センチネルが太田プロライブ「月笑」初の年間王者に!「最高です!!」「これを皮切りに、いろんな賞レースで結果を残したい」【優勝会見リポート】2023/12/12
太田プロダクションが主催する「太田プロライブ月笑2023 クライマックスシリーズ」が12月11日に東京・イイノホール&カンファレンスセンターにて開催され、2020年結成のコンビ・センチネル(大誠、トミサット)が初の年間王者に輝いた。
「太田プロライブ月笑(げつわら)」とは、太田プロダクションに所属するお笑い芸人による月1回の定期ライブ。観客投票により毎月の順位が決定し、その結果に伴いポイントが獲得できる。さらに2023年2月~11月(8月は開催なし)の戦いを踏まえ、総合順位の上位3組が12月開催の「クライマックスシリーズ」に進出。観客投票により、年間チャンピオンが決定する。
今年のクライマックスシリーズ進出を決めたのは、青色1号(年間1位)、さすらいラビー(年間2位タイ)、センチネル(年間2位タイ)の3組。さすらいラビーとのセミファイナルを制したセンチネルは、勢いのままに青色1号との最終決戦にも勝利。優勝トロフィーと賞金50万円を獲得した。
終演後、取材に応じた2人。大きなトロフィーを抱えながら、今後の目標などを力強く口にした。
「普段お世話になっている先輩2組に勝てたなんて、最高です!!」
――優勝おめでとうございます。今の率直なお気持ちを教えてください。
大誠 「もう、めちゃくちゃうれしいです。今まで一度も“優勝”することができなくて。今年の『M-1グランプリ』は3回戦で敗退してしまったのですが、その悔しさから『この1年間で、何かのタイトルを絶対取ろう』『なんでもいいから絶対勝とう』と目標を掲げていました。そしたら今日、クライマックスシリーズで優勝できて。ちょっと…最高です(笑)。うれしいです!!」
トミサット 「クライマックスシリーズは、養成所の頃から出たかったんです。でもコロナで開催自体がなくなったり、年間ポイントが足りなくて。今回、初めての出場だったんですよ。初めての出場でそのまま勝てたので、もう最高以上の何物でもないです。最高。最高です!!」
――お二人にとって先輩の青色1号さん、さすらいラビーさんと対戦。2組に勝利した感想は?
大誠 「青色1号の上村(典弘)さんっていう大きい人は、普段のライブで本っっっ当にネタを邪魔してくるんですよ! 『キングオブコント』の準々決勝でも、わざわざ舞台の袖まで来て邪魔してくるんです。で、僕らが注意するとキレるんですよ!!(笑)。本当に手がつけられなかったんですけど、この直接対決で勝ったので、今後は黙らせたいと思います。これは太田プロの若手全員が求めていることなので」
――被害者だったんですね(笑)。
トミサット 「はい」
大誠 「被害者です!!(笑)。もうめちゃくちゃなんですよ! 出番の直前にワイシャツの裾をズボンから出されたりとか、袖から変なところで笑われたりとか…」
トミサット 「あと、耳にキスされたりとか」
大誠 「そんなんじゃ平常心でネタできないんで(笑)。上村さんを倒せてよかったです」
トミサット 「本当に! でも、さすらいラビーさんも青色1号さんも、ずっと追いかけてきた先輩方なので。さすらいラビーさんにセミファイナルで勝てた時は、『まさか…?』『もしかしたら優勝できるかも』と感じていました。さすらいラビーさんは2連覇中で、前回もチャンピオンになった先輩なので、『さすらいさんに勝てたら奇跡起きるかも?』と思っていたんですけど、本当に奇跡が起きたなという感じです」
大誠 「2組とも、ずっと背中を見てきた先輩なんです。普段お世話になっている2組に勝てたなんて、最高です!!」
――セミファイナル、ファイナルともに漫才を披露。手応えはありましたか?
トミサット 「自分たちとしては、正直2本とも実感はなかったです」
大誠 「さすらいラビーさんとの1本目は後攻だったので、なんとなく空気をつかめたかなと。青色1号さんとの2本目は先攻だったんですけど、怖くて。青色さんのネタも怖くて見ることができなくて、すぐ喫煙所に逃げちゃいました」
トミサット 「僕もすぐ楽屋に行きました」
大誠 「なので、青色さんがどうだったかを全く知らない状態で結果を待っていました。あとは、さすらいラビーさんは本当に構成がすごいんです。僕らはそこが苦手なんですけど、なんとか戦えるようにというのは意識していました」
トミサット 「さすらいラビーさん、青色1号さんはずっとクライマックスシリーズに出ていた中、僕らは初出場。『新しい顔だな』って、お客さまの応援ムードも感じました」
大誠 「ダークホースというか。さすらいラビーさんとタイで2位でしたけど、お客さんには実質3位と思われていたと思うんです。なので、お客さんからの応援ムードにだいぶ助けていただいたかなと思います」
トミサット 「これからも慢心せず頑張ります」
大誠 「『勝って兜の緒を締めよ』ですね」
――優勝トロフィーと賞金50万円を獲得。かなり大きなトロフィーですが…。
大誠 「今後、上村さんに邪魔されそうになったら、このトロフィーで追い払います。撃退します」
トミサット 「とんがってるところがいっぱいあるので」
大誠 「僕が持つとちょうどいいサイズ感で。これを武器にして、戦いたいと思います!」
――優勝賞金の使い道は?
大誠 「僕、今住んでいるアパートを『今月末で退去してください』と言われるところまで来てしまっていて」
トミサット 「家賃が払えなかったんです」
大誠 「そうなんですよ。『今が勝負だ』と思ってバイトを辞めたんですけど、ちょっと早すぎました。完全に辞めるタイミングを間違えていて、家賃を滞納してしまったんです。『これ以上払えないなら出て行ってください』の期限がちょうど今月末だったので、この賞金で家を継続できるのは本当にありがたいです。30歳でおうちなくなるのはちょっとヤバすぎるんで(笑)」
トミサット 「僕はまず衣装を買い替えようと思ってます。お尻のところが裂けちゃってるんですよ。あとは後輩とご飯に行きたいです。ここ数カ月、ずっと断り続けてきたんで。後輩を巻いたりしてたんです」
大誠 「用事あるふりして帰ったりしてました(笑)。先輩にお世話になっているぶん、僕らも後輩に飯をおごってあげたいです」
トミサット 「はい。あとは私利私欲に使いたいです」
大誠 「ははは!(笑)。でも一番はそれだからな」
トミサット 「はい。一番はそれです(笑)。豪遊したいです。食べたいもの食べて、必要じゃないものも買って…。そうですね…。あれ、ちょっと頭ふわふわしてます。うれしすぎて(笑)」
大誠 「僕も継続した家で鍋します!」
トミサット 「いいねぇ!!」
「これを皮切りに、いろんな賞レースで結果を残したい」
――次の目標はありますか?
大誠 「普段、僕らはかなりライブに出ていて。ネタは結構やっている方だと思います。そして今日、太田プロの年間チャンピオンという称号も勝ち取ることができたので、このまま“勝ち癖”をつけていけたらいいなと。いろんな賞レースで結果を残せるように頑張りたいです。勝てるようになりたいです」
トミサット 「本当に、これが初めてのタイトルなんです」
大誠 「2位、3位になることは多かったんですよ。『月笑』も2位や3位を取ることができたおかげでクライマックスシリーズにも出場できたんですけど、本当に1位を取ることはできなくて…。バトルライブでも、ずっと最後の優勝発表で崩れ落ちる側だったんです」
トミサット 「負けた時用の小道具をポケットに仕込んでいるくらい、『1位は取れない』というのが板についてきてしまっていました」
大誠 「そうなんですよ。なのでこれを皮切りに、いろんな賞レースで結果を残したいです。来年の『M-1グランプリ』はもちろん、直近だと『ビートたけし杯 お笑い日本一』で決勝に残っているので、まずはそこで勝って。そして『ABCお笑いグランプリ』や『ツギクル芸人グランプリ』にもつなげていけるよう、いいスタートを切りたいです」
――大勢の先輩方もステージに登場されましたが、太田プロで尊敬する先輩はいらっしゃいますか?
大誠 「皆さん尊敬しているんですけど、タイムマシーン3号の関(太)さん、納言の(薄)幸さんには何度もご飯に連れて行ってもらっていて、感謝しています。昨日はさすらいラビーの中田(和伸)さんと一緒に、土田晃之さんに焼き肉に連れて行っていただいたんですが、中田さんに目の前で『センチネルには勝てると思う!』って言われたんですよ! だから今日勝った時『ざまあみろ!』って思いました!(笑)。太田プロの先輩方にはかなりお世話になっているので、これで少しでもいい報告ができるんじゃないかなと思っています」
トミサット 「僕はサルベースの折田(智久)さん、ムカイワンダーランドさん、ロングアイランドの松尾(侑治)さん、ペニーレインの片山(紳之介)さん…」
大誠 「1回その方々を調べる時間が必要になるだろ! 皆さん先輩だからこんなこと言いたくないけど…」
トミサット 「(笑)。本当にお世話になっている先輩なので、いつか恩返ししたいです」
大誠 「そうですね。僕ら、本当にいろんな先輩にかわいがってもらっていて。僕、家がなくなりかけているにもかかわらずこんなに太ってるのは、先輩が飯を食わせてくれるからなんです。太田プロの先輩って本当に面倒見がいいというか、優しい方ばかりなんです。本当にいつも助けていただいているので、尊敬している先輩は、太田プロの先輩全員です」
【プロフィール】
センチネル
大誠とトミサットによるお笑いコンビ。齊藤大誠(1993年11月25日生まれ、埼玉県さいたま市出身)と、富里恵士(1993年4月13日生まれ、東京都出身)により、2020年7月13日に結成。「M-1グランプリ2023」3回戦進出。「深夜のハチミツ」(フジテレビほか)に出演中。
取材・文・撮影/宮下毬菜
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