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北川悦吏子脚本、妻夫木聡×渡辺謙がタッグを組む医者と患者のロードムービー2024/02/29

北川悦吏子脚本、妻夫木聡×渡辺謙がタッグを組む医者と患者のロードムービー

 テレ東系では5月6日、テレビ東京開局60周年特別企画ドラマスペシャル「生きとし生けるもの」(午後8:00)を放送することが分かった。人生に悩む医者と余命宣告された患者が、何のために生き、何を残すのかという永遠の問いの答えを求めながら各地を巡るヒューマンドラマとなる。

 佐倉陸(妻夫木聡)はたぐいまれなる才能を持った外科医だったが、ある時からメスを握れなくなり、精神的に追い詰められた結果、外科を追われ内科医となった。そこで余命宣告を受けたがん患者である成瀬翔(渡辺謙)の担当医に。繰り返される手術と抗がん剤治療にうんざりした成瀬は陸に「殺してくれよ」と言い、陸はあっさり「いいですよ」と返答。「でもその前に、やりたいことはありませんか」。2人は病院を抜け出し、バイクで旅に出る。キャンプをし、生まれた街へ行き、初恋の人に会う。次第に体調を崩していく成瀬を支える陸。人生最後の旅をしながら「人は何のために生きるのか」の模索は続く。

 この物語をつづるのは、数々のラブストーリーを生み出し“ラブストーリーの神様”と呼ばれる脚本家・北川悦吏子。北川は「点滴を見つめる生活を続けた。なぜ、生きなければならないのか? また死を迎える人は、なぜ死ななければならないのか? 生きるって何だ? 死ぬって何だ? 人間ってどうだ? この15年来、脚本家としてどうしても書きたいと思っていたテーマだ。書いてみたら意外にも愛の話になった気もする。分からない。この物語に、生と死に関してはっきりした結論があるのかどうかも分からない。答えなんてない中で、私たちは、ただ、生き続けるのかもしれない」と生と死の意味をあらためて問いかける。

北川悦吏子脚本、妻夫木聡×渡辺謙がタッグを組む医者と患者のロードムービー

 人生に悩む内科医・佐倉陸を演じるのは数々の話題作へ出演する妻夫木聡。今回テレ東のドラマに初出演で初主演となる。「死生観というものは人それぞれにあると思います。だけど、こんなにも真っ向からぶつかった作品はなかなかありません。生きる上での、喜び、悲しみ、希望、絶望、そのすべてを受け止めて僕は陸と共に旅に出たいと素直に感じました。いえ、出なければいけないという、どこか使命感にも近いものを感じていたのかもしれません。それくらい僕は北川さんの覚悟を感じましたし、北川さんは僕を信じて託してくれたのだと思います。想いとは相手を思う心。そんな想いがあふれたこの脚本で生きれたことに喜びを感じています」と全身で本作と向き合った。

北川悦吏子脚本、妻夫木聡×渡辺謙がタッグを組む医者と患者のロードムービー

 陸と旅をする、余命宣告を受けた成瀬翔を演じるのはハリウッドでも活躍を続ける渡辺謙。北川から直接オファーを受けたという渡辺は「私は、かねて医療に関するドラマを固辞していた。自分の体験から本当に苦しむ患者の気持ちはドラマでは描けないと感じていたからだ。そこからメールのやりとりが数回続いた。北川さんは難病と向き合い、独特の死生観を持たれていた。彼女の感じてきた『生きること』『死に向かうこと』それを演じてみたいと思った。ある時は、薬の袋の裏にセリフを殴り書きしたという。彼女流の軽いやりとりの向こうに浮きあがる“死”。なかなかにハードルの高い作品だった。生きることの苦しさ、喜びを感じながら北川悦吏子の『死生観』を体現した」と本作に臨んだ経緯と心の動きを明かしている。

 そんな渡辺との共演について、妻夫木は「謙さんがいなければ僕は陸になることはできなかったでしょう。役としてだけでなく、常に僕と向き合って一緒に闘ってくれた。オッサン(成瀬)と一緒にいることが当たり前になっていた僕は、撮影が終わった今、心にポカンと穴が空いたような状態です。スマートだけど、どこかチャーミングな謙さんはまさにオッサンそのものでした。そんなオッサンこと、謙さんが僕は大好きです。この作品で謙さんと一緒に旅をできたことは僕の財産となりました」と本心を打ち明け、「こんなにも役と共に生きた感覚を得られたのは久しぶりでした。生きることは何なのか、僕自身も陸と共にオッサンに導いてもらったような気がします。皆さんもこのドラマの中で、陸とオッサンと共に一緒に旅をしてもらいたい。そして、ドラマの中で精いっぱい生きる僕たちの想いを体感してもらいたい。きっと皆さんにも、幸せの瞬間が訪れることを確信しています」と視聴者にメッセージを送っている。

 監督は、数々の名作を生み出してきた廣木隆一が務める。番組プロデューサーの祖父江里奈氏は「妻夫木聡さんと北川悦吏子さんの『オレンジデイズ』のタッグ再び、となれば私を含め多くの人々が心躍るはず。そして、悩み抜いた末、出演を決めてくださった渡辺謙さんには感謝してもしきれません。さらにこの物語を廣木隆一監督がご自身の地元・福島で撮影してくださいました。風光明媚(めいび)な景色の中で撮られた数々のシーンはどれも叙情的で見応えがあり、また監督を慕う多くの才能あるスタッフが集結し、テレビドラマとしては最高のクオリティーに仕上がりました」と自信をのぞかせている。

 なお本作はドラマ放送に先駆けて、3月6日に文藝春秋社よりノベライズ文庫「生きとし生けるもの」(北川悦吏子著)の発売も予定している。


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