【「アラクオ」リレーインタビュー最終回】佐藤大樹を支える“先輩”・TAKAHIROや“戦友”・FANTASTICSのメンバーの存在、作品に懸ける思いを語る2023/07/09
EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹さんが地上波連続ドラマ単独初主演を務める新ドラマ「around1/4(アラウンドクォーター)」(ABCテレビ・テレビ朝日ほか)。かつてのアルバイト仲間だった新田康祐(佐藤)、平田早苗(美山加恋)、橋本明日美(工藤遥)、横山直己(松岡広大)、宮下一真(曽田陵介)ら5人が、アラサー前の25歳=アラクオを迎える中、それぞれが直面する“25歳の壁”、そして“恋の分岐点”にフォーカスを当て、人生と恋に悩み傷つき過ちを繰り返しながらも自分なりの乗り越え方を見つけていく姿を、等身大のキャラクターとリアルなセリフとともにみずみずしく描いていく。
TVガイドWebでは、クランクイン前に敢行したドラマ「アラクオ」(「around1/4(アラウンドクォーター)」)を彩るメインキャスト5人のリレーインタビューを公開中。最終回は、一見明るくてノリのいい人物に見えるものの、実は25歳の惑いの真っただ中にいる広告代理店営業マンである主人公・新田康祐を演じる佐藤大樹さんが登場。ドラマ主演に「気合は十分」と意気込む佐藤さんだが、自身の25歳には忘れられない悔しさがあるという。佐藤さんの熱い思いを、ロングインタビューとして余すことなくお届けする。
クランクアップの日に思わず涙!? 憧れの先輩との初共演の思い出を語る
――「around 1/4」というタイトルを聞いた時はどんなことを感じましたか?
「僕自身、正直この言葉の存在自体を知らなくて、“アラサー”や“アラフォー”というのは聞いたことがあって『刻むなぁ!』とは思っていたんですけど、ついこの間までアラクオだったので、背伸びせずに演じきることができそうだなと思ったのが最初の印象ですね」
――原作を読まれたと伺いましたが、どんな印象を持たれましたか?
「登場人物の目線がコロコロ変わって、展開も早いから飽きないというか、『この人はこの時こう思っていたんだ』と後で(伏線を)回収してくれるので、すごく丁寧で分かりやすかったです。例えば4巻を読んだ後に、1巻のみんなでしゃべっているシーンを読めば、『この人はどういうことを考えていたんだろう?』ともう一度考え直して読み返すことができたので、気づいたら読み終わっていました。作者の方がアラクオの頃に描いた作品だと聞いていて、すごく才能にあふれた方が書いているんだろうなと思いましたし、その人が経験してきたことがもしかしたらどこかに反映されていたりと、そういうことがあるんだろうなとも思いましたね」
――作品のストーリーとしては、“25歳の壁”にぶつかるところも描かれます。そういった部分を含め、ストーリー展開や魅力についてはどのように感じましたか?
「自分が25歳の時はもう芸能界に入っていたので、『自分が入っていなかったらこういう日常生活や恋愛を送っているんだろうな』と思いました。自分が演じる康祐は、登場人物の中でも僕の中でも素に近いというか、チャラそうに見られるけど『そうじゃない一面もあるのにな…』と思いつつ、それを隠している感じはすごく感情移入できたので。ただ、今回ドラマとなると、原作と異なる部分もたくさんあって、康祐なりの悩みやコンプレックスが非常に反映されていて、しかも新しく作った設定として出来上がっているので、そこもドラマの魅力ですね」
――今作で地上波連続ドラマ単独初主演となります。意気込みというのも大きいのではないでしょうか?
「そうか! ダブル主演はありましたもんね。見出しが1個できた(笑)。今まで自分が映画や舞台で主演をやった時って、自分より年上のキャストの方がメインキャストとしている中で、自分が座長としてやらなければいけない部分が多かったので、少し自分も戸惑いがあったんですけど、今回はメインキャストの中だったら自分が最年長になるので、そういう意味でも引っ張っていきやすいかなと思いますね。みんな世代が近いので、カメラが回っていないところや休憩時間も自分から積極的にコミュニケーションを取りにいって、現場を盛り上げていきたいです。『座長!』と呼んでもらえるように、LDH総動員でとにかく差し入れもいっぱいしたいなと思います(笑)。高級焼き肉弁当など男らしいものを挟みつつ、スイーツとかも入れられたらなと思っています」
――かなり気合も入っていますね。主演が決まった時は素直にどんなお気持ちでしたか?
「すごくうれしかったですし、いろいろなドラマに出させていただいたけど、確かに主演という肩書は約1年ぶりで『そうか、(主演は)久々だな』と思いましたね。すごくやりたかったものでもあったので、単純に夢がかなってうれしいなっていう気持ちがありました」
――主演作品は佐藤さんにとってどんな意義を持っているのでしょうか?
「『主演というのは誰でもできるわけじゃない』というのはすごく自負しているし、でもその分、負わなきゃいけない責任も大きくて、よくも悪くも全部自分に振りかかってくるんだろうなというのは、いい意味で自分はプレッシャーとして捉えています。だからこそ盛り上げたいし、いろいろな人に見てもらえるように頑張らなければいけないと思っています」
――「コミュニケーションを取っていきたい」というお話もありましたが、これまでの現場での主演としての過ごし方として何か意識はされていましたか?
「初めてドラマをやった時は、正直そんな余裕はなくて。やらなきゃいけないことが多くて、あまり主演っぽいことはできなかったんです。でも今回は、その時よりはキャリアも積んで、座長っぽいことができるのかなと思うので、積極的にコミュニケーションを取りにいきたいですし、もともと知っている方もいるので、そういう方々の力も借りながら、和気あいあいとしていきたいです」
――LDHグループの先輩方も主演経験者が多くいらっしゃいます。先輩方の活躍はどのように映っていますか?
「めちゃくちゃ憧れですし、昔はドラマの専用ジャージーや専用Tシャツを作ってスタッフやキャストにプレゼントしているような場面を間近で見ていたので、『やりたい!』と思うんですけど、自分の若さじゃまだできないですね(笑)。でも、そういう姿が格好いいんですよ。常に引っ張っていっているし、背中で語るような人もいれば、自分から話しかけにいってムードメーカー的に盛り上げる人もいて。自分は後者なのかなと思っています」
――いろいろなタイプがいる中で、一番憧れの先輩を教えてください。
「座長として『この人めっちゃすごいな』と思った先輩はTAKAHIROさんです。日曜のゴールデンタイムで初めてTAKAHIROさんが主演をやった時に僕も出させていただいて、ちょうどEXILEに入った年だったんです。当時は『この人のことを座長っていうんだな』と思っていましたね。カメラが回っている時もずっと笑わせてくれて、スタッフさんともコミュニケーションを取っているけど、スイッチが入った時はバシッとやる。差し入れもたくさんしてくださっている姿を見ていたので、本当に太陽みたいな存在だったなと、間近で見て思っていました」
――EXILEに入ったその年にTAKAHIRIOさんと共演できたことは、かなり刺激を受けたのではないでしょうか?
「めちゃくちゃ受けましたし、そのドラマもその枠の1発目だったんですよ。それで自分がいきなりゴールデン帯に出させてもらって。初めて泣いたんですよ、クランクアップの日に(笑)。『明日から会えないのか…』って思ったらすごく寂しくて、でもよくよく考えれば会えるんですけどね(笑)。当時は全12話で3カ月くらい一緒にいたから、そのドラマにはみんな並々ならぬ思いで臨んでいたし、スタッフさんともすごく仲が良かったから、僕の目にはめちゃくちゃ頼もしく映っていましたね」
――経験値としてもかなり積まれたんですね。そこから10年近くたちますが、これまでの個人での活動を振り返って今思うことはありますか?
「すごくありがたいことに、自分のやりたいことをたくさんやらせてもらっているなと思います。お芝居でいうと、掲げていた主演としてのドラマや映画だったり、舞台や声優もやらせていただけて、今のところ『この年までにやりたい』と目標としているものはかなえられているので、次のステップに進みたいなと思っている時期です」
――FANTASTICSではリーダーとして世界さんとグループを引っ張っていますが、グループのリーダーとしての集団の見方、ドラマ現場の座長としてのチームの見方で違いというのはありますか?
「やっぱりグループとしている時は、雰囲気作りももちろんなんですけど、表に出る時の発言だったり、ライブ前にみんなで気合入れをする時の円陣だったり、そういった形式的な部分も、みんながリーダーという意識を持ちながらやっているのがFANTASTICSなんです。でも(ドラマの)現場で座長になると、どうしても周りのスタッフの方々が立ててくれて、盛り上げてくださるので、それに応えなきゃなと思います。言葉を通して視聴者に見てもらうのが座長の仕事というか、撮り終わった後に頑張るのはキャストの仕事だと自分は思っているので、そこはより一層、責任持ってやりたいなと思っていますね」
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