大島由香里、「5時に夢中!」19年の歴史で初の女性司会に! 緊張をほどいてくれたマツコ・デラックスからの言葉とは――インタビュー【前編】2023/04/10
4月3日の放送より、「5時に夢中!」(TOKYO MX)の新MCに就任した大島由香里さん。同局の「バラいろダンディ」でもタッグを組んでいた垣花正さんと再タッグを組み、個性豊かなコメンテーター陣と一緒に番組を盛り上げている。
今回は、「5時に夢中!」就任初日の放送直後に大島さんを直撃。心境や番組への思いなどをたっぷりと語ってもらった。なお、後編は本日正午に公開予定。お楽しみに。
――初日の放送、お疲れさまでした!
「ただ、1時間楽しく笑っていたら終わっていた感じです。マツコ・デラックスさん、若林史江さんという、とっても空気感が出来上がっているところにお邪魔さしてもらって、すごく楽しんだという…MCとしてはどうかと思うんですが(笑)。でも、それでよかったのかなという感じはしているので。手応えとかは、これから放送回数を重ねていって感じられればいいかなと。今日は楽しむ余裕があってよかったなと思いました」
――放送を拝見したのですが、スタジオの雰囲気がすごく柔らかい印象を受けました。
「番組の空気感が出来上がっているというのもあるんですけど、垣花さんとは2年前に『バラいろダンディ』で組んでいたんですよね。だから、今回が初めましてじゃなかったっていうのが大きかったなって。それに、垣花さん自身も『ダブルMCってどんな感じなんだろう』という感じで。垣花さん自身もゼロからのスタートだったので、2人で助け合いながら、でも、楽しみながらという感じでできたのかなという気はしています」
――垣花さんと何か打ち合わせはされたのでしょうか。
「曜日とかコーナーで仕切る人を変えていこうっていうことなんですけど、とは言いつつ、かなり流動的になりそうな気はします。成長過程というか、その変化も含めて楽しんでもらえたらなと」
――「5時に夢中!」、ひいてはTOKYO MXの魅力を伺えますか。
「よっぽどのことがない限り何でもありっていうのが、TOKYO MXの素晴らしいところ。そこを逆に楽しみにオンエアをやらせてもらっているっていうところはあって。今日、放送が始まる本当に寸前に、『あんた、ちゃんとMCやろうなんて思わなくていいのよ!』ってマツコさんがポロっと言ってくださったんです。あの言葉が緊張をほどいてくれたというか…『そうだな』というふうに思わせてくださったので、本当にマツコさんに感謝です。スタッフの方々も一緒に作り上げていこうよという雰囲気でやってくださっているので、一緒に成長していく番組だなって思っています」
――「バラいろダンディ」のアシスタントをされている中での今回のオファーだったと思うのですが、受けた決め手は何だったのでしょうか。
「『バラいろダンディ』、3年半やったんですよね。1年半垣花さん、2年ふかわりょうさんと一緒にやって、ようやく、ふかわさんとの空気感が固まりつつあった瞬間ではあったので、やっぱり寂しいなっていう思いが強く出たのは事実で。でも、よく考えたら、『バラいろダンディ』から『5時に夢中!』に移った人っていないんですよね。垣花さんは置いておいて、アシスタントのポジションというか、女性アナウンサーポジションとして異動した人って多分いない。初めての試みをこうやってチャンスとしていただけたっていうのはすごくありがたかったし、両方経験できるありがたさをすごく感じたので…すごく寂しいけど、また新しいことが一からできるんだっていうワクワクみたいなものもありますね」
――ようやく出来上がったものをまた一から…不安じゃなかったですか。
「でも、まあ建物一緒だし(笑)。出入りする建物が一緒なのと、見合わせる顔も顔見知りな人たちもいっぱいいる中での変化なので、ちょうどありがたいんですよね。本当に新しい場所で、全く初めましての人ばっかりで…っていうのだと、心構えみたいな、緊張感みたいなのもかなり違うとは思うんですけど。『5時に夢中!』は何回か出させてもらっていたっていうのもあるし、それとレギュラーとはまた全然違う話ですけど、この部屋の匂いというか、その家の嗅いだことある匂いっていうのが想像できたので、ちょうどいい具合に自分を試せるっていうのもそうですし、意外と私は保守派というか…心から新しいことにチャレンジするのを、ワクワクするよりもちょっと心配っていう方が意外と勝っちゃう性格なので。すごくいい環境で、新しいチャレンジをさせてもらえるなと思います」
――今日、無事に月曜日の初回を終えましたが、火曜以降、楽しみなことは…?
「全然違う番組なんですよ(笑)。それは、視聴者として見ていても思うんですけど、本当に違う番組なんですよ! だから、今日初日を終えたからって、今日の経験値が明日生かせるかといったら、またちょっと不明だなって思っていて。でもスタッフさんたちも含めて、とにかく1週間やってみようっていうチャレンジの気持ちの方が大きいと思うので、そこは私も乗っかって。私も、『ここまでやっちゃダメかな』とか『あ、ここはちょっと引いた方がいいかな』とか、さじ加減みたいなものは1週間体験して、調整していけたらいいかなって。曜日によって違う番組だし(笑)、その週によっても全然違う空気だったりするので…もう出たとこ勝負ですよね!(笑)。でも、それが生放送で、TOKYO MXの『5時に夢中!』のいいところだなって思っています」
――生放送中に手紙が来て、読んでコメントをして…という流れがありましたが、やはり特別感があるものでしょうか。
「もちろんですね。見てくださっている方の生の声って、最近はTwitterから出したりする番組も出てきていますけど、普通のテレビの生放送ってなかなかできない…紙で来て、自分の出ている番組の自分の感想とかをもらったりするとライブ感もありますし、お手紙のやりとりっていうのがまたいいなと! そして、私がその場で返事が届けられるっていうのが楽しくてしょうがないですね」
――出演されるにあたって、準備されたことはありましたか。
「番組をよく見ることかな。もちろんずっと見ていたんですけど、構成とか、コメンテーターの方々の“間”とか空気感っていうのを、すごくちゃんと見るようになりました。今までは、イチ視聴者として番組を純粋に楽しむっていう感じだったんですけど、『この人にこういうことを振る時は、こういうふうに聞いた方がいいな』とかね。あとは、マツコさんとか顕著ですけど、しっかりと間をとって話されるじゃないですか。あの間を焦っちゃいけないなとかね。でも、今日はちょっと焦っちゃった…(笑)。間が怖いなと思って、なんかしゃべろうと思っちゃうんだけれど、考えているマツコさんが映っている間っていうのもこの番組のよさというか。それを見たい人がいっぱいいるんだろうなって思うから、そこを壊すようなことをしちゃいけないなとかね。事前に知っておくっていうのは大きいと思うので、そういうのはちゃんとしっかり見るようにはしました」
――特に勉強しなきゃっていう感じは…?
「多分ね、勉強しても役に立つことあんまり…そんなことないのかな(笑)」
――月曜は“マツコとフミエのもっとやっつけ晩御飯”のコーナーとかがありますが、ネタを集めておこうとかは…。
「ないない! ないです(笑)。それを逆にやらないようにしようと思っていて。例えばね、今日も一緒に“やっつけ晩御飯”やっていて、『大島さん、おつまみ作ったりするんですか?』って聞かれたじゃないですか。その時に頑張っちゃうと、『作りますよ! 鶏肉をこういうふうに漬け込んで~』とかって言っちゃうんだけれども、別に頑張んなくていいじゃんと思って! 自分のためだけになんて作る時間もないし、そんな時間あったらビールもう1杯飲みたいし(笑)、みたいなマインドなので。準備をしないで、そのままの自分を出すことが準備段階で一番必要なことだったかな」
――生放送の司会をやる上で、大事にされていることがあればぜひ教えてください!
「なんだろう…台本にとらわれないことかな。フジテレビの報道時代は、生放送で原稿を正しく読んでニュースを伝えるということをやってきたんですけど、情報バラエティー番組になってくると、全然違うなと感じていて。やっぱりアナウンサーだから、台本通りに進めるためにはこの言葉で締めて、この言葉で振って、こういうふうに紹介して…って、間違えないようにやろうという性質がどうしても深く根付いていて。でも、それをやらない方がいいんだなっていうのを、『バラいろダンディ』時代にものすごく感じたんです。変えるのに一番苦労した点ではあるんですけど、それを今日あらためて感じましたね。まさか、オープニングでフライングディスクが飛び交うなんて思っていない(笑)」
――(笑)。
「伝える側としては『フライングディスクがもらえるんです!』って紹介してから、フライングディスクの存在を見せるっていう流れが固定観念として固まっちゃっていたんですけど、『いや、そうだよね』って。ここにフライングディスクがあるんだから、別に投げて飛ばしたっていいんじゃんって。台本にないことをやっている時の方がはるかに盛り上がるし、面白いんですよね(笑)。でも、自由気ままに勝手にやっていると、何も進まないので(笑)。その空気は大事にしつつも、ちゃんと最低限の言葉で進行しようと思いました」
――生放送だと時間が限られているので調整が大変ですよね。
「『バラいろダンディ』の時もそうだったんですけど、『このコーナーやるのに残りこのぐらいの時間しかないから、絶対ここで終わらせなきゃ!』みたいなことをあんまりMXは重要視していないというか。めちゃくちゃ盛り上がって面白かったら、ここ紹介できなくてもいいじゃんって。例えば、ランキングをやりますってなった時に、ひどい時とか『第2位と第1位は時間がないので紹介できませんでした!』とか、しょっちゅうやるんですよ(笑)。でも、それで全然いいと思っていて。別にランキングの1位、2位が大事なんじゃなくて、何を伝えたかの中身の方が大事だから。それの方が、生放送のオンエア上いいんじゃないかなって思ったので、凝り固まった固定観念をガラっと崩していかなきゃって思いましたね」
このあと正午にはインタビュー後編をお届け! 大橋未歩さんからのアドバイスや、自分のイメージを壊していきたい訳など、たっぷりと伺ったのでお楽しみに。
【プロフィール】
大島由香里(おおしま ゆかり)
1984年1月24日生まれ。神奈川県出身。2007年にフジテレビ入社後、「ニュースJAPAN」「あしたのニュース」などの報道番組をメインに担当。17年にフジテレビを退社後は「バラいろダンディ」(TOKYO MX)のアシスタントを務めたほか、さまざまなバラエティー番組などで活躍中。自身のYouTubeチャンネル「大島由香里に乾杯!」には、すっぴん姿での晩酌動画やバイク動画がアップされ素の姿が見られる。
【番組情報】
「5時に夢中!」
TOKYO MX
月~金曜 午後5:00~5:59
取材・文/Y・O 撮影/尾崎篤志
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