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「The Covers」が10周年! リリー・フランキーが上白石萌歌の聡明さを絶賛。「音楽に対するリスペクト、自分の言葉で即座に思いを伝えることができる瞬発力もあります」2023/04/18

「The Covers」が10周年! リリー・フランキーが上白石萌歌の聡明さを絶賛。「音楽に対するリスペクト、自分の言葉で即座に思いを伝えることができる瞬発力もあります」

 NHK総合で5月18日放送の「The Covers 10周年スペシャルLIVE」(午後10:00)の公開収録が行われ、MCを務めるリリー・フランキーと上白石萌歌の取材会が行われた。

 「The Covers 10周年スペシャルLIVE」は、NHK BSプレミアムの音楽番組「The Covers」(日曜午後10:50)がおくる、スペシャル企画の第5弾。番組では、ジャンルを超えたJ-POPアーティストたちが、日本の歌謡曲やポップスを中心に、自身が影響を受けた名曲を、それぞれの持ち味でカバーする。「10周年スペシャルLIVE」では、パイロット版の初回ゲストであり、今年30周年を迎える斉藤和義がゲストで登場。中村雅俊の「俺たちの旅」をカバーするほか、自身の大ヒットナンバー「やさしくなりたい」、最新曲「底無しビューティー」を披露する。番組の語りは、KinKi Kids・堂本光一が務める。

 放送10年目を迎え、初回からMCを務めるリリーは「私の人柄だけで10年やってきました」と冗談で笑わせつつ、4月からMCになった上白石に触れ、「彼女は聡明。年数が経つと接触が悪くなるので、勘のいい人が入ってくれて、ボサッとしていても、カンペを読んでくれて助かります(笑)」とコメント。

 そんな上白石は「『The Covers』10年目おめでとうございます。今までこの番組を輝かせてきたのは、リリーさんの人柄や(リリー『そうでしょうね』)、スタッフの皆さんの音楽に対する愛によるものだと感じています。以前、歌手として出演した際に、番組全体から音楽に対するリスペクトが感じられて、私を迎えてくださった温かさを今でも覚えています。今度はMCとしてゲストの方々を温かく迎える側として、もっと音楽のことを深く掘っていけたらいいなと思っています」と抱負を述べ、収録初日からリリーに「もかおさん」と呼ばれたことを明かし、「すごく長く一緒にやらせていただいているような感じが既にあります。これからも楽しみだなと思っております」とほほ笑んだ。

 上白石の司会ぶりについて、リリーは「長年一緒にやっているかのようで、音楽に対するリスペクトがあって詳しいし、自分の言葉で即座に思いを伝えることができる瞬発力もあります」と絶賛。そして、「新年度は、準レギュラーの方に来ていただいて、どなたがいらしてもアットホームな雰囲気でできたらいいと思いますし、毎回、もかおさんと話しているんですが、アーティストの方の演奏を一番いい席で見ることができるのはありがたいこと。僕も彼女もハードな仕事をしているので、こういうところで栄養を取らないとね」と番組収録が至福のひと時となっていることを伝えた。

 リリーのコメントを受け、上白石が「平原(綾香)さんがゲストの回の収録後の帰り道は、心も体も軽かったです」と言うと、リリーは「『Jupiter』には体の悪いものを出す力があるんでしょうね。僕たちがライブで感じている臨場感を視聴者の皆さんにもお伝えできたら」と語った。

 MC就任後、何度か収録を行っている上白石は「アーティストの皆さんの歌声や曲に対する思いを聞くことができて、ものすごく自分の活力になるような時間を過ごさせていただいています。MCとしての立ち位置はまだまだ探りつつではありますが、毎回リリーさんとの空気感が、バーっぽいなと感じてます」と感想を述べると、その言葉にリリーは「そうだね」と同意。「ミュージシャンの人たちはテレビでおしゃべりするのが好きじゃない方も多いので、なるべくライブハウスの楽屋風に、スタジオの空間がなればいいなと。よく『もう撮ってるんですか?』と言われています」とアーティストがリラックスできる空間作りを心がけていることを伺わせた。

 その後、番組10周年の意気込みを問われたリリーは、「意気込みも何も…9年間お客なんです。一番近くでいいライブを見られる。その感覚のままです。意気込みみたいなものを持たない方がうまくいくというか、こうあってほしいとか思うと、そうならないことが多いですからね」と達観。上白石は「ゲストの方に気持ちよくおしゃべりしてもらうためにどうしたらいいかなとか、収録が楽しかったと思ってもらえるような空間作りに努められたらいいなと思っています。せっかく近くで音楽を感じさせてもらっているので、なるべく、その時に感じたことをダイレクトに伝えられるようにできたらいいなと思います」とあらためて意気込んだ。

 さらに、「僕が一番尊敬の念がたえない文化で、世界になくてはならないもの」と音楽に強い愛情を持つリリーは、「それは僕に限らず、人は音楽とともに昔から生きているわけですが、コロナ禍では、歌ってはいけないというSFみたいな経験をすることで、あらためて音楽でつながっていたり、生々しさに助けられて生活していたんだなということを再確認しました。この番組はゲストにとても負荷をかける番組で、人の曲を生演奏でやってもらわなきゃいけない。よくプロデューサーが頼めているなと思うんですが(苦笑)、番組が始まった頃、ミュージシャンがほかの人の曲をカバーすることをいいと思っていない時代もあって。でも、長くやっていくとカバーすることが特別ではないことになってきて、そんな時代の空気とマッチしていると思います」とコメント。

 上白石も「私にとって音楽は心の処方箋。どんな心の状態であっても、寄り添ってくれるもの。私自身も音楽に救われたことがたくさんありますし、自分で歌を歌うことにも、音楽を聴くことにも助けられてきたので、食事と同じぐらい大切なもの」と、音楽は自身にとってなくてはならないものであることを伝え、「番組でのカバーは原曲の素晴らしさはもちろん、それを歌う方々のよさも同時に知れるので、同じ曲を違う方が歌うとこんなにも違う風が吹くんだなと感じます」とカバーだからこそ感じられる魅力があることをアピールした。

 そして、番組が長く愛される理由についてリリーは、「ちょうど運があった。サブスクリプションやインターネットで音楽を聴く時代になって、昔の曲と今の曲という区別がなくなってきている。以前はなかなか昔の音楽に触れることがなかったのですが、今はいろいろな音楽が同じお盆に乗っている状態。例えば小学生が1980年代アイドルのことを知っているのが当たり前の世の中になったのは、そういう音楽環境のおかげだと思うし、だからこそ、番組が長く続いているのかな」と分析。

 ここで、リリーは上白石に「もし番組に出演してカバーするなら?」と質問。上白石が大貫妙子の「都会」(1977年)を挙げると、リリーは「渋いところきますね」と感心。上白石は「大貫妙子さんの曲が今、すごく好きなんです。昔の曲こそが新しいというような風潮があって、いろいろな曲にひかれているところです」と明かした。続けて、リリーが「番組で歌ったことはないですが、もかおさんと男女のデュエット曲を歌いたいですね」と提案すると、上白石も「ぜひぜひ」と笑顔で応じていた。


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