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伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!2023/06/12

伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。本作は植物学者・牧野富太郎をモデルに、神木隆之介さん演じる槙野万太郎が、幕末から明治、大正、昭和と四つの激動の時代を植物学者としていちずに突き進んでいく、波瀾(はらん)万丈の人生を描いた物語です。

 印刷所で修業を始めて1カ月が過ぎ、石版印刷の技術に磨きがかかった万太郎(神木)は、植物学雑誌の創刊に向けて着々と準備を進めていた。ある日、竹雄(志尊淳)が働くレストランに西村寿恵子(浜辺美波)と高藤雅修(伊礼彼方)がやって来る。そこで高藤の、寿恵子を高藤家に迎えたいという会話を聞いてしまった竹雄は、急いで万太郎へその内容を伝えに行く。しかし万太郎は、一人前の植物学者として寿恵子を迎えに行くと言って聞かず、雑誌の創刊を優先するという気持ちを曲げない。寿恵子もまた、ある決意を胸に舞踏会へ挑む。

伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!

 万太郎の恋敵として寿恵子に求婚する高藤雅修を演じる伊礼彼方さんに、出演の感想や撮影中のエピソードなどをお聞きしました。

――朝ドラ初出演の感想を教えてください。

「朝ドラや大河ドラマは役者全員の夢だと思うので、僕もめちゃくちゃうれしかったです。決まる前は舞台の仕事続きで、3月は丸々休む予定だったんですけど、そこへちょうどはまるような形でオファーが来たので、運命的なことってあるんだなと。数年前から俳優として映像作品へ出演したいという思いがありました。舞台をやっていると、細かい芝居を劇場の後列まで伝えるというのがなかなか難しく、表現の幅に限界を感じていたので、一つ上のステップへ上がるために表現の幅が広がればいいなと。舞台でもドラマでも、こういう作品に出たいなって願っていると訪れてくるんですね。しかも朝ドラという夢の舞台に立たせていただけて、非常に感激です」

――台本を読んだ時の感想を教えてください。

「高藤のシーンを読んでいるうちに、悪役チックで物語にスパイスを与えなきゃいけない役柄なんだろうというのが想像できました。この時代の男にしては、思ったより寿恵子へガツガツアタックしていくし、スキンシップも多い。薩摩の人間の割には西洋かぶれで、手の甲にはキスをするし、ダンスもするので私にオファーが来た理由がなんとなく分かりました」

――方言で話す人物でしたが、演じる上で苦労はありましたか?

「僕は高藤のような貴族役や女ったらしの役は多いんですけど、方言は生まれて初めてだったので、覚えるのに1カ月ぐらいかかりました。薩摩ことば指導の持永雄恵先生は、ほかにもミュージカル俳優を何人も指導されたようで『ミュージカル俳優の皆さんは耳がとてもいいので、皆さん上手なんですよ』と言われ、ものすごくプレッシャーに感じて、どうやって演じればいいのか悩みました。でも、持永先生が全部のセリフに上がり下がりの印を書き込んでくださって、それを確認して方言を練習していました。方言の練習でイントネーションを上げていると、2週間目ぐらいから上げていく気持ちよさを感じ始め、上げなくてもいい部分まで上げてしまって、持永先生に『そこは標準語でいいですよ』と注意されていました(笑)」

伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!

――高藤を演じる上で工夫したことはありますか?

「細かい演技だと、でこのしわを寄せたり目をつり上げたりなど、細かい表情を意識しています。一時期、SNSで話題になっていた二度見も結構やるんです。ただ、舞台ではそこが注目されることもないので、話題になったコメントを見た時は本当に笑っちゃいました。舞台ではお客さんには見たいところを見てもらいますが、ドラマでは監督や編集者が意図して見せたいところを映すので、そこの意図を感じ取る面白さを初めて経験しました。どういう絵が欲しいのかなと、その場で思いつく限り演じていたので、後ろから撮られていても何かリアクションをして、説得力のある芝居ができるようにと思いながらやらせていただきました」

――寿恵子役の浜辺美波さんの印象を教えてください。

「ミュージカル俳優はダンスも歌も初対面でいきなり触れ合うなど、スキンシップが多いので心を開いていけるんですけど、お芝居畑の方とダンスをすると、皆さんちゅうちょするんですよ。浜辺さんともどう接していいのか距離を測りながら演じていたのですが、あまり会話ができず、ものすごくシャイな方だなというのが印象でした。でも、慣れてくるとよくしゃべる方でびっくりしました。最終的には『高藤は(寿恵子に対して)ガンガン来ますよね、ヤバいぐらいに。本当“ヤバ藤”ですよね』みたいに言っていて、かわいらしい方だなという印象です(笑)」

――神木さん演じる万太郎とのシーンがほとんどありませんでしたが、どういうふうに万太郎を意識しましたか?

「僕は意外とシャイで自分から話しかけるのが得意ではないんですけど、リハーサルの時に神木さんから『伊礼さんめちゃくちゃいい声されてますね』と話しかけてくださりました。彼がドレス姿の寿恵子を見て、高藤の書斎に連れていき『奇麗じゃ』を連発するシーンでは、彼なりの万太郎を魅力的に見せる方法を作り上げていて、非常に好印象でした。それに対して、浜辺さんも『好きにやってください』みたいな感じだったので、すでに2人は関係性が出来上がっているんだなというのが印象ですね。僕は高藤が寿恵子をお姫様抱っこする時のシーンと、大量のバラに感激する万太郎のシーンしか共演していないのですが、二つのシーンで万太郎が天真らんまんだから『らんまん』なんだなとあらためて感じて、初めて高藤のキャラクター設定を理解して、『万太郎を惑わせ、傷つける強い男』というのが出来上がりました。彼の演技を見られたのは非常にありがたかったです」

伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!

――高藤の魅力はどんなところだと思いますか?

「僕はヒーローより、悪役や三角関係の恋敵、性格の悪いキャラクターが好きなんです。ですが、演じる上で悪役には悪役なりの正義があり、設定が詰まっていないと薄っぺらい悪役になってしまうと思っています。高藤を演じる上で彼が生きている時代は妾(めかけ)が当たり前で、それだけでは高藤の悪役としての印象が残りにくく、『らんまん』の物語が進展しないんじゃないかと感じ、高藤も寿恵子で初恋をした設定で演じています。人から見れば『奥さんがいるのに、こんなかわいい子に手を出して』と言われると思いますが、弥江(梅舟惟永)とは政略結婚で、子どももいないことで夫婦関係の悪化につながって、弥江も強く言えないんじゃないかなと。なので、寿恵子が廊下のすれ違いざまに弥江へ『高藤さまと踊るのでしたら、私よりも奥さまの方が』と声をかけるんですけど、『今更』という弥江の一言がすべて高藤との関係性を物語っています。演じる上でそういう設定の奥の部分も、常に大事にしています」

――印象に残っているシーンや印象深いセリフはありましたか?

「舞踏会の発足式が決まって踊りの練習をしているシーンの、『発足式が楽しみじゃ。早う、あなたと私を見せつけたか』と言うすごく傲慢(ごうまん)なセリフがあるんですよ。僕はものすごい好きで最初は笑ってしまいましたけど、何度も読んでいくうちに、この人は本気なんだなって実感しました。もう一つ、白川さまへ言った『私の方こそ本音を隠すっとに必死です。本当は今すぐさらってしまいたか。じゃっどん発足式が終わるまでお預けですから』っていうセリフが大好きで、高藤の人物像を形作るきっかけになりました」

――最後に視聴者の皆さんへ一言お願いいたします。

「高藤は敵役ではありますけど、僕は愛情を持って演じています。どんどん進展していく中、視聴者の皆さんは『高藤って本当にダメな男だな』と感じると思います。でも、本当に優しい目で見守っていただけたらなというのが第一です。万太郎と寿恵子が結婚して結ばれる起爆剤になることを目的にしているので、どういうふうになるのか視聴者の皆さんも盛り上がっていただければと思います。最後まで自分の役割を全うできたか皆さんの反響で確認していますので、今度もSNSなどで感想を書いていただければうれしいです」

――ありがとうございました。

第52回 あらすじ

伊礼彼方、「らんまん」で万太郎の恋敵として寿恵子を奪い合う高藤雅修を熱演!

 万太郎の石版印刷の技術は、ついに万太郎自身も納得のいくレベルになり、刷り上がりを見た竹雄も驚く。万太郎は、大畑義平(奥田瑛二)とイチ(鶴田真由)に植物学雑誌の印刷を注文する。一方、田邊彰久教授(要潤)は、万太郎に雑誌を作る許可を与えたものの、出来が悪ければすべて燃やすつもりでいた。それを知った助教授の徳永政市(田中哲司)は…。

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当 S・A



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