佐藤緋美「チェロはごまかせない」――「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」インタビュー2024/02/03
TBS系では連続ドラマ「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」が放送中。天才指揮者だったが、ある事件で家族も音楽も失った父・夏目俊平(西島秀俊)と、そんな父を拒絶し音楽を嫌う娘・響(芦田愛菜)が地方オーケストラを通して失った情熱を取り戻し、親子の絆と人生を再生させていくとびっきり“アパッシオナート”=情熱的なヒューマンドラマです。
ここでは、寡黙でクールな青年であるチェリスト・羽野蓮を演じる佐藤緋美さんにインタビュー。音楽活動を通して感じたことや、撮影でのエピソードについても語っていただきました。
――今作のオファーが来た時の率直な感想を聞かせてください。
「ドラマのオファーを受けた時は、普段から音楽活動をしているので、自分自身にしかできないことがあるのではないかとワクワクしていました」
――蓮という役柄について教えてください。
「僕が演じている蓮は、晴海フィルに途中で合流する天才チェリストです。台本を読んでみて『もっとうまくならないと!』というように、オケメンバーにやる気のスイッチを入れるような役柄だなと考えています」
――寡黙でクールな青年ですが、演じる上で気をつけていることはありますか?
「普段の僕とは真逆のタイプだと思います。僕は厳しいことを言う時もありますが、蓮のようにぶっきらぼうには言わないですし、フレンドリーなタイプなので、そこは違うかなと思っています。ですが、なるべく自分に近いところも見つけていきつつ、僕が演じることで魅力を引き出せていけたらいいなと思っています」
自分自身が楽しみながら、音楽の素晴らしさを伝えられたらいいなと
――普段はベースを弾かれていますが、チェロはやはり難しいですか?
「最初はチェロを弾くことにワクワクしていたのですが、チューニングがベースとは違っていたり、弾く時の指がとても難しかったりと、チェロの練習は大変でした。チェロの先生にも『チェロはごまかせないから』と言われました(笑)。なので、最初から真剣に取り組んでいましたし、普段音楽活動をしていることもあって、しっかり弾かないと…という気持ちもありました。ですが現在は、弾くことだけでなく、演奏する時の姿勢や息づかいもきちんとしようという考えに変化していっています」
――演奏をしていてどんなことを感じますか?
「演奏シーンはキャストをはじめ、東京音楽大学の方やエキストラの皆さんと一つになって撮影ができていて、いつも楽しいです」
――ここは見てほしい!というポイントがあれば教えてください。
「一度、東京音楽大学の授業を見に行かせていただいたのですが、『自分の人生が楽しくないと思いながら演奏をすると顔に出るよ』とおっしゃっているのを聞き、練習している時は本当に大変でも、自分自身が楽しみながら、音楽の素晴らしさを伝えられたらいいなと思いました」
――最後に、視聴者の方へメッセージをお願いします。
「見どころはやはり、皆で一つになって演奏をしているオーケストラのシーンです。皆でオーケストラのシーンの撮影をするとテンションが上がるので、その雰囲気が視聴者の皆さまにも伝わればいいなと思っています」
【プロフィール】
佐藤緋美(さとう ひみ)
1999年12月19日生まれ。東京都出身。俳優、モデルとミュージシャンとして「HIMI」で活動。近年は、ドラマ「グッドワイフ」(TBS系)、映画「TRANSPHERE」「We Are Little Zombies」などに出演。
【番組情報】
「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」
TBS系
日曜 午後9:00~午後9:54
取材・文/N・E(TBS担当)
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