片山友希、純平を思い続けるリリ子は「変かと聞かれたら、そうだとは言えないと思うんです」――「何曜日に生まれたの」インタビュー2023/09/10
ABCテレビが4月から新設し、日曜午後10時の全国ネット連続ドラマ枠の第2弾として放送中のドラマ「何曜日に生まれたの」。コモリビト(引きこもり)となってしまった主人公・黒目すい(飯豊まりえ)のもとに届いた高校時代の同窓会の招待状をきっかけに、高校の同級生との再会を経て、すいが一歩ずつ人生を歩み始める一方で、引きこもりの原因となったバイク事故の真相にも注目が集まっている。
そのバイク事故の真相が少しずつひもとかれる今夜9月10日放送の第5話、鍵を握るのはすいと同じくサッカー部のマネジャーであり、現在は雨宮純平(YU)の秘書を務めている橋爪リリ子。「10年前のバイク事故の原因は私なの」という告白から衝撃の展開が予想されるが、リリ子を演じる片山友希さんは「トリッキーに見えるけど、演じてみたらそこまでトリッキーではなかった」とその魅力を語る。さらに、撮影現場の裏側や野島伸司さんの脚本の魅力を明かしてくたほか、「実は隠していた」という“意外なお話”を聞くことができた。
――ここまでの撮影の雰囲気はいかがですか?
「現場の雰囲気はすごくいいなと思っていて。同級生チームもみんな20代後半なので、高校生を演じつつもそれぞれの距離感をしっかりと保ちながら仲良くさせていただいている感じです。1人だけめっちゃテンション高い人がいるというわけでもないので、そういう意味では落ち着いてお芝居ができていますし、集中するところは集中して、リラックスするところはリラックスできる、すごくいい現場だと思います」
――撮影で印象的なシーンを教えてください。
「第4話でリリ子が水をかけるシーンがあるのですが、水をかけた時にエキストラの人から『なんなのよあんた!』と言われて。これ、確かセリフではなかったんですよね。エキストラさんのアドリブで、私も(セリフが)返ってくるなら『きゃー!』とかかなと思っていたら、『なんなのよ!』とすごく怒られて(笑)。初めてそんな言葉を言われたので、『怒るのは分かるけど、めちゃくちゃ怒ってるやん…!』と思わず笑ってしまいました。とっさにそのセリフが出てくることが面白いんですよね。そのシーンは(カメラが)引きの時だったので、私が笑っているのはバレていなかったと思うのですが、本編ではもしかしたら使われているかもしれないです。オンエアが気になりますね(笑)」
――演じるリリ子はオーディションを経て決まったと伺いました。オーディションを振り返っていかがですか?
「オーディションでは一部分しか台本をもらっていなかったので、リリ子という役がどういう子か、全く分からなかったんです。『不思議な子です』とだけ説明していただいたので、どう不思議なのかも何も分からない状態でオーディションを受けて、正直実感もなかったです。『やりきったぞ!』という感じもないし、『全然できひんかったな』という気持ちもない。『あっという間にオーディション終わったな(笑)』と思っていました」
――いざ出演が決まった時はどんな心境でしたか?
「めちゃくちゃびっくりしました! 『私はもう落ちた』と思っていたくらいなので、『え、決まったの!?』みたいな、すごく驚いたのを覚えています(笑)」
――リリ子は登場人物の中でも一番情報量が少ないと思ったのですが、その人物像をどのように捉えていますか?
「最初に撮影したのが、双眼鏡で雨宮くんを見ていて、すいと初めてしゃべるシーンだったんです。そこのシーンはオーディションの時もやったのですが、正直『なんかよく分からへんな』と思っていて。台本を読んでも『なるほど』とはならなかったんです。でも実際に現場に入って双眼鏡をのぞいた時に『あ、こういう子っていたよな』とすごくしっくりきて。学生時代にも『ちょっとあの子、変わっているよね』という子は確かにいましたし、もしかしたら私自身がそう思われていたかもしれない。だから、台本で文字だけ読むとすごくトリッキーに見えるけど、実際に演じてみたらそこまでトリッキーではなかった。しっくりくる感覚が私の中でありました」
――「探せば周りにもいそうなタイプ」といった人物なのでしょうか?
「やっぱり10代の時って、みんなそれぞれ感じることが多い時期じゃないですか。それぞれが『なんであんなことをやったんだろう』というものは、絶対に一つはあると思うんです。『何があんなに面白かったのか』『なんであんなに笑っていたのか』『なんであの時すごく怒ったのか』と、“よく分からないその時の感情”というのをみんなそれぞれ持っていて。だから、リリ子は俯瞰(ふかん)で見たらすごく変な子と見られるけど、実際に自分に置き換えた時に(リリ子が)変かと聞かれたら、そうだとは言えないと思うんです。だから、『不思議な子と言われているけど、不思議な子ではない』と、私は思います」
――逆に、あえてリリ子との共通点を挙げるとするならどんなところがありますか?
「自分の意思が強いところは一緒だなと思います。みんなが笑っていても私が面白くないと思えば笑わないですし、いいなと思ったら『いいですね』と言います。嫌だなと思ったら『嫌です』ともハッキリ言うので、そういう部分は一緒だと思います」
――リリ子の意思の強さは、純平への思いにも表れているかと思います。リリ子の純平への思いという部分は、共感できることも多いですか?
「“純平が好き”という部分だけにめちゃくちゃ共感できるというわけではないですが、そういう気持ちもあるだろうなというのはすごく感じました。『これが好き』というのは、誰しもが持っていますからね」
――サッカー部に入部したリリ子が、部室で純平に向かって「あなたの子どもを産みたい」というセリフもありました。あのセリフも片山さんから見て特別なものではないと感じているのでしょうか?
「そうですね。『本当に純平との子どもが欲しかったんだろうな、だから言ったんだろうな』と思うんです。それに対してみんなを驚かせてやろうという気持ちは全くなかったと、私は解釈しています」
――リリ子のキャラクターが描かれている野島さんの脚本に、どのような印象を受けましたか?
「やっぱり人間っていろいろな感情を持っていて、『すごく複雑だな』とあらためて感じました。それこそ、純平のことが好きで『子どもを産みたい』と言うけど人には触られてほしくないという気持ち、全部がイコールではないよなと思っていて。それが矛盾しているのが人間なんだと思いました。人の気持ちって簡単ではなくて、セリフにもある『人間のストレスは9割が対人関係』というのは、台本を読んでいても『あ、そうだろうな』とすごく共感できます」
――先日野島さんに取材させていただいた時(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2422575/)、「一番お気に入りのキャラクターはリリ子だ」とおっしゃっていました。
「本当ですか!? それこそ、最初はオーディションで演じたので、脚本からのリリ子のキャラクターは本当に分からなかったというのが素直な気持ちです。だけど、ちゃんと読めば読むほど『不思議な子やけど、決して不思議な子ではない』と分かってきた気がします。野島さん、なんておっしゃっていたんですか?」
――「そこまで特殊なキャラクターにするつもりはなかったけど、書いていて『これじゃあつまんないよな』と、情景がその場で出来上がっていってスムーズに描けた。一番人間味がある子だ」とお話されていました。
「確かに、『あなたとの子どもが産みたい』と言ったりするのも素直ですよね。自分で言うこともおかしな話なのですが、私も素直さという部分ではきっと一緒かもしれません(笑)」
人一倍テンションが上がる“〇〇愛”、「実は隠している」と語る理由は…
――リリ子の純平に対する思いが人一倍というお話を伺ってきましたが、ご自身が「これを見るとテンションが人一倍上がるもの」を伺えたらと思うのですが…。
「(即答気味に)ダンボです。ディズニーのダンボが私は大好きで、気持ち悪いぐらい好きなので、実は隠しているんです(笑)。私の家に行ったらすごいと思います。物語ももちろん好きなのですが、あのフォルムが大好きで、ダンボを見ると『あー!!!』って、テンションも上がりますね」
――いつ頃からダンボ愛に目覚めたのでしょうか?
「それが覚えていないんですよ。小学生の時にディズニーに行って買ってもらったぬいぐるみがまだ家にあるのですが、その時に買ってもらったということは、その前から好きということじゃないですか。だから、自分がいつから好きなのかは覚えていないんです」
――その愛が今でも続いているのは、すごいことですよね。
「そうですよ! 母はダンボのハンカチを見たらちゃんと買っておいてくれて、私が実家に帰った時に『友希、はい』と渡してくれるんです。『なんやろ?』と思ってみたらダンボだったということが2回ぐらいありましたね(笑)。それはしっかり受け取っているのですが、かわいすぎて基本的には使えない。だから、小学生の時に買ってもらったハンカチもまだ奇麗な状態でありますし、使い終わったダンボのメモ帳の表紙も捨てられない。お姉ちゃんが韓国に行った時にも、韓国のダイソーがディズニーにかなり力を入れていて、ダンボのグッズもすごくたくさんあったみたいで、お土産はダンボのシールにノート、カードケース、スリッパ、全部ダンボでした(笑)。でも、それが一番うれしいです」
――ダンボ愛の強さが伝わってきたのですが、これだけ愛が強いのに公言はされていないことにもびっくりしました(笑)。
「そうなんです、『気持ち悪い!』と思われるので(笑)。でも、かわいいものはもともと好きなんですよ。サザエさんとかオサムグッズとか、かわいいキャラクターがすごく好きで、この間も雑誌で『あなたの好きな街を教えてください』ということで、桜新町のサザエさん通りに行きました。すごく楽しかったですね」
――今週放送の第5話ではリリ子の一言から物語が大きく動き始めます。今後の見どころを最後に教えてください。
「リリ子の注目ポイントとしては、私自身、リリ子を『変な子ですよ』と思いながらお芝居をしたくなくて、『こういう人もいるよね』というぐらいスッと皆さんの心の中に入っていけたらいいなと思いながらお芝居をしています。なので、『あ、こういう子いたよね』と思ってもらえたらそれが一番だと思っています。『変な子』と思われるのではなくて、『変な子だけどこういう子もいる』と思ってほしいですね。このドラマを通じて、やっぱり人間は多面性の生き物だなと思ったので。今こうやってお話させていただいている私と、親の前での私が全然違うように、登場人物それぞれがいろいろな面を持っていると思うので、そういう部分は今後も見ていて面白いのではないのかと思います」
【プロフィール】
片山友希(かたやま ゆき)
1996年12月9日生まれ。京都府出身。主な出演作にドラマ「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」(日本テレビ系)、「トモダチゲームR4」(テレビ朝日系)、「拾われた男 Lost Man Found」(NHK BSプレミアム)、映画「茜色に焼かれる」「あの頃。」(ともに2021年)、「フタリノセカイ」(22年)、「一秒先の彼」(23年)など。10月2日よりスタートのNHK連続テレビ小説「ブギウギ」への出演を控える。
【番組情報】
「何曜日に生まれたの」
テレビ朝日系
日曜 午後10:00〜10:54
※放送終了後、TVer、ABEMAで最新話を見逃し配信
※TELASA、U-NEXTでは全話見逃し配信
配信限定スピンオフドラマ「10年前の放課後」
TVer、ABEMAにて公開
「10年前の放課後~拳と拳の戦い~」
「10年前の放課後~私のこと、どう思ってる?~」
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
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【締切】2023年10月7日(土)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当)
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