「キッチン革命」葵わかな、伊藤沙莉の熱演を共演者が大絶賛! 作品に込めた思いや撮影秘話が明らかに2023/03/20
テレビ朝日系では3月25・26日に放送される、2夜連続スペシャルドラマ「キッチン革命」(午後9:00)の制作発表記者会見が行われた。葵わかな、伊藤沙莉、林遣都、渡部篤郎、北村一輝、薬師丸ひろ子が登壇。作品への思いや撮影秘話について語った。
「キッチン革命」は、戦前から戦後にかけて激動の時代に料理と台所、“食に関わる革命”を起こして日本を変えた2人の女性の姿を描く。25日放送の第1夜では、計量カップ、計量スプーンを生み出し、現代で言うレシピ=“料理カード”を作り上げた女性医師をモデルとした香美綾子役を、葵わかなが務める。そんな綾子を懸命に支える先輩医師・香美昇一を林が、綾子を栄養学の道に導く恩人・花園順三郎を渡部が演じる。一方、26日放送の第2夜では、伊藤沙莉が扮(ふん)する、日本初の女性建築家をモデルとした浜崎マホが主人公。長い間暗くて寒い北側に追いやられ、使い勝手の悪い設備の中で女性たちが1日中働く場所であった“台所”の改革の裏側が明らかになる。マホと共にダイニングキッチン作りに奔走する、日本住宅公団日本住宅公団・設計課長の本郷義彦役を成田凌、マホと対立する日本住宅公団副総裁・鈴木仙吉役を北村が担う。そして、壮年期の綾子に扮し、綾子とマホの運命が交錯するシーンを薬師丸ひろ子が演じる。
葵は演じた綾子について「“力”が必要な役柄だった」と回顧。「撮影しながら大変だなという思いもあったのですが、私自身、演じながら綾子に励まされていた部分がありました」と語り、「第1夜は時代の流れが長く描かれており、大学に進学する娘時代から薬師丸さんにバトンを渡すまでの長い年月にわたって、同じ人物を演じさせていただきました。シーン数がとても多かったのですが、綾子は激動の人生を送った人物なので、すべてが取りこぼせない大事なシーン。『一つ一つを積み重ねていかなければ、薬師丸さんにバトンを渡せないぞ』という思いがありました」と明かした。
そんな激動の時代の中でパートナーとなる昇一を演じた林に関しては、葵の「先輩・後輩として出会い、その後、夫婦になっていく過程を丁寧に積み重ねていけばいくほど、2人の関係性が最後によりすてきに見えると思ったので、『このワンシーンが最後のシーンを作るんだ!』という気持ちで臨んでいました」という真っすぐな思いが伝えられると、林も「出番が来る前に、わかなちゃんと和田正人さんのシーンの撮影を見学しに行ったんです。スタジオに入った瞬間に、わかなちゃんのスタジオ中に響き渡る声が聞こえてきて、『あぁ、脚本で読んだ綾子さんがすぐ近くにいる!』と感じ、会うのがすごく楽しみになりました」と期待を寄せていたそうで、「実際にお会いして間近でお芝居をしたら、あふれ出るエネルギーをビリビリと感じて。2人でしっかりと脚本に書いてあったすてきな関係性を築いていきたいなと思いました」と葵の熱演に触発されたことを告白した。
また、綾子にとっての恩人・花園を演じた渡部は「華やかな作品に呼んでいただいて光栄に思っております。彼は主人公のよき理解者でよき上司。100年ぐらい前に生きていたという設定の人物ですが、部下に対する愛情は現代でも同じなので演じやすかったです。基本、私は女性を優先するタイプの人間ですしね(笑)」とユーモアを交えて述べた。
第2夜の主人公・マホ役の伊藤は「演じるにあたって、モデルとなった建築家・浜口ミホさんの経歴や写真をたくさん拝見し、撮影が始まる前から演じさせていただくのが楽しみでした。撮影している最中もすごく楽しくて、革命を起こす人を描くのって本当にワクワクするなと思いながら演じていました」と充実した表情を見せ、「できない理由を考えるより、できる方法を考える」というセリフが口癖のマホだが、そんな彼女を伊藤も「すごく生き生きとした、やる気に満ちたエネルギッシュな女性」と感じているようだ。
加えて、「外国で育ったこともあって、常に時代を先取りし、先進的な考えを持っているところをまだ知らない人に教えたりする時に、“上から”の発言になるのを避けたいなと思っていました。モデルとなったミホさんは笑顔がすてきな方なので、愛情深い人という面を大切にしたかったんです。諦めない心や一直線に目指すものがある、ということが真っすぐ視聴者の皆さんに届けばいいなと思いながら演じさせていただきました」と役作りへのこだわりを熱く語った。
また、マホと対立する仙吉役の北村も「本作は、女性地位向上を描いたドラマ。今の時代にとてもリンクしているなと思い、幸せを感じながらオファーを受けたことを覚えています。ダイニングキッチンの発明はもちろん、今の女性の地位につながる1ページが描かれ、その裏にある人間にとっての大事な部分や今の時代にまで通じる革命的な部分が盛り込まれているなと思いました」と作品の魅力に触れながら、「(仙吉は)マホから見れば“抵抗勢力”にあたる人物ですが、そういう人物がいるからこそ力が一つにまとまったり、強くなったりするのだと思います。保守的な人が多い中、周りが敵だらけになるような立場に自分の身を置くパイオニアはすごいと思いますし、マホという人間はかっこいいなと思いながら演じていました」と、物語の鍵を握る重要な役への思いとともに、自身の見解を披露した。
第1夜から第2夜へバトンをつなぐ役割を担った薬師丸は「葵さんと林さんはお二人とも実際はお若いのに、年をとったシーンでは、哀愁を漂わせた素晴らしい夫婦像を作り上げていらした様子に涙しました。じっくり胸に染み込む素晴らしい作品に出演させていただいたんだなという感想を持ちました」と、若いキャストたちの熱演をしみじみと称賛。
演じた綾子については「子どもの頃に母親と死別したことから、『人の役に立ちたい』『食事で体を治すんだ」』という思いが根底にあって、それが綾子を“栄養大学を作る”というところまで導いていったのではないかなと思います。計量によって料理は80%おいしく作ることが可能になるけれど、残りの20%に加えるものはもっと大事な要素がある…ということを、生徒さんに教えたんだと思います。皆さんも残り20%の部分は、ドラマを見て納得していただけたらうれしいです」とコメントした。
さらに、伊藤が演じるマホに対しても、「劇中、1人で大学に乗り込んで、自分の考えたこと、生み出したことが間違っていないか、ダイニングキッチンがみんなの生活にとってどれほど有益なものになるのか、ということを証明したマホさんはとても勇ましいなと思いました。そして、そんな彼女を見守ってくれる仲間がいたということ、それがマホさんがとても魅力的な人だったという証明のように思えました」と彼女の人柄を称えた。
また、会見には出席がかなわなかった成田からは、ビデオメッセージが到着。「すごくいいチームで、撮影初日から“もう何年も一緒にやってきたチームなんじゃないか”という感覚になるぐらい、すごく楽しい撮影でした」と振り返りながら、「マホを中心に、日本のキッチンをよりよくしていこうと動く、すごく熱量の詰まったドラマですが、同じチームの人たちがユーモアたっぷりで、登場人物みんながいとおしく思える作品」と作品への期待感を高めた。
このメッセージを見た伊藤は「『こういうシーンにしたいよね』とか『こういう作品になればいいよね』という思いを同じ熱量で話してくださったので、共に一つの目標に向かって戦っていけるパートナーであり、チームの一員であるということが、すごく心強かったです。建設課チームはみんな和気あいあいと楽しく、絆を感じましたし、本当にいいチームだなと思っていました」と現場のチームワークのよさをうかがわせた。すると、成田からのビデオメッセージの続きが用意されており、成田から「(伊藤は)何度目かの共演なのですが、こんなに2人でガッツリ組むのは初めてでした。笑い声でどこにいるか分かるような人なので、彼女の明るさで現場は毎日、保たれていたようなものでしたね」と伊藤の人柄に支えられていたことを伝えた。
お芝居においても、「マホという力強いけど優しさがある、愛情深い役柄がとても似合っていました。常に伊藤さんを中心に作っている作品という印象があり、本当にありがたかったです。自分は、セリフを間違えちゃったり、かんだりした後の伊藤沙莉がすごく好きです。自分への怒りを爆発させるので、いとおしいなと思って見ていました(笑)」と撮影の裏側を明かすと、伊藤も「ありがたいですね。専門用語やパパパッと早口のセリフもあって、そういうところでつまずいたりして『ごめんなさい!』ってなった瞬間を、成田さんは一番間近で見ていた方。お恥ずかしながら、そんなふうに思っていただいていたならホッとしました(笑)」と照れ笑いを浮かべながら、安心した様子だった。
さらに、第2夜で共演した北村にもビデオメッセージが。北村の印象を聞かれた成田は「すてきでしたね。本当にカッコよかったです。ずっとお会いしたかった方なので、ご一緒できてうれしかったですね」とうれしそうに話すと、「でも、いかんせん北村さんは“ゲラ”なんですよね。この作品、ゲラが集まってしまったというか、シリアスなシーンなのにみんな笑っちゃってNGを出すということが多々ありました。自分は、それ全部北村さんのせいかなと思っています(笑)」と北村の一面を明かすと、これを聞いた北村は「僕も大好きなんですよ(笑)」と成田への愛をこぼしながら、「沙莉ちゃんと成田さんは今回共演する前からいろいろな作品を見せていただいて、素晴らしい俳優だなと思っていたので、現場でお会いできて勉強にもなりましたし、本当にすてきだなと思いました。現場っていいんだなとも思いましたし、沙莉ちゃんや成田さん、そしてほかのキャストの方々と共演できたことがとても幸せです」と感謝を述べながら、笑顔を見せた。
成田からのビデオメッセージに続き、監督を務めた豊島圭介氏からもメッセージが。第1夜では葵と林に「役柄が年齢を重ねるにつれて振る舞いを変化させ、その演技のさじ加減がすごい」と絶賛され、そのメッセージに葵は「着物やヘアメークなどに助けていただいた部分もたくさんあるのですが、監督とも『このシーンでは綾子は〇歳』など、たくさんお話しさせていただきながら撮影したので、心強かったです 」と話すと、林は「僕はひたすらわかなちゃんに感謝しています。綾子さんと昇一が出会い、結ばれ、別れを迎えるまで、心を込めて気持ちをぶつけてきてくださったので、僕はひたすら感化されたり、心を動かされたりしていただけで。若い世代であんなに着物が似合う方はなかなかいないと思いましたし、僕に向けてくださるまなざしも長年連れ添った奥さんのような居心地のよさがあったので、僕はただそこに浸りながら演じさせていただきました。ご一緒できてうれしかったです」と葵へ賛辞を送った。
第2夜に出演した伊藤と成田には「50年代の日本映画のように“早口だけどきっちり言葉は伝える”という演技をお願いしたので、負担は大きかったはず」とコメント。これに対し、伊藤も葛藤はあったようで、「最初にそう言われた時は『どうしよう』と思ったのですが、監督には『小気味のいいテンポで進むシーンはいいですが、本当に伝えないといけない場面で早口を意識してしまうと、お芝居が流れてしまうので、大切にしたいです』と伝えさせていただきました。私だけではなく、みんなで一緒に作っていった空気感や、スピード感があったと思います」と言い切り、作品へのこだわりが垣間見えた。
質疑応答コーナーでは、「皆さんが今、熱中しているものは?」という質問が投げ掛けられ、葵をはじめ、ほとんどのキャストが「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」での侍ジャパンの活躍に夢中だと回答する中、林と伊藤はこの作品に影響を受けたようで、「土鍋で胚芽米を炊くこと」(林)、「計量カップ、計量スプーンを使って料理を作ること」(伊藤)と打ち明ける。さらに、北村は「僕はいつも仕事です! 間違いなく仕事です。もう1回言いましょうか? WBCも大事ですけど、仕事です(笑)」と仕事第一であることを力いっぱいアピールし、会場を笑わせた。
最後には、「一生懸命、丁寧に作った作品です。皆さんに元気を届けられるストーリーだと思いますので、第1夜、第2夜ともに楽しんでいただければと思います」(葵)、「すごくワクワクする活気のある作品だと思いますので、皆さん楽しんで見ていただけたらうれしいなと思います。よろしくお願いいたします」(伊藤)、「葵さん、伊藤さんというすてきな女性お二人が真正面から役に取り組んだことによって、このドラマが本当に素晴らしいものになったと思いますし、私自身とても感動しました。今の時代にぴったりな役柄を2人がすてきに演じられたことで、このドラマがますます輝いたと思います。ぜひご覧ください!」(薬師丸)と、あらためて3人のヒロインが視聴者へのメッセージを伝え、会見を締めくくった。
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