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映画「尾かしら付き。」、小西詠斗の不器用な恋物語に木村昴がキュンキュン!? 「隣の家から告白を聞いていたかったな」2023/08/17

　佐原ミズの人気漫画「尾かしら付き。」（コアミックス刊）の実写映画が、8月18日に上映されます。本作は、お尻に豚のような“しっぽ”が生えている少年・宇津見快成（小西詠斗／大人になった快成・佐野岳）と、そんな彼をもっと知りたいと思い、寄り添おうとする少女・樋山那智（大平采佳／大人になった那智・武田梨奈）が出会い、傷つきながらも心を通わせ合う、切なくいとおしい愛を描いた物語です。

　TVガイドWEBでは、しっぽが生えている少年・快成を演じた小西詠斗さんと、快成・那智それぞれの相談相手となり、2人の後押しをする日焼けサロンの店員・葛城楓太を演じた木村昴さんを直撃！　撮影時のエピソードや、出来上がった作品を見てキュンキュンした場面を伺いました。

――まず、原作漫画を読んだ感想を教えていただけますか？

木村　「全体を通して優しい雰囲気で描かれていて、温かなメッセージが印象的でした。すごく読みやすくて、キャラクターの特徴もはっきり描かれているので、感情移入しやすかったです。取り扱っている題材は、一歩間違えると重たい内容になってしまいそうでもありますが、本当に絶妙なあんばいで程よく感情移入できて、考えさせられるようなタッチが印象的でしたね。読み終わった後に『この物語を読めてよかったな』という心持ちになったのを覚えています」

小西　「キュンキュンしました。快成はしっぽで悩んでいるんですけど、自分の学生時代と照らし合わせて、悩んでいたことや悩み方、周りにバレないようにする快成の気持ちに共感しました。周囲にからかわれたら恥ずかしくて逃げちゃうようなことなど、学生ならではの不器用な恋愛だなと思いました」

――小西さんは、成人して大人になった快成役の佐野岳さんと何かお話しましたか？

小西　「一緒に映っているシーンはないんですけど、撮影がない日にも佐野さんが現場に来てくださいました。すごく気さくな方で話しやすくて、やっぱり同じ役がいるのはとても心強かったです。台本を一緒に読んで役について話した時に、そのセリフに書いてあること以外の行間だったり、シーンが変わっているその間に起きたことだったり、快成がどう思っているのか、何をしているのかなど、セリフではないところとかも佐野さんが考えられていて。そこについて話し合ったことで、僕も役がすごく深まりました。2人で一緒に作り上げた役になったと思います！」

――続いて、ご自身が演じた役についての印象を教えてください！

木村　「楓太は日焼けサロンに勤めるフリーターなんですけど、僕はとってもすてきな役だなと思っています。というのも、後先考えずに、頭で考えるよりも口が先に出ちゃうようなタイプで、はっきりものを言ってくれるんです。ちょっと頭が弱いところとかも愛くるしいじゃないですか。考えちゃって言えないこともスパッと言えたり、ちょっとアホっぽいんだけど、天真らんまんな感じが憎めないです。僕は演じていてすごくやりがいがあって、楽しかった役だなと思いました。楓太みたいな人が自分たちの輪の中に1人いると考え過ぎずに済むし、救われますよね。自分がネガティブになっちゃう時に『いやいや、考え過ぎだべ』と言ってくれるような感じがすごく魅力的です。あと、映画のメインビジュアルで、みんなシーンの切り抜きなのに、楓太だけカメラ目線で宣材写真みたいなのが面白くて気に入っています」

小西　「快成はしっぽがあることに悩んでいるんですけど、ものは違えどコンプレックスは僕にもあるので、すごく共感できるなと思いました。那智みたいな人が現れて『しっぽを含めて、宇津見くんだよ』と言ってくれるような存在がいるのは本当にうらやましいです」

――快成と小西さんは、性格など違う部分が多いですか？

小西　「いや…自分も周りばかり気にして生きていたので、似ている部分が多いなと思いました。殻に閉じこもって隠し続けて、何もしないと何も始まらないし、変わらないんだなと快成を見ていてあらためて感じました」

――那智を演じた大平采佳さんの印象はいかがでしたか？

木村　「大平ちゃんは、もぎたてフレッシュ！　デビュー作に携われたことがすごく貴重で、光栄です。最初は右も左も分からない感じで、めちゃめちゃ緊張されていたのも伝わってきましたけど、吸収もすごく早くて、どんどん成長していくところも目の当たりにしました。今日、約10カ月ぶりにお目にかかったんですけど、すっかり女優さんオーラを放つようになっていて、これからが楽しみだなと思いました。お芝居もとってもピュアで、すごくナチュラルなのが好印象でよかったです」

小西　「大平ちゃんは最初すごく緊張していたので、僕もうつって一緒に緊張しちゃったんです。でも、すごく真っすぐにお芝居を投げかけてくれるので、僕も那智が快成を引っ張るみたいに、自然と役として引っ張ってもらいました。時折、お芝居で『もう1回やらせてください』と悔しがっている姿を見ると、那智みたいに強い女の子なんだなと思いましたね。でも、プライベートとかの話を聞くとまだまだ元気な高校生で、かわいらしかったです」

――撮影中のエピソードや雰囲気も教えていただけますか。

小西　「撮影中に台風が2回来ました」

木村　「台風の中で撮影したわけじゃないでしょ？」

小西　「雨がやんだ瞬間を狙って撮っていました。台風が二つも来て…本当に天候には恵まれなかったですね」

木村　「あー、雨待ちはあったかも。なにせ、外でやっているので」

――天気は、仕方ないですよね。

小西　「雨がやんで『今だ！』って、みんなで機材とか準備した瞬間に、雨がザーって降ってきちゃうというくだりが何回もありまして、結構大変でしたね。走って那智の家に行くシーンも雨がすごく大変で、なかなかやんでくれなくて。ちゃんと息を切らしているシーンにしたかったので、めちゃくちゃ遠くからダッシュしたんですけど…使われなかったですね（笑）」

――そうだったんですね。

木村　「僕が印象的だったのは、日焼けサロンの店の前でのシーンを集中して撮っていた日のお昼ご飯が、商店街にある中華料理屋さんで、そこにスタッフさんとキャストみんなで行って2階に上がったら、すごく雰囲気のいい店内で」

小西　「広かったですね。回転するテーブルもありましたね」

木村　「そこでみんなで中華料理を食べたのがすごく印象的だったの！」

――いいですね！

木村　「その日が中華だって全然知らなかったから、でかいおにぎりの差し入れしちゃって、中華を食べている横で、みんな僕のおにぎりも食べていました」

小西　「僕も食べました（笑）」

木村　「『すいません、こんな日におにぎり入れちゃってー』って」

――自分の役を演じる上での苦労や、工夫したことはありますか？

木村　「日焼けサロンで働いている役なので、こんがりした色を出すのに全身ファンデーションを塗るため、メークにめっちゃ時間がかかったことですね。手から足、すねまでこんがりメークになりました」

――撮影が昨年の9、10月頃だったということは、汗をかいてファンデーションが落ちてしまいますよね。

木村　「めっちゃありますよ。何度も何度も繰り返し塗っていましたね」

小西　「僕は中学生の役だったのですが、撮影当時22歳だったので、それはもう大変でしたよ。『僕、中学生になれているのかな？』って毎回思っていました。監督たちにいろいろ聞きながら、視線でのお芝居や、中学生っぽい感じを頑張って表現しようとしていました」

木村　「できてたよ！」

――では、印象に残っているシーンを教えてください！

木村　「いっぱいあるけど、完成した映像を見てキューってなって、2、3回巻き戻して見たのは、まさにメインビジュアルのシーンです。快成が那智に滑り台の上で初めてしっぽを見せた時の、那智の『ほおお』って驚いている顔がかわいかったんですよね。その後、見せてしまったことに、えも言われぬ気持ちになっている快成に『かわいいよ。かわいい、宇津見くんのしっぽ』と言って、快成を追いかけまわす那智の“かわいいよ連呼”がめっちゃかわいかったです」

小西　「確かに！　かわいかったです」

――小西さんはどうですか？

小西　「僕はさっきも言った、快成が走って那智の家に行くシーンが結構好きです。『頑張れ～』って応援したくなります」

木村　「ベランダのシーンね、あんなのロミジュリやん！」

小西　「あそこ好きですね」

木村　「隣の家から聞いていたかったな。キュンとしましたね」

――もし自分にしっぽが生えていたら、どういうものが欲しいですか？

木村　「本当に余計なお世話だと思うんだけど、見ていてふと思ったのは、快成のしっぽって、くるっとしているのが目立ちそうだよね。ズボンの後ろがもっこりしちゃうんだろうなって思ったから、もししっぽが生えるんだったら、なるべくストレートがいいかな（笑）」

――小西さんは、もし生えていたら隠しますか？

小西　「テレビに出ますね。悩むぐらいなら、武器にしたいですね！」

木村　「しっぽ系YouTuberとか（笑）」

――前向きですてきですね。最後に、皆さまへのメッセージをお願いします！

木村　「一度触れてみてほしいなと。きっとご満足いただけると思いますし、温かいメッセージがたくさん詰まっている映画なので、それを受け取ってもらえればうれしいです。ご期待いただいて構わないと思います」

小西　「たくさんキュンキュンしてもらって、そして学生時代の不器用な恋愛を思い出し、共感してもらいながら見ることができるシーンが盛りだくさんになっています。楽しく見てもらって、そして帰る時には何か一つ心に残っているような、前向きになれる作品だと思っています。ぜひぜひ劇場で見ていただけると、われわれ一同とてもうれしいです」

――ありがとうございました！

取材／S・A　文／Kizuka　撮影／蓮尾美智子

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