蒼井優、「ブギウギ」は優しい現場。「趣里ちゃんが収録しているシーンをモニターに向かって応援している」2023/10/20

　10月2日からNHK総合ほかでスタートした連続テレビ小説「ブギウギ」。大正の終わりごろ、大阪の下町にある小さな銭湯の看板娘で、歌って踊るのが大好きな天真らんまんな女の子・花田鈴子が、小学校を卒業し、歌劇団に入団。さまざまな困難に見舞われながらも大スター歌手への階段を駆け上がっていく物語だ。そんなヒロイン・スズ子（趣里）が梅丸少女歌劇団（USK）で憧れている先輩で、劇団を引っ張るトップスター・大和礼子を演じる蒼井優が役柄への思いや作品の見どころを語った。

　本作への出演が決まった際「趣里ちゃんがヒロインに決まったという発表を見て、勝手にうれしくなっていて、まさかその作品に自分が呼んでいただけるなんて」と驚いたという。互いの舞台を見ることはあったものの、趣里とは初共演。「女優としても人としても大好きなので、お声がけいただきうれしかったです」と言うが、出演には悩みも。「出産を経て自分の環境が変わったこともあり、周りの人に迷惑や負担をどれだけかけてしまうのか分からなかったので出演は悩みましたが、それでもいろいろとお話をしてくださって、どうにかなるか！と思い、挑戦しました。母親としてこれが正解なのか分かりませんが、私生活も仕事も『どっちも大変』ではなく『どっちも楽しい』と思いながらやっています」と母となった後も前向きに仕事に取り組んでいる。

　演じる大和礼子について「孤独ではあるけど周りが支えてくれていて、隣には常に橘アオイ（翼和希）がいる。その安心感と孤独感とのバランスが、演じていてとても楽しいです。礼子は静かだけれど意地とプライドがある人だから、周りに何でも話せるわけではないんです。そんな私をいつも橘アオイが真横で見守ってくれています」と役柄を分析。続けて「印象的だったのは、もっと梅丸少女歌劇団（USK）を盛り上げていきたいというところ。周りに弱みを見せられず1人で頑張っちゃうところがあったので、演じていてやっぱり苦しかったです。その後、みんなに自分の気持ちを素直に話すシーンでは、話し終わった時に本当にすごくすっきりしました。ここをみんなと楽しい場所にしたいんだって、初めて頭を下げて謝ることができて気持ちが楽になりました」と撮影を振り返る。

　さらに、「ステージパートでは、本当にOSK日本歌劇団の皆さんに支えていただきました。ステージパートもそれ以外のシーンでも、OSKの皆さんが現場の空気を作ってくださって感謝しかありません。こういう時は体をどう向けるのか、返事はどうするか、号令は誰がかけるのかなど、劇団内の暗黙のルールなどをたくさん教えていただきました。本業は舞台の皆さんですが、ドラマに力を貸してくださって、一緒に楽しんでくださったのが本当にありがたいです」と感謝した。

　また、「大好き」という趣里が演じるヒロインに対して「何か特別な気持ちになりました」と打ち明け、「初めて朝ドラの現場に入らせていただいたのですが、なんでしょう、ヒロインへのこの気持ち（笑）」と笑顔を見せる。「ほかの共演者やスタッフの皆さんも同じ気持ちだと思いますが、ただでさえいとおしい趣里ちゃんがさらにいとおしくなります。お芝居が素晴らしいのは言うまでもないんですけど、今回はさらに歌と踊りがプラスされるから、私の想像もつかないくらい大変な作業だと思います。なので趣里ちゃんがよかったと思える作品になるといいなって思いますし、みんな同じ気持ちだと思います。みんなの大事な娘のようになっています（笑）」とかわいくて仕方がない様子で、「朝ドラヒロインってこういうことなんだなと思いました。趣里ちゃんが収録しているシーンをUSKのみんなで前室で見ながら『頑張れ！』ってモニターに向かって応援してたり（笑）。優しい現場です」と和気あいあいとした撮影を語った。

　最後に、視聴者に向けて「日本の朝に『ブギウギ』があるというのがとてもうれしいと思える作品なので、ご覧になった皆さんに、義理人情や華やかさ、泥くささも含めて楽しんでいただけたらいいなと思います。USKと同じく、『強く、たくましく、泥くさく、そしてあでやかに』という気持ちでやっているので、それが伝わるといいなと思っています。台本を読みながら、自分の出演していないところで感動して泣きました。『愛情とは何か』を見せてくれる作品です。エネルギッシュな仕上がりになっていますので、この現場の温かさや優しさ、前に向かっていくエネルギーを皆さんと一緒に共有できたらと思っています」と呼び掛けた。