劇場はなかったんですか?
「最初はなかったです。1999年に博多駅に劇場ができたんですけど、それまではライブハウスを借りて公演したり…。あとは、大衆演劇の劇場でもやっていましたね。大衆演劇の公演期間は斬られ役のバイトをして、その合間でトークをさせてもらったり。またそこで大阪の新喜劇や、漫才の公演を呼ぶこともあって。新喜劇の脇役とか、漫才の前座とかをさせてもらっていました。その公演期間は、ずっと楽屋に泊まって。先輩方の洗濯物を洗ったりするんですよ。桑原和男さんのネタで使う『たれ乳』とかね。めちゃ臭いんです、アレ(笑)」
──当時と比べると、今の福岡はお笑いを取り巻く環境として恵まれているんですね。
「恵まれてますよ~! よしもと天神ビブレホールもできたしね。まずネタを披露する場所があるからね! 僕らが環境を作り上げたっていうほど、自負はないですけど…。でも僕らがずっと続けたから、今があるんだろうなとは思います(笑)」
──ずっと福岡でお笑いをやってきたからこそ思う、福岡のお笑いの魅力って何だと思いますか?
「笑いが穏やかで、温かいとこですかね。ツッコミも柔らかいですから。元々博多弁ってツッコミ言葉ってないじゃないですか。『なんしようと』くらいかな。『なんでやねん』とか『すな』みたいな瞬発力のあるツッコミ言葉ってないですもんね。その瞬発力がない分、温かくなるのかなぁ。あとは東京や大阪だと爪痕を残すぞってなる分、よく現場がギスギスしているんですよ。だから、番組のゲストとして東京から福岡に来る人は、本当に福岡の仕事が楽しいらしいです。前乗りして、仕事して後泊みたいな(笑)」
──NSC生をはじめとする後輩へ、福岡よしもと1期生として思うところはありますか?
「福岡には華大っていう見本がいますからね。あれだけメジャーなのに福岡の話題をメインで話をするってすごいことですよ。全国放送で薬院の話をするって(笑)。だからどれだけ今後売れても、東京や大阪には染まらず“福岡らしさ”は出してほしいです。そして、華大のように地元の人から応援されるような芸人になってもらいたいですね」
──体を張った芸に関しては、コンバットさんが見本であると考えてよろしいですか?(笑)。
「そうですね。自分の芸名は恨みますけどね(笑)。華大に『いつまでやっとん!』って毎回言われるんですけど、『俺はいつまでもやるよ』って言っています。お前らのせいで俺の芸風はこうなったんだって(笑)。華大とかぶらないような芸風を選んだら、体張ることになったんですから。これしかないです。やるしかないですから」
──最後に…よしもと天神ビブレホールでは、どういったことをしていきたいですか?
「『Fan!Fun!スポーツ』(TVQ 土曜午前11:30)に出させてもらっているので、ホークス関連のトークイベントとかホークスファンの集いとかやりたいですね。あとは、長年やらせてもらっている、『ドォーモ』(KBC 月~木曜深夜0:15)のイベントとか。そして最終的に目指すところは、劇場での公開生放送です。公開収録をするような広いスタジオが福岡にはないので、それを劇場でやりたいですね。やっぱり芸人ってお客さんがいた方が、テンション上がってパワーが出るんですよ。劇場は月1で出演する予定なので、ぜひ来てください」
自虐しながらも楽しそうに若手時代のエピソードを話す姿から“笑い”と“福岡への愛”がひしひしと感じられた。本人は謙遜するが、福岡のお笑い文化の礎を作った第一人者であることは間違いない。インタビューの最後に「福岡に骨をうずめるつもりでいます!」と福岡愛を誓ってくれたコンバット満。彼には、今後も変わらずメディアで活躍することはもちろん、後輩にそれらのノウハウを継承することも期待したい。きっと今以上に福岡のお笑い市場は、盛り上がるだろう。
ビブレに劇場がオープンして間もなく1カ月。劇場では既にさまざまなイベントが行われており、今後もさらに盛り上がりを見せていくはずだ。公演情報をチェックし、気になるものにはどんどん足を運んでほしい。
【プロフィール】
コンバット満(コンバットまん)
1969年8月14日静岡県出身。“コンちゃん”の愛称で親しまれ、体を張ったロケが九州で人気。テレビでは「ドォーモ」(KBC)、「おとななテレビ」(TVQ)、「Fan!Fun!スポーツ」(TVQ)などに出演。ラジオでは「ガブリナ」(KBCラジオ)の金曜日のパーソナリティーとして出演。
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