當真あみ「指揮する西島さんの後ろ姿は本当に格好いい」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー2024/03/04
TBS系では連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」が放送中。本作は、天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくとびっきり“アパッシオナート”=情熱的なヒューマンドラマです。
第7話では音楽経験ゼロながら、晴見フィルハーモニーに飛び込みバイオリンの練習に励む高校生・谷崎天音(當真あみ)にスポットが当てられ、明るく天然キャラの天音が人知れず抱えていた苦悩が描かれました。SNSでは「やりきる前に諦めてほしくない!」「天音ちゃんの演技に感情揺さぶられて泣いてしまった」など感想が寄せられています。
実は幼い頃からバイオリンをたしなんでいた當真さんは、バイオリン初心者の天音という役をどんな思いで演じているのでしょうか。最終回へ向けて物語の重要なパートを担う天音役の當真さんに話を伺いました。
――天音というキャラクターの魅力はどんなところだと思いますか。
「天音は音楽の経験が全くない中で、晴見フィルの演奏を聴いて、右も左も分からないまま音楽の世界に飛び込んでいくところがすごいと思います。私ならオーケストラという団体に1人で入っていく勇気は全然ないし、迷うと思いますが、天音は自分の「やってみたい! 知りたい!」という思いからバッとその中に入っていく。その行動力と勇気のあるところはすごく魅力的です。演じる上では、天音の明るさと音楽がすごく好きだという気持ちを意識しています。今まで本気で好きになるものに出会えていなかった天音が、音楽、クラシックというものに出合って初めて本気になれた。そういう部分は今後も大事に演じていきたいです」
――実際はバイオリン経験者ですが、弾ける実力がある上で初心者のように演奏するというのは難しいものでしょうか。
「割とそこは難なくというか。どこを弾いたら初心者のような音が出るのか、先生から教わりながらクリアはできているかなと思います。バイオリンはもともと父が私にやらせてみたいという気持ちがあったようで。いつ始めさせようかと考えていた時に、ちょうど私が子ども向けのアニメーション番組のバイオリンを弾いているキャラクターのまねをしていたらしく、それを見て始めさせてくれたみたいです。少しだけオーケストラに入っていた時期もあり、自分が音楽の一部になる感覚、全身を音楽に包まれる感覚をすごく楽しんでいたので、今回自分がやってきたことを生かせる作品に出られたことがすごくうれしいです」
――響役の芦田さんとは3度目の共演ですね。
「普段から今まで作品をご一緒できた方とまたどこかの作品で会えるように頑張る、というのを心に置いてお仕事に臨んでいるので、またこうやって芦田さんにお会いできたのはすごくうれしいです。周りをしっかり見ている方で、私もお芝居の時、ここはもっとこうした方がいいかなというのを監督も含めてお話する時もありますし、お姉さんのような存在です。後半は俊平と響の関係を天音が無意識につないでいくというか。天音を通して少しずつ家族のつながりが見えてくるところもあるので、そこも楽しみにしていてほしいです」
――天音は俊平に憧れ指揮者を志していますが、西島さんの指揮者としてのお芝居を間近でご覧になっていかがですか。
「天音は客席側から演奏を見ていることが多いので、マエストロの後ろ姿を見ることが多いんですが、指揮をする西島さんの後ろ姿は本当に格好いいです。撮影の合間も先生に教わったり1人で振ったりと、ずっと真剣に練習をされているんですが、撮影が始まると本当に楽しそうで。背中から楽しさが伝わってくるんですよね。天音は俊平のそういうところに憧れたのかなと思います。天音にも指揮をするシーンがありますが、簡単そうに見えて、やってみると全くそんなことはないんですよ。どこにどう指示を出せばいいのか、その動きも難しいし、大変だなと思いながら撮影に挑んでいます。オーケストラの演奏シーンでは私は映っていないことが多いので、よく監督の近くのモニターを見に行くのですが、演奏している皆さんは本当に生き生きされていますね。撮影現場の雰囲気も本当に暖かく、俳優の皆さんがすごく仲がいいです。昨日も休憩中に満島真之介さんが師匠になって、俳優さんみんなで輪になって手笛の音を出す練習の時間があって。年齢はバラバラですがそんなの関係なく、同じように楽器をやっている同士だからこそ生まれる空気感があるなと思います」
――いよいよ終盤に突入していますが、物語、そして天音としての見どころをお願いします。
「あおぞらホールとお別れした晴見フィルがどのようになっていくのか、一つの音楽を作っていく仲間の団結力、みんながお互いを信じる気持ちがすごく見どころかと思います。また、俊平と響の親子関係も回を追うごとに進展していくので、温かく見守ってほしいです。天音としては、これまであまりやりたいことが続かなかった彼女が、音楽や晴見フィルに反対的な意見を持つお父さんにどのように向き合い、自分の好きなことを伝え、どのようにして音楽を続けていくのか、そこも見ていただきたいですね」
――ちなみに、今、アパッシオナート(情熱的)になっていることは何かありますか?
「情熱的とまではちょっといかないですが(笑)、ドラマに影響されてクラシックにハマって聴ています。自分で調べて聴いたりもしています。好きな曲は『展覧会の絵』というモデスト・ムソルグスキーの組曲の中の『プロムナード』というトランペットの曲。学校の授業で聴いてから定期的に聴きたくなる曲です。トランペットの真っすぐな音色がいいですよね。実はトランペットは小学校の吹奏楽部でやっていたんですが、今はもう全くやっていないので、『スー』っていう音しかもう出せないだろうなと思います(笑)」
【プロフィール】
當真あみ(とうま あみ)
2006年11月2日生まれ。沖縄県出身。近年は、NHK大河ドラマ「どうする家康」、「妻、小学生になる。」(TBS系)、「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)などに出演。「ケの日のケケケ」(NHK総合ほか)が2024年3月26日に放送予定。
【番組情報】
「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
TBS系
日曜 午後9:00~午後9:54
文/N・E(TBS担当)
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