福山雅治主演「集団左遷!!」第2章突入。「日曜劇場」ファンにはもどかしい展開は「当然、狙って作っていた」【プロデューサーインタビュー中編】2019/06/08

　6月2日放送の第7話から第2章に突入した福山雅治さん主演の「集団左遷!!」（TBS系）。支店長の片岡洋（福山）が廃店を阻止しようと奮闘してきた蒲田支店ですが、「ノルマを達成しない」という道を選び、廃店という結末を迎えました。片岡は三友銀行本部の融資部に、蒲田支店の副支店長だった真山徹（香川照之）は日本橋支店の副支店長に異動。そこで2人は専務に昇格した横山輝生（三上博史）が何か重大なことを隠していると疑い、水面下で調査に踏み切ります。

　前編に続き飯田和孝プロデューサーに今後の展開について伺う中、第2章のキーパーソンとなる人物を尋ねると「片岡しかいないのですが、ほかに挙げるなら…」と少し悩み、「真山が強力な助っ人として、手助けをするのは間違いありません」と回答。

「片岡と真山が蒲田支店で育んだ絆や信頼関係が、後半に生きてきます。前半でも片岡が滝川晃司（神木隆之介）や平正樹（井之脇海）と協力して問題を解決しようとする展開はありましたが、同じ支店の仲間の1人というのを超えて、2人のバディ感は強まると思います」と断言するような口調で話しながらも、「でも、片岡の周りにいる人は全員敵かもしれませんよ（笑）。逆にみんな敵に見えるようで、実はこの人は味方かもしれないということも」と含みを持たせた発言も。

　また、「第7話以降は完全オリジナルストーリーです。時事的なトピックスも視聴者の方には連想していただきながら、現在の銀行はこれからどうなっていくのかということを描いていく予定です。『片岡VS横山』という対立ではありますが、復讐心や恨みに基づいた対立ではないので。ただただ『銀行員として正しいこと』をしようとする片岡に、企業に勤める人たちの思いを代弁させる感じにできたらいいなと思っています」と、片岡というキャラクターに託しているものの片鱗をうかがわせます。

　ところで、TBSで放送中の今クールの連続ドラマ3作品のうちの一つ「わたし、定時で帰ります。」の主人公・東山結衣（吉高由里子）は、計画的、効率的に仕事を頑張ったうえで、きっちり定時で退社することをモットーにするキャラクター。「働き方改革」が関心を集める今の時代、現代社会が抱える身近な社会問題を見つめ直し、「何のために働くのか？」「自分を大切にすること」「仲間を大切にすること」など、シンプルなメッセージを伝えていく作品として描かれています。図らずも、同じクールに届けられる「集団左遷!!」と「わたし、定時で帰ります。」の2作品は、企業に勤める会社員が主人公という点は共通していながらも、その主人公に込めた思いは一見両極端なようにも思えますが…。

「片岡自身が、役員になりたいだとか、出世したいということではないんです。前半は『蒲田支店を守る』、ただそれだけ。ただただお客さまや支店員のためだけを思って頑張ってきました。後半もこれまでと変わらず三友銀行を支えてくれるお客さま、そして共に働いている部下のためというのは第一にあるのですが、視聴者の方に投影してもらいたいのは、片岡の『納得できないことは許せない』という部分です。自分が正しくないと思ったことを、そのまま見過ごすことができないのが片岡という人物で。例えば横山が提示してきたものに対して、それは相手のために良くないとします。横山が相手のために良くないことをしようとしているのを自分は止められる立場にいるのに、見過ごすことができない人なんです。ある種、正義感だと思うんですが」と片岡というキャラクターについて語る飯田プロデューサー。

　さらに「会社に勤めている中で、例えば会議でトップの人が意思決定をして『これはこうだ！』と発言したことに対して『ちょっとそれは違うと思うんだけど…』ということってあると思うんですけど、そう思いつつも『違う』とは言えなかったりするじゃないですか（笑）」と具体的に思い当たることがあるかのように笑いながら、「そんな時、片岡は『相手のためにならないなら、やらない方が良いです』とはっきり言える人なんです。そこは明確に作っていきたいなと思います」と明かしました。

　撮影現場の雰囲気なども伺った【後編】は明日、6月9日に公開！