林遣都＆高梨臨＆佐藤隆太がトリプル主演！オリジナルサスペンスドラマ「MALICE」インタビュー2023/09/13

　U-NEXTでは、林遣都さん＆高梨臨さん＆佐藤隆太さんがトリプル主演するドラマ「MALICE（マリス）」を9月14日より独占配信。本作は、ある大学の事務局長が殺害された事件の担当所轄刑事と、殺人の容疑をかけられた女性、そしてスクープを狙う週刊誌記者が、“真犯人”を追い詰めていく、今までにないヒューマンサスペンスドラマ。第1話は「刑事」、第2話は「容疑者」、第3話は「記者」…と、警察、事件関係者、マスコミという三つの視点から事件の裏に潜む「MALICE＝悪意、敵意、恨み」に迫り、真相を暴いていく完全オリジナルストーリーです。

　ここでは、本作の主演を務める、林遣都さん、高梨臨さん、佐藤隆太さんの3ショットインタビューをお届け。本作の見どころや撮影時のエピソード、さらにはそれぞれの役柄の人間らしさについても語っていただきました。

――本作のオファーを受けた時、どんな感想を抱かれましたか？

佐藤　「3人がメインのキャラクターとして登場し、各話1人ずつフォーカスが当たっていく切り口がとても面白いなと思いました。普段の連続ドラマでは1人のメインキャラクターにのみ焦点が当たり続けますが、その周りにいる人間にもフォーカスを当てると、違った角度からの発見や気づきが出てくるので、見ていて納得感もあると思いますし、見応えを感じていただけると思います。僕自身、自分がメインではないエピソードを見るのを楽しみにしています」

林　「約10年ほど前に、森安彩プロデューサーと村上正典監督とご一緒させていただいたことがあり、すごくその現場が好きだったので、企画書を拝見する前からまたご一緒できるのがうれしいなと思っていました。作品テーマもとても魅力的で、さまざまな弱い立場の人に寄り添った作品になっているので、たくさんの方に共感していただけるのではないかなと思っています」

高梨　「作品のテーマを聞き、とても興味深い作品だと思いました。個人的にこれまで挑戦したことのないような役柄だったので、不安もありましたが、ぜひ挑戦したいと思いました。私が演じる谷村夏帆には家庭のコンプレックスがあるのですが、お二人が演じた役柄もそれぞれコンプレックスを抱えています。撮影ではそれを知ることがなかったので、完成した作品を見るのが今から楽しみです」

――撮影現場はどのような雰囲気でしたか？

高梨　「現場はすごく明るくて和やかでした。トリプル主演ということもあり、それぞれのエピソードが充実していて描かれているので、意外と3人で撮影できる機会は少なかったと思います。だからこそ一緒の撮影はとても楽しかったですし、1人の時とは違う現場なのではと思うぐらいギャップがありました。自分自身の表情やお芝居も変わり、その場次第で雰囲気が変わるので面白い現場でした」

林　「僕が印象に残っているのは、森安プロデューサーが3人それぞれのクランクインの時に3回分ごあいさつをしてくださって『しっかりコミュニケーションをとって、健康に気をつけながらクリエーティブを高めましょう』と、現場の指標を掲げてくださったことです。それがスタートになったおかげで、いつもよりも遠慮がなく、いろいろなことを言える現場になったと思います。限られた撮影期間ではありましたが、キャストやスタッフの皆さんと話し合いながら撮影できましたし、隆太さんにも引っ張っていただいたことで、とてもいい雰囲気の現場だったなと思います」

佐藤　「3人で一緒にできるお芝居はそこまで多くなかったので、集まるタイミングをいつも楽しみにしていました。いざ集まると、3人がいろいろな道をたどってやっとまとまれた感覚がありました。撮影をしていない時にも気持ちがいい現場で、楽しい時間を過ごすことができたなと。遣都くんと僕は途中から2人で行動するシーンが増えたのですが、お芝居に真摯（しんし）に向き合っている姿から刺激を受けて、どんどんひかれていきました。お芝居への熱量を経て、距離を縮められたことがうれしかったです」

――それぞれが演じる「刑事」「教師」「記者」という職業には、どのようなイメージをお持ちですか？

林　「本作が自分の職業を考えるきっかけにもなったのですが、刑事をはじめ、教師も記者も立場的に世の中からなくなってはいけない職種だなとあらためて感じました。そういった意味では、俳優という自分たちの職業とは違った側面をたくさん感じることができました」

高梨　「大学講師という側面は、作中でそこまで多く描かれている部分ではありませんが、本作を経て、大学の准教授になるのがどれだけ難しいかを知ることができました。夏帆は女性だからという理由で出世する難しさを感じている役で、男女格差への偏見も持っています。役者という仕事は男性も女性も必要なのでそういった差を感じることはあまりありませんが、男性社会で女性たちが戦っていることについてあらためて考えさせられる作品でした」

佐藤　「（演じる丸山奏太のような）記者は怖いなぁって（笑）。一人一人の記者さんが、その人なりの正義を持ってさまざまなことを追いかけていると思いますが、自分が共感できるものもあれば、怖いなと思ってしまうこともあるので、面白い職業だなと思います」

――それぞれの役柄で“ここは人間らしいな”と思ったところはありますか？

林　「星野尚人のどこか諦めがあり、ふさぎ込んでしまっているところに人間らしさを感じます。作中で描かれてはいませんが、情熱や志を持って警察という道を選んだ彼が、いろいろな物事を見てきた中で理想と現実のギャップを知り、正義感や職業に対する誇りが不必要だと思ってしまうことをたくさん経験したのだと思います。それはどんな立場の職業でもあり得るのではないかなと想像できました」

高梨　「夏帆は、他人を信じられず自分1人だけの力でのし上がってきた人間です。みんな自分のことしか考えていないという冷めた考えを持ちながら、夏帆自身も自分のことしか考えていないことにも気づいています。そんな中で容疑者として世間の目にさらされ、周りの人間に言いたい放題言われてしまう状況に。どれだけの人がニュースを表面だけで理解し、報道の仕方によって手のひらを返したように意見を変えるのか。そんな人間の滑稽さも感じながら演じていました」

佐藤　「丸山は週刊誌の記者で、娘の親権を争っている役柄です。親権を取ることが彼にとっての正義で、一番大事にしていること。同じ父親視点としては、ちょっと詰めが甘いんじゃないかと思うところも度々出てくるのですが（笑）、僕はそういった丸山の人間らしい一面がすごく好きです。みんなそれぞれ得意なこともあれば不得意なこともありますし、誰よりも正義感を持っているとしても、うまくできない不器用な人もいます。そういった完璧ではない彼に対するツッコミどころが、キャラクターを演じるにあたってやりがいを感じられるところでした」

【プロフィール】

林遣都（はやしけんと）
1990年12月6日生まれ。O型。滋賀県出身。主な出演作に、ドラマ「おっさんずラブ」（テレビ朝日系）、NHK連続テレビ小説「スカーレット」、「初恋の悪魔」（日本テレビ系）、日曜劇場「VIVANT」（TBS系）。映画「バッテリー」（2007年）、「わたしをくいとめて」（20年）、「犬部！」「恋する寄生虫」（21年）など。劇場版アニメ映画「アリスとアレスのまぼろし工場」（9月15日公開）のほか、12月1日に「隣人X -疑惑の彼女-」、24年2月9日に「身代わり忠臣蔵」の公開が控える。

高梨臨（たかなしりん）
1988年12月17日生まれ。A型。千葉県出身。主な出演作にNHK連続テレビ小説「花子とアン」、「恋がヘタでも生きてます」（日本テレビ系）、NHK大河ドラマ「西郷どん」、「結婚相手は抽選で」「PICU 小児集中治療室」（ともにフジテレビ系）、日曜劇場「VIVANT」（TBS系）などのドラマに出演。主演映画「ライク・サムワン・イン・ラブ」は第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた。

佐藤隆太（さとうりゅうた）
1980年2月27日生まれ。A型。東京都出身。主な出演作に、「ROOKIES」（TBS系）、NHK連続テレビ小説「スカーレット」、NHK大河ドラマ「どうする家康」、「純愛ディソナンス」（フジテレビ系）、「ノンレムの窓」（日本テレビほか）、映画「今日も嫌がらせ弁当」「コンフィデンスマンJP ロマンス編」（2019年）、「シャイロックの子供たち」（23年）、舞台「エブリ・ブリリアント・シング～ありとあらゆるステキなこと～」などがある。