白鳥翔インタビュー――麻雀プロになったきっかけは「モンドの対局放送」2023/03/30
MONDO TVでオンエア中の「モンド麻雀プロリーグ」は1年間を通じて開催される老舗のテレビ対局放送。モンド王座を頂点として、「女流モンド杯」「モンド杯」「モンド名人戦」で麻雀プロが熾烈(しれつ)な対局を繰り広げている。この「モンド杯」で昨年優勝したのが、日本プロ麻雀連盟に所属する白鳥翔プロである。そこで、白鳥プロに「第23回モンド杯」を前にインタビュー。意識している選手や苦手な選手、意気込みなどについて語ってもらった。
── まずは「モンド麻雀プロリーグ」の魅力を教えてください。
「実は僕がプロに入った理由というのは、MONDO TVさんの対局放送を見たことがきっかけなんです。もし、MONDOの麻雀を見ていなかったら、麻雀プロにはなっていなかったかもしれません。今でこそ、各局でたくさんの放送対局を見られますが、僕世代のプロは『モンド杯』を目標にしている方も多かったんじゃないでしょうか。また、『モンド麻雀プロリーグ』には僕ら若手の『モンド杯』のほかに、女流プロのリーグやレジェンドの方たちによる『モンド名人戦』の対局放送があります。レジェンドのみの対局番組はほかではなかなかないので、僕的には『モンド名人戦』が一番魅力的に感じます」
── 前回の「第22回モンド杯」で白鳥さんは優勝いたしました。あらためてその時のお気持ちをお聞かせください。
「以前、成績が悪くて『モンド杯』に出られなかった年がありました。結果だけじゃなく内容も悪く、すごく後悔の残る麻雀をしてしまったんです。それでも推薦枠で呼んでいただき、とてもうれしかったのと同時に、やはり最低でも決勝に残らないといけないというプレッシャーも少なからずありました。僕は麻雀に関しては、内容よりも結果を出さないと見てもらえないと思っています。プライベートでもいろいろあった時期なので、弱っていると思われたくない気持ちも強くて(笑)。なので優勝した時はめちゃくちゃうれしかったです」
── 今回、「第23回モンド杯」で意識されている方はいらっしゃいますか?
「やっぱり(佐々木)寿人さんです。寿人さんは僕と真逆のタイプ。僕は読み、守りを重視するんですが、寿人さんは直線的に攻撃して攻めてくるタイプ。『モンド杯』では最多優勝者でもありますし、圧倒的な強さがあります。自分たちの持っているフォームのぶつかり合いを見せるのがテレビ対局でもあると思っていて。たくさんの方たちが見ている前で、どちらのスタイルが強いかを見せるにあたり、寿人さんを倒したいって気持ちが強くなありますね(笑)」
──ところで、苦手だなと思う方はいらっしゃいますか?
「柴田(吉和)さんです。麻雀では読みが見えない時、または分からない時は“引く人”と、分からないから“いく人”、2パターンのタイプの人がいます。柴田さんは、分からない時、真っすぐいくことができるんです。麻雀は攻撃している方が得なので、分からない時にいける人の方が強いんです。僕は分からない時、なかなかいけなくて。最近徐々にいけるようにはなってきたんですが、そこでいける強さを柴田さんは持っています。だから対戦していると、とてもやりづらくて(笑)。以前も決勝で優勝できそうな年があったんですが、その時も柴田さんにまくられる形で優勝を逃してしまったことがありました。柴田さんは本当に強いプロだなと思っています」
── そして、白鳥さんといえば、髪形や髪の色、衣装などいつも個性的なファッションで注目されています。
「僕、最初に『モンド杯』で麻雀を見た時、滝沢(和典)さんを見て麻雀プロになりたいと思ったんです。ちょっとホストっぽい格好をしていて、髪は刈り上げと長いところがあったりして。今は皆さん、きちっとスーツを着用する方が多いです。でも、麻雀に興味のない人に1秒でも長く見てもらうには、どういう部分で僕が協力できるかというと、見た目だと思ったんです。“えっ、こんな人いるの?”と思っていただければ、うれしいなと。自分が無理をせず、自然な形でやりたいことをやって、それで視聴者の目を引きつけられるならいいな、と思ってファッションにはこだわっています。なので決して、単にチャラいわけではありません(笑)」
── ちなみに、白鳥さんはオカルトを信じますか?
「ないと言ったら、うそになりますね。僕は自分が経験したことしか信じないタイプ。対局中でいえば、七対子は流れを変える役だと思っています。めちゃくちゃオカルトなんですが、すごく信じています。麻雀は4面子と1雀頭を作る勝負。でも、そこから外れた7個の対子を作る七対子のみ、早くあがれる時があって。相手の調子を崩せる役は七対子だと思っています。ルーティーン的なことでいえば、大会当日の朝は必ず湯舟につかるようにしています。あと神社やお寺はむちゃくちゃ好きなんですが、“麻雀を勝たせてください”とお願いしたことはありません。“見ててください”という気持ちでお祈りをしています」
── 最後に、今シリーズに向けて意気込みをお願いします。
「かつて連覇できるかも!というタイミングに、手から滑り落ちた瞬間がありました。その時は柴田さんに優勝をもっていかれ、めちゃくちゃ悔しくて。連覇するには前回で優勝していなければならず、今回は連覇のチャンスとなっています。今後、このようなチャンスは2度とないかもしれないので、連覇となる優勝を目指して頑張ります!」
【プロフィール】
白鳥翔(しらとり しょう)
日本プロ麻雀連盟所属。1986年東京都生まれ。慶応義塾大学卒。Mリーグ・渋谷ABEMAS所属。第18回、22回「モンド杯」優勝。
【番組情報】
モンド麻雀プロリーグ22/23「第23回モンド杯」
MONDO TV
5月23日スタート
火曜 午後11:00~深夜0:30 ほか
※9月5日 最終戦(優勝者決定予定)
取材・文/今井敏行 撮影/尾崎篤志
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