「ノッキンオン・ロックドドア」摩訶不思議な依頼が迎えた意外な結末――そこから倒理が伝えた“普通であること”の強みとは2023/09/01

　テレビ朝日系で放送中のドラマ「ノッキンオン・ロックドドア」。SixTONES・松村北斗さんとなにわ男子・西畑大吾さんがダブル主演を務める本格ミステリー作品は、第5話で“人捜し”というひょんな依頼からさまざまな展開が起こったが、その依頼は意外な結末を迎えた。

　女子高校生・高橋優花（藤野涼子）から届いた“人捜し”の依頼。御殿場倒理（松村）と片無氷雨（西畑）のダブル探偵は「合図を送って地下通路に入ったまま一切連絡が取れなくなった」という、その人物＝潮路岬が消えた理由もトリックも一切見えてこない依頼内容に、これまで以上の苦戦を強いられた。しかし、ついに倒理が見つけた“あるトリックの仕掛け”から、ついに岬を見つけ出す。それは岬の正体が、“依頼をしてきた優花だった”というものだった。

　話を聞いていくと、岬が今回の行動を起こした“動機”は「潮路岬について詳しく周囲に話を聞いてもらうこと」「周りの人間の正直な評価が気になる」という、周りの評価や視線が気になる高校生特有のシンプルな悩みが隠されていた。「誰の印象にも残らない」と悲しい顔をする岬、そんな彼女に倒理が伝えたメッセージは、第5話でも特に印象的だった。

「人生は何が起きるか分からない。予測なんてできない。どうしてかって？　状況によって人は誰しもさまざまな役割を求められる。いじられ役、マスコット役、数合わせ…自ら演じたりもする。でもそれがその人間のすべてではない。決めつけることなんてできない。人間そのものが、カテゴライズできない生き物なんだよ。本当の人間なんてのは気付いてくれる人間が少なければ少ないほどいい。前に君は、俺のことを自然体だと言った。でもこう見えて人の目を気にする。そして、そのことを知るのはごく少数だ」

　この1分弱におよぶ倒理の言葉には「ここのシーンめっちゃよかったな…」「倒理が語るからこそ説得力がある」「心に刺さった」と、多くの視聴者から共感の声が多く上がった。傍若無人で人のことよりもまずトリックの解明を優先する倒理が、「普通だと言われた君は、俺たちにとっては普通じゃない。ものすごく迷惑でものすごく変なやつ。俺たちは一生忘れないだろうな」と最後まで口にするだけあって、探偵である以前に“人”を見極めて向かい合っていること、そしてその裏にはいろいろな感情を抱えている倒理のキャラクターが垣間見えた、非常に大事な回だったと感じる。

次回は、原作者も脚本家もキャストからも人気の“10円玉を巡る推理合戦”

　9月2日放送・第6話では、家政婦アルバイトの女子高生・薬師寺薬子（畑芽育）が口にした「10円玉が少なすぎる。あと5枚は必要だ」という言葉から物語が動き出す。薬子によれば、登校中にすれ違った会社員風の男性が、スマートフォンで通話中の相手に言っていた会話を聞き、朝からずっと引っかかっていたのだという。この話を聞いた倒理は、ちょうど電話がつながっていた張り込み継続中の氷雨、そして事務所にいた薬子や警視庁捜査一課の刑事・穿地決（石橋静河）、仲介屋の神保飄吉（角田晃広）も交えて大掛かりな謎解きを始めることに。この何げなく始めた推理合戦はやがて、“とんでもない事態”に向かって加速していく。

　この10円玉が鍵を握るお話、原作を手掛ける青崎優吾さんが自身のX（Twitter）で「次回は『十円玉が少なすぎる』というタイトルの密室劇です。脚本家さんとお話した時も『十円玉の回が楽しみで…』とおっしゃっていて、監督さんとお話した時も『十円玉を撮るのが楽しみで…』とおっしゃっていました。お楽しみに」という内容をポストしている（https://twitter.com/aosakiyugo/status/1695444510598398350?s=12&t=hdaT01qxR4cbcBjhH97g9Q）。さらに、この話の起点にもなる薬子を演じている畑さんも「楽しみです！」とInstagramのストーリーでコメントを上げるなど、「ノキドア」チーム全体が注目している回ということで、期待が高まるばかりだ。原作を全く読んでいない筆者としても、10円玉の推理から30分でどんな展開が起こるのか、リアルタイムで見届けたい。

【番組情報】

オシドラサタデー「ノッキンオン・ロックドドア」　
テレビ朝日系　
土曜　午後11：00〜11：30　
※放送終了後、TVer（https://tver.jp/series/srlxv6mww1)で最新話を見逃し配信。
※TELASA（https://www.telasa.jp/series/13629）では、全話独占配信中。

テレビ朝日担当　S・H