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菅野美穂主演で「ゆりあ先生の赤い糸」を連ドラ化。「“悩みと笑い、前向きになれる気持ちを共有できる時間”を届けられたら」2023/06/08

菅野美穂

 菅野美穂が、テレビ朝日系で10月にスタートする連続ドラマ「ゆりあ先生の赤い糸」(木曜午後9:00。開始日未定)で主演を務めることが分かった。同局の連ドラに菅野が主演するのは、1999年放送の「恋の奇跡」以来24年ぶりとなる。

 「ゆりあ先生の赤い糸」の原作は、今年の「第27回手塚治虫文化賞」で「マンガ大賞」に輝いた入江喜和氏の同名漫画。これまでのヒロインドラマでは、強い女やカッコいい女など、痛快な女性像を描き、時代をけん引してきたが、本作では“かつてない地味でタフで明るい平凡な主婦ヒロイン”が、自らの人生、さらにはホームドラマの新たな可能性を果敢に開拓していく。

 脚本を手掛けるのは「僕の生きる道」シリーズや「フリーター、家を買う。」(ともにフジテレビ系)、向田邦子賞を受賞した「モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜」(テレビ朝日系)など、珠玉の社会派ヒューマンドラマを多数放ってきた橋部敦子氏。菅野の熱演によって泥臭くも生き生きと躍動し始める“令和の新ヒロイン”が、連ドラ史に鮮烈な新風を吹き込む。

 菅野が演じるのは、心優しい売れない小説家と結婚した主婦・伊沢ゆりあ。年齢を重ね、女として薄らいでいく自分を実感するものの、自宅で刺しゅう教室を開きながら、穏やかな幸せを味わっている、ごくごく平凡な女性だ。ところが、そんな彼女の人生は、夫がホテルで昏倒し、緊急搬送されたことから急展開。慌てて病院に駆けつけると、意識不明状態となった夫の傍らには、さめざめと泣きながら“恋人”だと名乗る美青年がいた。

 長年連れ添った夫の“思いもよらない別の顔”を突きつけられ、がく然とするゆりあ。しかし、降って湧いた問題はそれだけではなかった。出口の見えない夫の介護に加え、なんと夫を「パパ」と呼ぶ2人の女の子と、その母親である“夫の彼女”までも出現するという、全く想像したことがなかった局面に次々と直面してしまう。

 「カッコよく生きる」が座右の銘で、幼い頃のあだ名は「おっさん」――そんな愚直で辛抱強いゆりあは、ここで心が折れてしまう女性ではなかった。なんと「みんなでダンナの介護をしよう!」と奇想天外な提案をし、夫の愛人2人、血のつながらない子ども2人も家に招き入れて、奇妙な共同生活を始めることに。さらに、そんな数奇な人生の渦中で踏ん張り続けるゆりあに、やがて二度とないと思っていた、新たな恋の予感まで到来する。

 生きていれば何が起こるか分からない。人生100年時代の今、すべての人に“生きていく芯を創るきっかけ”を届ける、人生の応援歌ともいうべきヒューマンドラマに期待が高まる。

 「ゆりあ先生の赤い糸」への出演について、菅野は「ゆりあさんは石のような男前な女性で、私自身も心から応援したくなる存在です。若い頃はもっと洗練されていてスマートなヒロインに憧れるものですが、ゆりあさんはその逆。燃費も悪いし(笑)、なんだかゴツッとしているし、しなやかじゃないんだけれど、私自身も年齢を重ねた今だからこそ、より共感と尊敬の念を覚える“すごいヒロイン”です。今このタイミングで、この役と出会えるなんて“めっけもの”! とても幸運だと思います。今はまだプライベートで育児に手がかかり、日々のノルマに追われている最中ではありますが、体力・気合ともにコンディションを整えながら、“眉間にしわを寄せて一生懸命生きているヒロイン”を魅力的に演じられたらいいなと思います」と意気込む。

 また、主人公・ゆりあを演じるにあたって、役柄について「男前な気概や生きざまに加え、刺しゅう教室を開いたり、少女時代にはバレエに夢中になったこともあるなど、乙女なものが好きな一面も兼ね備えているところが、特有の魅力でもあると思います」と分析し、「そんな彼女の気持ちに近づくためにも、余白の時間もいろいろ考えを広げたいと思って、実は刺しゅうとバレエの教室に通い始めました」と告白。「バレエは毎回、恥をかきに行っている状態ですけど(笑)、同時に楽しくもあり、夢中になる人の気持ちが分かりました。ドラマのご縁がなかったら『体も硬いし、やったこともないのに、こんな年から…』とためらい続けて、バレエの素晴らしさも教室の共同体感や癒やしも味わえなかったと思うので、本当にいい機会をいただきました」と前向きに取り組む。

 さらに、「刺しゅうも学びが多いです。束になっている5本の糸をほぐし、そこから3本だけをまとめて刺していくことで艶のあるふっくらとした刺繍になると知って驚きましたし、糸を絡ませながら立体的な模様を作るレゼーテージステッチにしても『人生に通じるな!』と。人生の糸を自分でたぐり寄せ、絡ませながら縫い込んでいくと、途中はどうしようもないと思っていた人生も、最後には愛着や味わいが深まるんだろうなって、あらためて感じました」と役づくりに触れた。

 続けて、視聴者へ向けて「このドラマでは介護問題なども含め、“現代の現実”を見つめているような気にもなる物語が紡がれていきます。私自身も父の介護を経験した時に、家族が1週間でガラガラと音を立てて壊れていくのを実感したことがあるのですが、世の中には問題のない家庭はないんじゃないかなというくらい、傍から見ていたら本当に幸せそうに見える家でも、いろいろとあったりすると思うんです。ゆりあさんの家ほどこじれている家もあまりないとは思いますが(笑)、ぜひドラマを見てくださった方に“悩みと笑い、前向きになれる気持ちを共有できる時間”を届けられたらいいなと思います」と作品への思いとともに、アピールしている。

 原作の入江氏は「菅野美穂さんは目がとても奇麗で“涼しげな色気”とでも言いますか、甘すぎないみずみずしさを感じます。最初にお話を伺った時には、『こんな美しい方に、おっさんみたいな主人公は厳しいのでは?』と思いましたが、今までの漫画の実写化での菅野さんの存在感と強み、ホームドラマの名手・橋部敦子さんの脚本、今後発表される、脇を固めるこれまたキャラの立ちまくった俳優さんたちが、どんな化学変化を起こして新しい『ゆりあ先生の赤い糸』を作り上げてくださるのか、今からワクワク楽しみにしております。演じられる皆さま、見てくださる皆さまの両方が、ヤケクソ元気になるようなドラマになりますように、と心より祈っております!」とコメントを寄せている。


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