朝ドラ「ブギウギ」、ヒロイン・趣里にインタビュー「皆さまと音楽を通じてつながっていけたらと思っています」2023/10/01

　10月2日から放送開始する連続テレビ小説「ブギウギ」（NHK総合ほか）。大正の終わりごろ、大阪の下町の小さな銭湯の看板娘として育った花田鈴子（趣里）は、歌って踊るのが大好きな天真らんまんな女の子。「歌と踊りでみんなを笑顔にしたい」という思いから歌劇団に入団し、抜群の歌唱力で頭角を現していきます。1938（昭和13）年に上京すると、人気作曲家・羽鳥善一（草彅剛）と出会い、人気歌手になっていきます。しかし、戦争が始まると、置かれた状況は一変。鈴子の歌っていた歌は「敵性音楽」となり、舞台での歌や踊りが厳しく制限されてしまいます。数々の苦労や困難を乗り越え、大スター歌手への階段を駆け上がっていく鈴子の物語です。

　そんなヒロイン・鈴子を演じる趣里さんにインタビュー！　花田鈴子のモデルとなった笠置シヅ子さんの魅力や、撮影の裏話についてお伺いしました。

――あらためて、朝ドラが決まった時のお気持ちを聞かせてください！

「決定の連絡が来た時は『まさか』という気持ちだったんですけれど、だんだんと実感が湧いてきました。うれしさと同時に、本当に身の引き締まる思いです。皆さまに楽しんでいただくドラマを届けるために頑張ろうという気持ちで、すてきなスタッフさんと共演者さんに恵まれて、今、撮影が進んでいます」

――ヒロインのモデルとなった笠置シヅ子さんの魅力は、どんなところだと思われますか。

「笠置さんの人生はいろいろなことが起こりますが、それと相反するものすごい明るさとエネルギーで舞台に立っていた方です。その明るさは、今の自分にとってもすごく大切なことだと思います。笠置さんは『前を向いて明るく生きていく、人生は楽しい』ということを音楽を通して教えてくれる気がしています。それを皆さまとも音楽を通じてつながりながら前に進んでいると、撮影しながら日々感じております。それが笠置さんとつながる瞬間でもあったらいいなと感じています」

――“今の自分にとっても大切”とはどういう意味でしょうか？

「やっぱり生きていると、つらいことや困難などいろいろあるじゃないですか。それでも明るく前向きに向かっていくような“朝ドラの良さ”が、今の時代にとっても、自分にとっても必要だなと思っています」

――音楽を担当されている服部隆之さんが「久しぶりにお会いして痩せられた」とおっしゃっていましたが、撮影が始まって心境の変化はありましたか？

「自分では痩せた感じはしないですが、今、ちょうど30歳ぐらいを演じていまして、だんだんと大人になっていっているので、シュッとして見えたらいいなと思っています。楽しいだけではない、いろんなことが鈴子の周りでは起きてくるので、そういったことが出ているのかもしれないです。撮影を通して鈴子も大人になっていて、子どもの頃の真っすぐに明るいエネルギーだけではなくて、地に足を着けて周りをのことを気にするような面も出てくるので、変化は感じています」

――今回、座長という立場ですが、プレッシャーは感じられていますでしょうか。

「演者側だけじゃなくて、毎日いろんなスタッフさんが撮影するためにセットを組んでくれますし、本当に休みなく動いてくださっているのを見て、『私も頑張ろう』と思っています。本当はもっと引っ張っていかなきゃいけないのかなと思うんですけれども、みんなで頑張れたらいいなと。支えてもらってばっかりです。年代が違うシーンを、扮装（ふんそう）を変えて1日で撮影するなど大変な部分もあるんですけど、自分だけではなくて、いろんな方々が走り回っている現場なので、皆さまのパワーをもらって『よし、もう一踏ん張り』という毎日です」

――父・梅吉を演じている柳葉敏郎さんは、「ハードなスケジュールの中、控室でも疲れをみじんも見せない趣里さんと、鈴子の少女時代を演じている澤井（梨丘）さんの作品への情熱を見て、現場のスタッフの『この子たちのためならなんだってやろう』という思いが高まっている。2人の頑張りが作品に出て、画面の中でお二人の笑顔がはじけている」とおっしゃっていましたね。

「お父ちゃんのすてきな言葉に、感動モードに入るところでした。でも逆で、私がすごく支えられてまして、お父ちゃんとのシーンはかなり多いんですけれども、会えるとホッとして、家族なんだなっていうのを感じてありがたかったですね。お母ちゃんのツヤを演じている水川あさみさんも、作中のキャラクターそのままで、とても明るく楽しく撮影を引っ張ってくださいました」

――鈴子の少女時代を演じている澤井さんはもともと趣里さんを尊敬されていたそうですね。澤井さんとのエピソードを教えてください！

「撮影が始まる前に、一緒に日舞の練習をしました。同じ踊りを練習して、お互い頑張ろうねって励まし合っていました！　あとは、先に撮影に入った梨丘ちゃんを見学させていただいて、笑い方を参考にしましたし、お歌が上手で素晴らしい声をしているので、私もレッスン頑張ろうと力をもらっていました」

――歌やダンスはどのように練習されているんですか？

「日々、ボイストレーニングの先生と二人三脚で、普段の呼吸の仕方や発声の仕方から教えていただいています。今回、劇中で歌う曲もたくさんあるので、その都度細かくレッスンしています。だんだんと歌うことが楽しくなってきました！　ダンスも、先生と撮影の合間にお稽古しています」

――今回、ヒロインの方が主題歌を歌うという、朝ドラ史上ほとんどないことだと思いますが、自分の歌が主題歌に使われることへの思いはいかがですか？

「中納良恵さんとさかいゆうさんの歌声を聴いて、とても楽しくレコーディングができたので、それが音楽に乗って皆さんに届けばいいなとは思っています。まだまだ実感はないんですけれど、すごく貴重な経験でした。後にも先にもないことだろうなと思っています」

――笠置さんの楽曲のように、趣里さんにとって元気をもらうことができる歌はありますか？

「イギリスに留学していたこともあって、ビートルズがとても好きでよく聴いています。特にこだわりがあるタイプではないので、気分でいろいろ流しています。でも、音楽の力は本当にものすごいものだと思っていて、テレビや舞台を見ていても、音楽が流れて、ハッと引き込まれるような経験はいっぱいあります。私はバレエをやっていたんですけど、バレエの音楽を聴くだけで情景を思い浮かべて日常から離れられるので、忘れたいことがある時はバレエの音楽を聴いたりもします」

――日本の歌手だといかがですか？

「今はもう、笠置さん1択です。最近は本当にたくさん聴いています。ビブラートの仕方が素晴らしいので研究をしています」

――特にお好きな曲は何ですか？　私は思わず口ずさみたくなるような「買物ブギー」が好きです！

「いいですよね！　ラップみたいな感じで、逆に今っぽいですよね。私が今練習しているのが『ジャングル・ブギー』という激しめの曲で、歌詞が『私はめひょうだ』から始まるんですけど、うまくいくとすごく気持ちよく歌うことができて気に入っています」

――作品を見ていて、大阪の新喜劇みたいなノリを感じたのですが、関西弁はどのように勉強されたのでしょうか。

「方言指導の先生とのレッスンをしました。関西弁が体に染み込んできて、逆に方言指導の先生から『そこの巻き舌はやめよう』とかストップをかけられることもあります。耳はもうすごく関西に寄っていて、東京でナレーションのお仕事をした時に、ちょっと関西弁が出ちゃうくらいの感じまできました。関西弁のイントネーションってすごくすてきで、音楽的な音だと思います。『新喜劇みたい』と言っていただけるとすごくうれしいです。もともとの性格かな（笑）。大阪のご飯屋さんに行くと、隣に座っている方々とすぐお友達みたいに仲良くなれるようなノリがすごく楽しいので、エッセンスを取り入れたいなと思っています」

――鈴子は歌劇団の同期3人の中で自分のアピールポイントにすごく悩んでいたと思うんですが、ご自身のアピールポイントを教えてください！

「『意外と話しやすいね』とよく言われます。クールに見られがちなんですけど実はそんなことなくて、部活のノリみたいに明るい感じなので、ぜひしゃべりかけてください！」

――私は宇野祥平さん演じる謎の男・ゴンベエがすごく気になっているんですけど、“推し”はいらっしゃいますか？

「ゴンベエさんいいですよね。彼については後からいろいろ分かってくるんです。私の推しは、辛島（一平）部長です。安井順平さんが演じられていて、今後出てくるので楽しみにしていてください！」

――ありがとうございました！

【番組情報】

連続テレビ小説「ブギウギ」
10月2日スタート
NHK総合
月曜～土曜　午前8：00～8：15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
月曜〜金曜　午前7：30〜7：45ほか

【プレゼント】

サイン入り生写真を2名様にプレゼント！

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【締切】2023年10月28日（土）正午

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取材・文／Kizuka（NHK担当）　撮影／尾崎篤志　ヘアメーク／伴まどか　スタイリスト／中井綾子（crêpe）