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戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白2023/05/28

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

 毎週日曜に日本テレビ系で放送中のドラマ「だが、情熱はある」。オードリー・若林正恭さんと南海キャンディーズ・山里亮太さんの半生を、King & Princeの髙橋海人さんとSixTONES・森本慎太郎さんが圧倒的な熱量で演じていることで話題を呼んでいる。

 そんな本作で若林さんの相方となる春日俊彰さんを演じているのが、高い演技力に定評がある戸塚純貴さん。個性的すぎる春日さんを好演し、劇中で登場するや「春日にしか見えない」と話題沸騰! オードリーが大好きだと語る戸塚さんにインタビューすると、相方を演じる髙橋さんへの信頼、そしてオードリーへの愛情を語ってくれた。

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

――大きな反響が戸塚さんのもとにも届いていらっしゃると思うのですが、オファーを受けた時はどのような気持ちでしたか?

「実在していて今でも活躍されている方なので、最初にお話をいただいた時は不安しかなかったです。見た目やラジオで聞いている印象は自分から遠い存在だなと思っていたので、今まで演じてきた中でも一番難しいなと。放送が始まってからも不安しかなかったのですが、視聴者の皆さんが面白がってくださって、オードリーさんもラジオなどでお話してくださって…優しいですよね。やっぱりご本人が言ってくださるのが一番うれしいですし、今は若林さん役の海人くんと共にする時間が非常に多くて濃いので、コンビとしてかなり確立してきているのかなと思います」

――反響を受けて、ひと安心…という感じでしょうか?

「そうですね。でも、時間の経過が早いので、ナイスミドル期はどうだったんだろう、むつみ荘に入居してからの生活はどうだろうと、その都度不安はあります。テレビで知っている方もいるかもしれないですが、それ以外の部分もきちんと演じなければいけないという点での難しさは、回を重ねるごとに増している気がします。あと、どんどんと自分の中に春日さんが入ってきていて、セリフの細かいニュアンスとかがすごく気になってきて…。自分がカスミン化してきて、『ちょっとこういう言い方しないんじゃないか』という欲も最近はちょっと出てくるんです。春日さんって謎が多いというか、つかみどころがなくて。それは監督も含め制作陣も感じていて、最終的に僕に任せるって言うんです。『全責任を負ってください』って監督に言われて…(笑)」

――全責任を負っているんですね(笑)。

「だから今は、より自分の中でもちゃんとこだわりを持って、春日さんリスペクトを込めて演じています」

――カスミン化しているということですが、アドリブを結構入れられている部分はありますか。

「アドリブではないですが、割と台本と違うことはしています。全然台本通りじゃないですね。何をやっても、スタッフさんがそれに対応してくれて。面白がってくださるので、僕はもう甘えているだけです」

――カットがかからず、漫才を即興芝居している場面も拝見しました。

「ネタ見せのシーンは、春日と若林が2人で『こういうネタでいこう』と話し合ってから始まって、本編の漫才シーンはさわりの部分しか使われないのですが、一度ネタを全部やってみるんです。ネタをフルでやって、使える部分は少しだけでも使おうとスタッフさんも思ってくださっていると思いますし、それが実際に使われていたこともあったので、やっぱりフルでやるべきなんだなと。そういった場面も海人と2人ですごく楽しんで演じています」

――そんな春日さんを演じる上で気をつけていること、意識されていることはありますか?

「僕の中で、春日さんは独特な言い回しだったり、普段は敬語でお話していたりというイメージなので、その部分は一番気をつけています。あと、ドラマタイトルは『だが、情熱はある』なんですけど、情熱があるかも分からないところが春日さんの魅力だと思っていて。若林さんとの対比で焦らない感じが出せたらなとは思っています。あと困った時は、胸を張る!(笑)」

――(笑)。劇中の春日さんはあまり感情のアップダウンがないですよね。

「売れていない、人気がない時期の感情的になりそうなシーンでは、上がらないように意識していました。春日さんは『まぁまぁこれからでしょ』という気持ちでいたのかなと、若林さんを支えるイメージで演じています。春日さんを演じる時は、1回春日さんを降ろさないといけないのですが、読み合わせの時に監督さんから『春日100%で1回やってみて』とか、『じゃあ、次は春日30%で』って独特な指示があって。現場に入る時は1回春日さんを(自分に)降ろしてから、ちょっとずつ削って普段っぽくしていく感じですね」

――「春日さんはつかみどころがない」とおっしゃっていましたが、演じられて春日さんに対する印象は変化しましたか?

「元々はお笑いで見ている春日さんのイメージがあったので、『すごく変わった人なんだろうな』という印象だったのですが、ドラマ撮影が始まって春日さんをどんどん知っていくうちに、本当にダメな人だなって(笑)。頑張っている若林さんの隣で頑張っていなかったり、泣いている若林さんの横で全然泣いていなかったり…喜怒哀楽が人とちょっと違いますよね。西武ライオンズをパンツ一丁で応援していて、若林さんがそれで解散を決意したっていう解散危機の時のエピソードもありますよね。そういう部分を知っていけば知っていくほど春日さんってダメな人なのかなとも思うんですけど、やっぱりエピソードが全部面白くて、とても愛らしいなと。僕は春日さんはどんどん愛情を注げるような人だなと思いました」

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白
戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

――髙橋さんとオードリーを作り上げていくにあたって、お話したことやすり合わせた部分はありましたか?

「僕も海人もオードリーさんがすごく好きなので、そういう意味での意見はもう合っていましたね。でも、やっぱり客観的に見た方が異変や違和感に気付いたりするので、『ここって、若林さんだったらどういうふうにするかな』とか、『春日はここではこういうふうに言わないよ』ということは、お互いに言い合っていますね」

――戸塚さんはリトルトゥース(「オードリーのオールナイトニッポン」リスナー)だと伺ったのですが、お二人の好きなところやラジオを聞くようになったきっかけを教えていただけますか?

「一番の魅力は仲の良さですね。中学、高校を共にして今に至るんですが、関係性が多分変わっていないんです。それってやっぱりすごいことですよね。山里さんもそうですが、芸人さんは相方が何人も変わるという話をよく聞くのですが、一度も変わっていない。その仲の良さがラジオを通して伝わってきて、幸せな気持ちになれるんです。そこがオードリーさんのすごく良いところなんですけど、でも、結構やっていることが荒々しかったり、ちょっと問題になりそうなことをいまだにやったりするじゃないですか。それも学生時代の延長からきていると思いますし、コンビの信頼関係や絆がにじみ出ているので、一生見ていたい存在ですね」

――劇中では、そんなオードリーの過去のエピソードも盛りだくさんですよね。

「めちゃくちゃ面白いですよ。売れてからのエピソードはもちろん皆さんもご存知だと思いますが、売れてない時のナイスミドルの時のネタは正直あまり面白くなくて、めちゃくちゃスベッているんです(笑)。でも、ピンクベストの形に至るまでに試行錯誤して、形がすごく変わっているんですよ。そのストーリーは演じていて楽しいですし、すごくぜいたくだなと思いますね。でも、まだ世に出ていない段階を演じていた時は、お芝居とはいえやっぱりつらくて、海人と2人で『早く売れたいな…』って言っていました」

――情報解禁された時に、髙橋さんのことを「信頼のできる相方」とおっしゃっていましたが、過去に「ブラック校則」(2019年/日本テレビ)でも共演されて、橋さんの信頼できる部分をどういうところに感じてらっしゃいますか?

「今回においては、本読みの段階で海人が若林さんの声やしゃべり方をちゃんと研究して演じていて、この作品に対する情熱を感じました。自分もそれにケツをたたかれたというか、『それに応えないといけないな』『そんな相方でいなきゃいけないな』という思いになりましたし、そんな姿がとても頼もしいなと思いました。撮影に入っても、海人が現場でとても楽しそうに過ごしているから、それがすごく素直でいいですよね」

――過去の共演を経て感じる髙橋さんの変化や今回見つけた新しい一面、「こんな引き出しがあったんだ!」と驚いたことなどはありましたか?

「こんなに密にコミュニケーションを取ったのは初めてだったんですけど、こんなにも話が合うと思っていなかったですね。趣味も合いますし、僕も海人も夜ふかし。その時間の過ごし方がすごく似ていて、僕は寝つきが悪くていろいろと考えちゃうんですが、夜中に次の日の撮影のことで海人から連絡が来て…。『こんな時間になんだよ』なんてうれしく思いながらも、僕も返信できちゃうので返信するんですけどね(笑)」

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白
戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

――今作では若林さん、山里さんの人気者になるまでの葛藤やもどかしい気持ちなどが描かれていて、同じような境遇に立つ人の背中を押すような作品になっていると思います。共感できる部分や「自分もそういう気持ちになったことあるな」と感じた部分はありますか?

「若林さんと春日さんは“ピンクベストの春日”になるまでにいろんなことを試すじゃないですか。山里さんもいろんな人とコンビを組んでみたり。そういう部分はものすごく共感できるところで、仕事でうまくいかない時は今の自分に原因があるんじゃないかと思うことがあって、そういう時にはこういうふうにやってみよう、ああいうふうにやってみようって、いろんなことを挑戦していくんです。そういう部分はこの作品を通してグッと来ますね。『みんなこういう時期があるんだな』『まだまだ頑張んないとな』って。でも、山里さんの人に対するねたみ、そねみがすごいところとかはあんまり…」

――(笑)。すごいですよね。

「すごいですよ。でも、実際に言わなくても、本当は心の中では思っているよなと思うと、あんなにも人間っぽい人はすごくうらやましいです。『あんな人嫌だな』と思いながらも、悔しかったらそう思うよなって、ちょっと共感している自分もゆがんでいるのかなって感じます」

――戸塚さんも若い頃に迷う時期や模索する時期はありましたか?

「ありました。それだらけですし、今もあります。僕は満足できたことがないんだと思うんです。だけど、満足できないから続けられているのかなとも思いますね。一度リセットして、悩んでみて…を繰り返して。でも、『だが、情熱はある』やこれからの作品もそうですが、良い作品に出合えると、今まで自分がやってきたことは間違えていなかったのかなって、30代になった今になってやっと分かってきましたね」

――ありがとうございました!

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

5月28日放送・第8話

 2004年、山里(森本)は初出場のM-1グランプリで準優勝という結果を残し、人生が一夜にして激変。仕事のスケジュールは年が明けてもパンパンで、休憩する間もない。周りは「M-1よりも面白いネタを」と要求してくるが、ネタを作る時間はなく、もてはやされるのは相方のしずちゃん(富田望生)ばかり。そんな中、しずちゃんに映画出演のオファーが舞い込み、気に入らない山里はそのオファーをもみ消そうと画策する。

 一方、若林(髙橋)と春日(戸塚)のナイスミドルは、社長の提案でコンビ名を「オードリー」に改名。これを機に漫才だけでなくトーク力も身に付けたいと考える若林は、社長に「トークライブをやらせてほしい」と直談判し、10人にも満たないお客さんを相手にトークライブを開催。この地味なトークライブの経験が、思わぬ仕事につがなっていくことに…。

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

【プロフィール】

戸塚純貴「海人の作品に対する情熱に応えないと、と思った」。オードリーへのあふれんばかりの愛情も告白

戸塚純貴(とづか じゅんき)
1992年7月22日生まれ。岩手県出身。ドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」(フジテレビ系)で俳優デビュー。以降は「仮面ライダーウィザード」(テレビ朝日系)、ドラマ「警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜」(テレビ東京系)、「親バカ青春白書」(日本テレビ系)、「遺留捜査」(テレビ朝日系)、「かりあげクン」(BS松竹東急)、「リエゾン -こどものこころ診療所-」(テレビ朝日系)、映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」「走れ!T校バスケット部」などに出演。出演する映画「水は海に向かって流れる」が6月9日公開予定。

【番組情報】

「だが、情熱はある」
日本テレビ系
日曜 午後10:30~11:25

【プレゼント】

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取材・文/K・T(日本テレビ担当) 撮影/蓮尾美智子
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