「Eye Love You」、二階堂ふみとチェ・ジョンヒョプは「今までにないものを一緒に作ろうとしてくれている」――プロデューサーがキャスティング理由や撮影裏話を明かす2024/02/26
TBS系では連続ドラマ「Eye Love You」が放送中。本作は、目を見ると相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つチョコレートショップ社長・本宮侑里(二階堂ふみ)が、超ピュアな年下の韓国人留学生、ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)と出会い、新たな恋に踏み出していくファンタジック・ラブストーリーです。
本作を手掛けるのは、中島啓介プロデューサー。ここでは、作品のこだわりやキャスティング理由、演出の裏側などについて伺いました。
――初めに、このドラマを作るに至った経緯をお聞かせください。
「ここ数年、日本で韓国コンテンツに触れる機会が多くなり、日本と韓国が融合したドラマがあってもいいのではと純粋に思ったのが最初のきっかけです。チャレンジングな企画でしたが、やってみようと会社が言ってくれたことはとても感謝しています」
――本作はオリジナルストーリーですが、どのようなところから着想を得ていますか?
「テレパスによって愛から遠ざかってしまう物語の中で、韓国人という心の声が理解できない人と出会ったらどうなるんだろうというところから、言葉が通じなくても表情で気持ちは伝わるので、コミュニケーションの温かさみたいなところを表現できたらと思い作りました」
――韓国のNetflixでも上位に入っていて、国内外からも大きな反響がありますが、ここまで放送を終えてのお気持ちをお聞かせください。
「ヒロインの相手役を韓国人の方にやっていただく、韓国人の俳優さんが日本語をしゃべっているという連続ドラマの座組自体が今までになかったものなので、どんな反応が返ってくるか全く想像もつかなかったです。この作品を見て明日からまた頑張ろうと思ってもらえたり、疲れた心を癒やせるようなドラマをキャスト、スタッフ皆で作ろうと取り組んでいるので、それが国外にも届けられてうれしいです」
――SNSなど反響を見て、意外だったことやここが受けたと感じたことはありますか?
「韓国ドラマとは尺や本数、展開のスピードも全然違いますが、それを逆に新鮮に思ってくれているのかなと。また、二階堂さんとジョンヒョプさんの2人のかわいい掛け合いにキュンとする感覚は、世界共通で一緒なのかもしれないです」
――主演の二階堂さんと、その相手役にジョンヒョプさんをキャスティングした理由をお聞かせください。
「主演の二階堂さんは、コミカルからぐっとくるエモーショナルなシーンまで振り幅がすごくある素晴らしい俳優さんです。今までのお芝居を見ていても、対応力や受ける度量が違うなと感じていたので、今回オファーさせていただきました。ジョンヒョプさんはかわいい顔をする時もあれば、怒った顔やシリアスな顔など表情をしっかり作ってくれるパワーのある俳優さんなので、2人の化学反応はとても面白いものになるのではと思っていました」
――2人の魅力的な部分をお聞かせください。
「ファンタジーの設定ですが、身近に感じられる主人公を二階堂さんが演じてくださっていて、“生きた人間を演技で見せる”部分が素晴らしいと感じています。ジョンヒョプさんは、日本語がゼロの状態からスタートでした。セリフを全部覚えてそれをお芝居に乗せるということは、とてつもない努力と覚悟が必要だったと思います。今までにないものを一緒に作ろうとしてくれていて、とても感謝をしています」
韓国人ならではの案を出してくれる
――火曜ドラマらしい胸キュンシーンはどういうところから構想が浮かんでいますか?
「韓国人特有の、気持ちをストレートに伝えたり連絡をいっぱいするかわいらしい部分など、脚本家チームや韓国出身のプロデューサーをはじめ数名の韓国人スタッフにもアイデアをいただき、リサーチをしながら取り入れています。韓国ドラマあるあるみたいなところはたくさんありますが、日本のラブコメにはないシーンも多いので、その新鮮さが功を奏していたらうれしいです」
――印象に残っている胸キュンシーンはありますか?
「第3話の約束をコピーするシーンや、第4話のラストで薬指にリボンを結んだ後に指にキスをしそうになるシーンは、ジョンヒョプさんのアイデアです。韓国人ならではの案を出してくれて、現場で取り入れさせてもらいながら作り上げています」
――ジョンヒョプさんからのアイデアはどの辺りですか?
「セリフはもちろん、しぐさや表情などたくさんありますが、分かりやすいところで言うと、第1話のラストで侑里がテオの家の前を歩いている時に、屋上から『そこの、キョロキョロしてるかわいい人〜!』と叫ぶところです。爆発力があってすごく面白いなと思いました。そういったセリフに限らず、毎シーン1カ所は必ずどこかに現場で生まれるアイデアがあります」
――中川大志さんと山下美月さんも出演されていますが、ご一緒されていかがですか?
「大志さんはストレートに言葉を発さない、テオとは対照的な役(花岡彰人)ですが、秘めた思いを伝えない優しさみたいなところを上手に演じてくれています。三角関係のドロ沼な展開ではなく、テオとのドタバタとしたコミカルな感じもこのドラマならではです。山下美月さん演じる池本真尋は、男を落とすようなあざとい雰囲気で、恋愛マスターかと思いきや実はへなちょこな部分があったり(笑)。そこを山下さんは面白い方向にうまく持っていってくれています。小野田学(清水尋也)との擦れ違いラブ(?)もあり、2人が今後どうなるのかも楽しみに見ていただきたいです」
――現場の雰囲気はいかがですか?
「二階堂さんを中心に言葉の壁をうまく乗り越えながら、いい現場を作ってくださっています。言葉の壁を越えて、一緒に今までにない面白いものを作ろうという雰囲気の中で、皆で頑張って前に進んでいます。このドラマの裏のテーマでもあるコミュニケーションの温かさの部分は、現場でも通じるものがあるなと感じています」
――最後に第6話と終盤の見どころをお聞かせください。
「この物語の一つのクライマックスは、第6話で迎えます。メインのキャラクターたちが大自然の北海道に行き、キーとなっているラッコが生息する情景の中で、このラブストーリーが大きく動き出します。絶対に見逃すことのできない回となっていますので、前半の最終回だと思ってご覧ください。素晴らしいキャスト陣と共に、演出・技術・美術、すべてのスタッフが1カット1カット、一生懸命に愛情を詰め込んだ『Eye Love You』をぜひこれからも楽しんでいただけたらと思います」
【プロフィール】
中島啓介(なかじま けいすけ)
2009年、TBSテレビ入社。「天国と地獄〜サイコな2人〜」や「持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜」「キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木」プロデューサー。
【番組情報】
「Eye Love You」
TBS系
火曜 午後10:00~午後10:57
取材・文/N・E(TBS担当)
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