終始笑いが絶えない狩野英孝ゲスト出演回! 「この番組を見て、ちょっとした幸せを感じられるきっかけになってほしい」藤田プロデューサーが番組作りで大切にしていること――「推しといつまでも」(連載コラム 第7回)2023/06/26
TBS系にて毎週月曜午後10:00から放送中の「推しといつまでも」の裏話や制作秘話、見どころなどを毎回インタビュー形式でお届けする連載コラム。
第7回はMBSのプロデューサー・藤田恭輔さんに、6月26日放送の「推しが我が家にやってくる 狩野英孝ゲスト出演回」について見どころなどを伺いました。
――ホストキャラで明るいイメージの狩野さんですが、ロケ前の狩野さんにどんなイメージを持たれていましたか。また、起用した経緯などあればお聞かせください。
「すべり芸でいじられて周りを笑わせてくれるという、そのキャラのままのイメージを持っていました。人気者の狩野さんですが、失礼ながら彼を熱く推すファンの姿が想像つかなかったので、もし実現したら振れ幅のある面白い回になるだろうなと思いオファーを出しました」
――実際にロケをしてみていかがでしたか。おもてなしを受けた狩野さんの印象に残ったエピソードを教えてください。
「ファンに優しく、素直な雰囲気で周りから愛される理由が分かりましたし、私も狩野さんのことを好きになりました。優しいといってもファンサービス的な接し方ではなく、“素の狩野英孝”として接する自然な感じがとても魅力的だと印象に残っています」
――今回のおもてなし撮影で裏話などありましたらお願いします。
「ファンの方が狩野さんを推したきっかけが失恋なんです。失恋をして落ち込んでしまい元気が出なかった時に、テレビで『ラーメン つけ麺 僕イケメン』時代の狩野さんを見て笑って元気を取り戻し、ファンになった経緯があります。失恋をした時にお母さんが『どうしちゃったの…』となるぐらい心配していたのですが、元気になったきっかけが狩野さんだったのをこの日まで知らず、『初めて聞きました』と号泣されているのを見てエンターテインメントってすごいと思いましたし、人の人生を変える影響力を持っている狩野さんにも感動しました。お母さまも娘さんが明るくなったことで狩野さんに感謝しているそうです」
――ちなみにファンの方のご主人も思うところがあるとか。
「ご主人も『なんで狩野英孝さんを推しているのだろう』というところから始まりましたが、狩野さんを推す妻の姿を見て自分も元気をもらっていますとおっしゃっていました。この幸せの連鎖が家族の中で広がっていて、推し活ってすごいなと感じます」
――ロケでの狩野さんのエピソードはございますか。
「“狩野帝国”というファンのグループがあるのですが、狩野さんが活動を自粛されていた時期に“狩野帝国”の方たちが応援のメッセージを送りました。『実はそれがあったから、今も頑張ることができているんです』という狩野さんの言葉を聞いて、思いは一方通行ではなくすべて輪になり、つながっているなと思いました。“誰かが頑張っているから自分も頑張れる”という気持ちがいろいろなところに広がり、幸せな気持ちになれる回になっています!」
――第2回のコラムで山内健太郎プロデューサーにインタビューをした際、「芸能人とファンの間の壁が壊れる瞬間が必ずある、その表情を撮りたい」とコメントをいただきましたが、今回の撮影では何か手応えはありましたか。
「最初はファンの前で少し格好つけるのかなと思っていたのですが、玄関の扉を開けた瞬間に『あ! こういうふうに接していたんだ』とファンの方との関係がすぐに分かる瞬間を見ることができました。ほかにも、ファンの方が結婚していることを狩野さんは知らず、『ご結婚なさってお子さまがいて、失恋を乗り越えられて良かったですね』と本当にうれしそうな表情をされていたのは、良い関係が築けていたからこそなんだなと感じます。壁を作らず少年のような裏表のない狩野さんを見ることができました」
――ほかにも狩野さんとファンを見ていて気づいたことはございますか。
「番組側からお願いしたわけではないのに、狩野さん自ら『ファンの皆さんがいたから今の自分も頑張れている』と、おもてなしの途中でいろいろと過去を思い出しながら話してくださいました。おもてなしだったり、ファンの方の熱があったりだからこそ、つらかった過去や本音を語ってくれたのだと思います。本音を話そうとしてくれたその瞬間にも注目していただきたいです」
――今回の見どころをお願いします。
「今回は恐らく、今までの放送回で一番笑いが多いかもしれません。ファンの方には小学生のめいっ子さんがいるのですが、その子が考えた“狩野英孝ギャグ”というおもてなしがあります。それが面白過ぎて、VTRを見たMCの川島明さんが爆笑で涙目になり、スタジオゲストのロッチ・中岡創一さんも笑い過ぎて席から立ちっぱなしでした。小学生の女の子のギャグがとても秀逸ですのでお楽しみください」
――スタジオの皆さんも盛り上がったのですね。ほかにVTRを見た皆さんの反応で印象に残ったエピソードはございますか。
「愛されキャラの狩野さんがやっぱりいじられるという展開もあり、終始笑いに包まれた回でしたが、最後に小泉孝太郎さんが涙目になっていました。役者さんはファンと近い距離で接する機会がなかなかないと思うので、『もしかしたら自分も同じような思いで応援されているのかもしれない』と感じてグッっと来てしまったのかもしれません。推す側と推される側の関わり方を見て涙されていたのが非常に印象的でした」
――その小泉さんがテレビで初めて語ってくれたエピソードがあるそうですね。
「そうなんです。小泉さんが『テレビで初めて話す』と言ってくれたことがあります。彼の推している方が、なんとゴルフ場のキャディーさんなのです。お父さまの代の何十年も前からやられているそうで、その人の言う通りに打つとすごくスコアが伸びるという。どの場面でどのクラブを使うのが最適なのかを教えてくれたり、OBかなと思って見に行こうとすると、『大丈夫ですよ』と見に行かなくて正しい判断をしてくれたりするというのです。小泉さんもお父さまもそのキャディーさんでないと…という裏話です」
――ものすごく貴重なお話ですね。
「そうですね。その人に会いたくなってしまいました(笑)」
――番組を作るにあたって、大切にしていることがあればお聞かせください。
「この番組のコンセプトは“誰も傷つけずに、みんなで幸せになろう”なのですが、それは視聴者や出演者だけでなく、働いているスタッフもそうであってほしいと思って取り組んでいます。もちろん大変なこともありますが、制作陣がやりたくないと思っていたら魅力的な番組も作れないと思うので、楽しく番組を作っていける環境を心掛けています。きついと言われているこの業界ですが、誰も辞めずに一心になって番組を作っていくことができています」
――以前からそのスタンスで番組作りをされていたのでしょうか。
「いえ、少し前までは同じ方向を向いている者同士で番組を作っていけば良いのではと思っていました。でも、この番組に関わってからは、スタッフ一人一人がこの番組を作っているという気持ちを共有することが大事だと考えています。“スタッフといつまでも”という気持ちを意識するだけでもだいぶ視点が変わるなと感じました」
――素晴らしいです。まさに「推しといつまでも」という感じだと思います。今後はどういう番組にしていきたいですか。思いがありましたらお聞かせください。
「視聴率にとらわれてしまうと内容を変えてしまいがちなのですが、『推しが我が家にやってくる!』を変えずに続けていきたいです。ポリシーは変えず、ちょっとした企画で変化をつけられたらと思っています。われわれの思いが伝わってファンが少しずつ増えていってくれたら、視聴率も上がってくれると信じたいです(笑)」
――最後に視聴者に向けてメッセージをお願いします!
「ながら見でも構いません。一度だけでも気軽に見てもらえると、人でも物でも推してみようかなと思っていただけるかと思います。私自身も推しという存在を意識していませんでしたが、この番組に携わってから推しについてを考えるようになりました。近所の店員さんなど身近な人も推しに該当するなという視点を持って生活するようになり、少し幸せが増えました。普段、何げなく生活をしている時に周りを見渡して、働いている人などに意識を向けてみると、実は生活の中に推せる人たちがたくさん見つかると思います。ちょっとした幸せを感じることができるきっかけになってくれたらと思い、番組を作っています。最後に、特に今回は笑いが多い狩野英孝さんの魅力が詰まった回になっており、たくさん笑っていただけると思います。どうぞお楽しみください!」
――「関わっているスタッフみんなも楽しく番組を作る」というスタンスに感動しました。そして、ファンのめいっ子さんの“狩野英孝ギャグ”、とても楽しみにしています!
【プロフィール】
藤田恭輔(ふじた きょうすけ)
毎日放送のプロデューサー。最近できた推しは吉岡里帆。「番組でストイックに笑いを取ってくれる姿を見て好きになりました。おもてなしをするとしたら普段の疲れを癒やしてもらいたいので、施術が上手なマッサージ師さんを手配したいです」。
【番組情報】
「推しといつまでも」
TBS系
月曜 午後10:00~10:57
※TBS放送後、TVerにて1週間無料見逃し配信!
取材・文/山本恵代(TBS・MBS担当)
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