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小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」2023/12/08

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

 12月8日よりNHK BS・NHK BSプレミアム4Kでスタートする小芝風花さん主演のBS時代劇「あきない世傳 金と銀」。髙田郁氏のベストセラー小説を原作に、さまざまな苦難にぶつかるたびに己の知恵と周りの教えに助けられながら、女衆(おなごし)から御寮さん、そして女主人へと上り詰めていく姿を描く、恋あり、笑いあり、涙ありの人情時代劇。

 武庫郡津門村で生まれた幸(小芝)は、商人が嫌いな学者の父と10歳年上の兄の影響で学問に強く興味を抱いていた。しかし9歳の時に、兄と父が相次いで急死。幸は母と妹を残し大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公にやって来る。商人に良い印象を持っていない幸だったが、番頭の治兵衛(舘ひろし)がでっちたちへ「商売往来」という教材を教え込んでいる姿に強い関心を抱き、聞き耳を立て、いつしか商いのとりこになっていく。

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

 放送に先駆け、主人公・幸を演じた小芝風花さんに作品の魅力や見どころをお聞きしました。

――初めに、台本を読んだ時の感想を教えてください。

「原作は全13巻あって、それをよく8話に、大事な要素をきちんと詰め込んで収められたなと感動しました。ギュッと凝縮されて展開がとても早く、テンポもいいので絶対に飽きないし、見ていたら一瞬で終わるくらい目まぐるしくいろいろな出来事が起こり、毎回続きが見たくなるような終わり方をしています。13巻の原作をすてきにまとめてくださったことに感動しています」

――役作りの苦労はありましたか?

「今回、原作とドラマの幸ではキャラクター性が少し違っていて、先に原作をすべて読んでから台本を読んだので、イメージが原作の幸に固まってしまっていました。原作の幸は表情がコロコロ変わるタイプではなく、言葉を頭の中でたくさん考えてから話すタイプです。ドラマの幸は考えていることが表情に出て、言葉も次々話すので、視聴者の皆さんには感情移入しやすいキャラクターになっていると思います。ただ、私は原作をすべて読んでいるので、ドラマへどう落とし込んでいくのか、だいぶ苦戦しました。リハーサルの時は監督さんやプロデューサーさんと、どこまで原作の要素を入れるのかと、原作とドラマは違うと割り切って作っていっていいんじゃないかと相談して挑みました」

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

――第1話はどんな感じになっているのでしょうか。

「第1話では、子役の永瀬ゆずなちゃんがメインで、私は最後の部分でしか登場していないんですけど、私が演じるのは11歳からの幸で、26歳の私が11歳の幸を演じるのは大丈夫かという不安と、年齢を重ねていかなきゃいけないので幼く役作りをしたいけど、幸の聡明(そうめい)さがなくなっちゃうんじゃないかと感じていました。かといってしっかりし過ぎると年齢的な成長が見えづらくなってしまうので、そのバランスを取るのに苦労しました」

――渡辺大さん演じる五鈴屋の長男・徳兵衛の印象を教えてください。

「長男の徳兵衛は本当にどうしようもない駄目男で、家業も手伝わず、女遊びばかりでお酒を飲んでふらふらしています。ただ、幼い頃に両親を亡くしていて、おばあちゃんがずっと育ててくれていたんですけど、実はお母さん子で甘えん坊な一面があると感じています。体は大きいけど、弟の惣次(加藤シゲアキ)に強く言われるとひるんじゃったり。そういう一面は原作には書かれていないんですけど、すごくお母さん子なのにお母さんが亡くなっちゃって、泣きじゃくっていた子で、それを見たおばあちゃんの富久さん(高島礼子)が甘やかしちゃったんだろうと、一原作ファンとして想像を膨らませています」

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」
小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

――加藤シゲアキさん演じる次男の惣次の魅力はどんなところだと思いましたか?

「惣次はお母さんを亡くして悲しむお兄ちゃんを見て、耐えてきた子なんじゃないかなと思っています。惣次は商いの才能もあって仕事もできる。自分にも商いに関しても厳しく、他人にもそれを求める部分があって周りに怖がられてしまい、人望はあまりありません。でも原作ファンは惣次が好きな人が多いんじゃないかと思う、いいキャラクターになっています。時代柄、男女格差が大きい中でも、最初は幸の商いの才能にほれていたはずなのに、自分が幸に追い越されていくのを感じてプライドが許せない。自分より奥さんがうまくいくのが許せない姿に『惣次(泣)』となることも。でも幸のことが好きだったんだろうという描写がとても描かれていて、惣次の魅力を感じています」

――松本怜生さん演じる末っ子の智蔵はどう描かれているのでしょうか?

「智蔵は商いの才能はなくて、本を書くことが好きな人で、人を思いやる一面があって、惣次と違って人望があります。商いをする上では頼りないところもあるんですけど、自分の夢を諦めて幸を幸せにしたい、支えたいと、自分よりも大切な人を優先できるすごく温かい人です。特に3兄弟が並ぶと、より小柄に感じて一見頼りなく見えるんですけど、怜生くんが持っている周りに愛される感じが智蔵に重なって魅力的になっています。店主だけど偉そうにするわけでもなく、でっちたちに対しても真摯(しんし)に向き合って頭を下げて『よろしく頼む』とお願いできる、そんな魅力があります」

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

――原作の好きなシーンはございますか?

「商いを川に例えて表現しているのがすごく好きで、いろいろな人がつないで、山から下りてきてお客さんという海に流れてくる。お着物でいうと、お蚕さんが糸を作って紡いでくれる人がいて、それを反物にしてくれる人がいる。たくさんの人が携わってくれている商いの川を汚さないよう、汚いことはせず、みんなの努力が無駄にならないよういい役目をしましょうという表現の仕方がとてもすてきだなと感じました」

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」
小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

――最後に作品の見どころを教えてください。

「この時代の『女衆は人の数には入らない』『一生鍋の底を磨いて終わる』という、ものすごく下に見られるセリフがあるんですけど、そんな時代に商いや漢字が気になる、新しい知識を得たいという欲で周りにも認めてもらって、最後は女主人として店を繁盛させて上り詰めていくストーリーは、現代の私たちにも勇気がもらえる作品になっていると思います。そんな幸の姿を見て元気をもらってください」

――ありがとうございました。

第1話 あらすじ

小芝風花が女衆から女主人へと上り詰めていく時代劇「あきない世傳 金と銀」――「毎回続きが見たくなるような終わり方をしています」

 江戸・徳川吉宗の治世。津門村で育った幸(永瀬)は、父と兄を病で亡くし、大坂天満の呉服商「五鈴屋」に女衆として奉公に上がる。番頭の治兵衛は夜になるとでっちたちに「商売往来」を教材に商いを教え込んでいた。好奇心の強い幸は聞き耳を立て、いつしか商いのとりことなっていく。2年後、店主の4代目徳兵衛が、船場の大店(おおだな)の娘・菊栄(朝倉あき)を嫁に迎えるのだが、徳兵衛にはある問題があった…。

【番組情報】

BS時代劇「あきない世傳 金と銀」
12月8日スタート
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
金曜 午後7:30~午後8:15

取材・文/S・A 撮影/蓮尾美智子



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