お笑いコンビ・レインボー「THE CONTEへの道」優勝! 劇場のカリスマだったニューヨーク、学生時代から憧れたロッチと共演の舞台へ【ロングインタビュー】2023/07/29
7月29日放送の特番「土曜プレミアム『THE CONTE』」(フジテレビ系)。日本を代表するコント師たちが集結し、今“最も自信のあるコント”を披露し合うバラエティー番組です。
昨年8月、今年1月の放送に続き、第3弾となる今回は、16組のコント師が登場。そのうちの1組としてこのゴールデンタイムの放送に出演できる権利を手にしたのが、吉本興業所属のお笑いコンビ・レインボー。6月25日に東京・よしもと有楽町シアターで開催された「THE CONTEへの道」で爆笑の渦を巻き起こし、観客投票では堂々の1位に。見事、夢舞台への切符をつかみ取りました(その模様は、本日7月29日午後3:30からの「THE CONTEへの道」で放送)。
男女のいざこざや、付き合う前の駆け引き、一癖ある恋愛模様などを演じ切るコントを武器に、存在感を増す2人。2020年1月1日から毎日更新しているYouTube「レインボーコントチャンネル」は、登録者数100万人目前(23年7月29日現在)。結成8年目で大きなチャンスをつかんだジャンボたかおさん、池田直人さんのお二人を「THE CONTE」本編収録直後に直撃し、感想をお聞きしました。
「このネタが好き」「今、やりたいネタ」でつかんだ優勝
――「THE CONTEへの道」優勝おめでとうございます!
池田 「ありがとうございます。めっちゃうれしかったです!!」
ジャンボ 「子どもの時から、TVガイドさんにはお世話になってます」
――手応えはありましたか?
ジャンボ 「予選は18組中4番手だったんですけど、僕らは出番の後にすぐ別のライブに出る予定があったので、飛び出しで出なきゃいけなかったんですよ。なので正直『ここからどんどん盛り上がっていくんだろうな』『どうせ無理か…』って、結構落ち込んでいました。でもライブに出たら楽しいから、その落ち込んでた気持ちも忘れて。その後、マネジャーに『結果どうだった?』って聞いたら、マネジャーがちょっと猿芝居を打ったんですよ。『いや~、私も途中で抜けちゃったんで…』『すぐスタッフに連絡しますね』みたいな。東京藝術大学卒業なんで、なんか芝居を打ち始めて」
池田 「(笑)」
ジャンボ 「それ見て『そっか、ダメか~』って。だから池田とは特に予選について話すこともなく」
池田 「楽屋では、別の芸人のゴシップとか話してました(笑)」
ジャンボ 「ネイチャーバーガーの笹本(はやて)と3人でいつも通りしゃべってたら、急に『スタッフさんいらっしゃったみたい』と。そこで『優勝です!』と結果を伝えてもらいました」
池田 「3人でいつもの楽屋のノリをやってたんですけど、スタッフさんが突然入ってきて、『優勝です!』と。『えっ!? マジで!?』って、コンビで2回ハイタッチしました。うれしかったです! さっきその瞬間の映像見たんですけど、僕からまずハイタッチ求めて、その後ジャンボからハイタッチ求めてて。お互いハイタッチ求め合うみたいになってて、なんかちょっと気持ち悪かったです(笑)」
――収録では、MCの東京03さんやかまいたちさんの前でコントを披露。本番の収録を終えた、今の率直なお気持ちを教えてください。
ジャンボ 「僕たちのネタが終わってすぐ、山内(健司)さんが『めちゃくちゃおもろいコントやったな』って言ってくださったのがうれしくて!! ただネタの後、すぐに舞台を降りてアナウンサーの方からのインタビューに応じるという流れだったんです。僕ら芸人って、先輩方が何て言ってくださるかを聞くのが本当に一番の楽しみなんですけど、そのインタビューも同時にあって。ちらっと東京03さんとかまいたちさんの表情を見たらめっちゃ楽しそうに話してくださっていたので、『うわ、マジで聞きたい!!』と思ってしまって、インタビュー中だったんですけど、ちょっとだけ聞いちゃいました。『それどころじゃない!』って。すみません(笑)」
池田 「すみません、ジャンボが(笑)。僕は最初は我慢してたんですけど、やっぱり途中から聞きたくなっちゃいました。インタビュー、ちょっとサボっちゃってたかもしれません(笑)。ごめんなさい」
――収録を拝見したのですが、東京03さんもかまいたちさんも絶賛でした。
池田 「(かみ締めて)うれしい…」
ジャンボ 「めちゃめちゃうれしかったです、褒めていただいて…!」
――レインボーさんといえば池田さんが女の子役をするコントが多いイメージがある中、今回は女装ではないネタを披露されました。
ジャンボ 「池田って本当に器用なんで、何でもできるんですよ。池田のこのキャラ、僕は一番好きなんです。YouTubeのコントにも何度か登場しているんですけど、僕、池田とけんかした時、夜にこのコントを見るんですよ。池田がこの役やってるのがかわいいから、それでなんか許せるんですよね。とにかくかわいくて、憎めなくなるんです」
池田 「YouTubeでコントをやっていく中で、何度か登場させたキャラクターなんです。それによってどんどん完成していったキャラクターですね」
ジャンボ 「だからぜひ視聴者の皆さん、そしてTVガイドをご覧の皆さんには、YouTubeで池田のこのキャラが出てくるコントを見ていただきたいです! YouTubeに12本くらいありますので、ぜひ探してみてください」
池田 「だんだん格好も変わって、眼鏡も変わっていってますので」
――現在1700本以上の動画がアップされていますが、このキャラは12本くらいなんですね(笑)。
池田 「そうなんですよ(笑)」
――セリフも多く、テンポの速いコントですが、仕上げていくのは大変でしたか?
池田 「吉本の劇場にたくさん立たせていただく中で、何度もお客さんの前でやってきたコントなんです。やっていくにつれて、どんどんボケも足されていきました」
ジャンボ 「吉本さんに足向けて寝れないですよ~」
池田 「(笑)。全劇場で1回ずつはやってると思います」
ジャンボ 「今日も、全く練習はしていなくて。本番前も特に練習することはなかったです」
――お二人の持ち味として、どちらかが女の子役をするコントや恋愛のコントは欠かせないと思います。そんな中、このネタに決めた理由を教えてください。
ジャンボ 「本当に、『今、このネタが好きだから』というのが理由です。池田も僕も好きなネタですし、特に僕がこのキャラクターが好きなんです。自分たちの女装のネタ、男女のネタもめっちゃ好きなんですけど、一番の理由は『このネタが好きだから』です」
池田 「『今、やりたいネタだったから』。これに尽きるかなと思います」
――お二人ともが好きなネタ、やりたいネタをして、優勝というのは素晴らしいですね。
ジャンボ・池田 「本当にうれしいです」
ジャンボ 「4番手で優勝できるとは思わなかったです」
池田 「ゴールデンタイムの番組に出演できるというのも本当にうれしいです。セットも豪華やし、全然違いました。セットの華やかさを見て、あらためてすごいなって感じました。それこそ、今日収録したスタジオが『THE SECOND~漫才トーナメント~』(同系)の決勝と同じスタジオやったりして、いっそう気合も入りました」
――有楽町シアターで開催された「THE CONTEへの道」も拝見したのですが、今日の「THE CONTE」の収録では小道具もすごく豪華になっていて、驚きました。
池田 「びっくりしました!!」
ジャンボ 「小道具がありすぎて、最初見た時は何のセットか分からなかったです(笑)。物がありすぎて、『何だこれ!?』って」
池田 「レジだけでずっとやってたんですけど、予選から本選に勝ち上がると、電子マネーのタッチパネルが増えてました!」
劇場のカリスマだったニューヨーク、学生時代から憧れたロッチと共演
――今回出演されている方々で、憧れの方や、追いつきたい方を挙げるならどなたになりますか?
ジャンボ 「本当に皆さんなんですけど…。特に僕は、ニューヨークさんです。僕らが1年目の頃って、ニューヨークさんが劇場の超スーパーカリスマ時代だったんです。池ちゃんと『やっぱりネタが一番面白いのはニューヨークさんだよな』って話もしたりしていました。圧っっっっっ倒的にずっと一番面白かったんですよ。そんなニューヨークさんと同じネタ番組に出るのも初めてだから、本当にうれしいです」
池田 「僕は『爆笑レッドカーペット』(同系)がもうド世代なので、やっぱりロッチさんとご一緒できたのはうれしかったです。大阪にいた高校生の頃、『ロッチさんが無料でやってるらしいぞ』って聞きつけて、友達とロッチさんの営業を見に行ったりしてたんです」
――YouTube「レインボーコントチャンネル」は登録者数100万人目前。自身の勢いを感じることはありますか?
ジャンボ 「本当に売れてなくて。僕らの先輩のコットンさんが、今年の上半期のテレビ番組出演本数が138本だったんです。それを聞いて、『俺らの上半期、コンビでテレビ出たのって10本くらいじゃない?』なんて池ちゃんと話したりもしました。だからこういう一つ一つのきっかけはめっちゃうれしいです。『THE CONTEへの道』で優勝した時、超うれしかったんです」
池田 「『いけるかな?』って思ったら『い、いけへんのかい…』っていうのを、僕らは何度も経験してきました」
ジャンボ 「(“売れている”という感覚は)1ミリもないです。本当に、1ミリもないんです。この前も2人でやっている生配信で、池田に相談しました。『同世代が5人くらいテレビに出てたら、嫉妬で消しちゃう』って。そんな話もしてしまいますね」
――昨年6月開催の単独ライブに向けての取材(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1574349/)では、今後の目標として“レインボー3本柱”を掲げていると話していただきました。そのうちの一つに「2人でラジオをやりたい」という目標がありましたが、今年の1月には「レインボーのオールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送)が実現。あらためて、感想をお聞かせください。
池田 「めっちゃうれしかったです!!」
ジャンボ 「もう夢のようでした。初めてトレンド1位になったんですよ。池田くんなんてねぇ、ほら」
池田 「僕、ラジオの生放送が終わって、牛丼屋でビールと牛皿で1人で乾杯しました(笑)。その間、Twitterでずっとエゴサして。それが楽しくて楽しくて」
ジャンボ 「僕、池田のこのエピソードすごく好きなんですけど、当時もどこかで池田がこの話をしてたんですよ。そしたらそれが記事になったんですけど、牛丼屋というのが俺っぽすぎたのか、池田じゃなくて俺のエピソードとして書かれてました」
池田 「(笑)。ジャンボも同じようなことしてたやろうしな(笑)」
――何度も打ち合わせを重ねて、オンエアに臨んだそうですね。
池田 「打ち合わせはめちゃくちゃやりました! 実はあのラジオの数日前まで、ジャンボが体調不良で休んでたんです。『これ間に合わへんかったらホンマどうしよう』って心配でした」
ジャンボ 「そうそうそう! でも僕、寝込んでたんですけど、(苦しそうな声で)『ラジオだけは間に合わすから』ってちゃんと池田にLINEして」
池田 「めっちゃ怖かったです(笑)。2人で『オールナイトニッポン0』ができて本当にうれしかったので、またラジオやりたいです」
――「キングオブコント」も始まります。今年の決意を聞かせていただけますか。
ジャンボ 「結局『キングオブコント』で決勝いかないと、また同じ1年な気がするんです。『また俺、同世代がテレビ出てたら消す1年間なのか…』って。もう嫌ですよ、こんなの~~~!!!!! 本当に、『キングオブコント』次第だなって思ってます」
池田 「それこそ今年の頭に念願のラジオができて。ラジオ始まりやったんで、いい1年になりそうやなって話は2人でしていたんです。それに、今年の春にジャンボが喉のへんとう腺を取る手術をしたんですよ。手術を終えて退院したら、ジャンボがまた明るくなって帰ってきたんです。『今年、俺いける気がする! へんとう腺ともさらばしたしさ!』って」
ジャンボ 「そんなこと言ってたっけ?」
池田 「配信中にも言ってたよ。しかもジャンボがへんとう腺の手術を受けている時、僕、カジノ行って20万勝ったんです。なので『いけるんちゃう!? 今年は!!』って思ってます(笑)。去年のジャンボは、2カ月休んでたんです」
ジャンボ 「そうなんですよ。3回入院しました」
池田 「去年の僕らは10カ月しかなかったけど、『今年の僕らは12カ月あるんだぞ!』という思いです!!」
――最後に、あらためて今回「THE CONTE」で披露するネタの見どころをお願いします。
ジャンボ 「とにかく、こいつ(池田)のかわいらしさ。こういうちょっと変だけど、掘ってみたらかわいらしい人って、皆さんの身近にもいらっしゃると思うんです。悪い人なんていないというのを、僕たちのコントを見て分かっていただけたらなと思います」
池田 「あとはジャンボの心情を吐露するツッコミ。心の内を大きな声で叫ぶという、魂の込もったツッコミを見てほしいなと思います!」
【プロフィール】
レインボー
ジャンボたかお(1989年6月25日生まれ、千葉県千葉市出身)と、池田直人(1993年9月19日生まれ、大阪府吹田市出身)が、ともに東京NSC18期生として入学。それぞれのコンビの解散を経て、2016年に「レインボー」を結成。18年、「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)内の企画「おもしろ荘」で優勝。「千鳥のクセがスゴいネタGP」(フジテレビ系)で2年5カ月、全33話にわたり披露した「ひやまとみゆき」が話題に。20年1月1日より、YouTube「レインボーコントチャンネル」で毎日新作コントを更新中。
【番組情報】
「THE CONTEへの道」
フジテレビほか
7月29日 土曜 午後3:30~5:00
MC:あべこうじ、小室瑛莉子(フジテレビアナウンサー)
出場芸人(結成8年目以内):えびしゃ、おーしゃんず、カーステレオミュージック、cacao、四天王、Gパンパンダ、11月のリサ、センチネル、タニャロー、チェリー大作戦、ツンツクツン万博、ハイツ友の会、バローズ、プール、骨付きバナナ、ママタルト、モシモシ、レインボー
「土曜プレミアム『THE CONTE』」
フジテレビ系
7月29日 土曜 午後9:00~11:10
MC:東京03、かまいたち
出演者:青色1号、Aマッソ、かが屋、空気階段、さらば青春の光、ジャルジャル、チョコレートプラネット、ニューヨーク、ハナコ、ライス、ラバーガール、レインボー、ロッチ、ロングコートダディ
取材・文・撮影/宮下毬菜(フジテレビ担当)
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