石井杏奈、意識してネガティブな感情を持たないように 「“これが自分だ!”と受け入れた方がもっと良くなる」――「悪魔はそこに居る」インタビュー2023/03/16
小説投稿サイト「エブリスタ」で人気を博し、「めちゃコミック」でコミカライズされ累計100万DLを突破した話題作を、吉谷彩子さん&石井杏奈さんのダブル主演でドラマ化したオリジナルドラマ「悪魔はそこに居る」が、動画配信サービス・Paraviで独占配信中。
主人公は、子どもの頃から一緒に育ってきた、いとこ同士の今西詩(吉谷)と九条美園(石井)の2人。意地っ張りで素直に感情を表すことが苦手な詩と、誰からも愛されるキュートで甘え上手な美園という対照的な2人は、都内のマンションで同居していて、家族でもあり親友のような存在です。しかし、悪魔のような冷徹な心を秘めた美園の裏の顔を知らずに同居生活を送る詩は、徐々に破滅へと追い込まれ、美園の裏切りに気付いて絶望した詩は、復讐(ふくしゅう)を誓って反撃に。女性同士のコンプレックスやゆがんだ競争心や承認欲求が生み出す、ドロッとしていてヒリヒリ感のある愛憎サスペンスストーリーは、良くも悪くも幅広い女性が共感するドラマとなっています。
ここでは、詩へのゆがんだ愛を見事に表現する石井さんにインタビュー。本作の印象や役作りで気をつけたことはもちろん、美園を通して成長したことなどについて語っていただきました。
――台本を読んだ第一印象や役柄への印象を教えてください。
「第一印象からとても面白い作品だと思いました。復讐劇は物事の背景が気になる作品が多いのですが、本作もいとこという近い間柄だからこそ起きたさまざまな出来事を予想することができたので、より深みのある作品にしていきたいなと意気込んで撮影に臨みました。最初は詩をだましながら過ごしている美園ですが、後半からはどんどん悪魔的な本性が出てくる役柄。そんな美園のすべてには共感できなくても理解したい気持ちがあったので、役をとことん愛して演じたいなと思いました」
――実際に演じてみていかがでしたか?
「美園のような人が私の身近にいたら応援したいなと思えましたし、人柄を深く知るために友達になりたいなと思います。作中では強くののしるシーンもありますが、演じながら美園にもどこか優しくなりたい気持ちもあるのではないかと感じていました。美園の愛がどこにあるのかが理解できれば、少しでも彼女の気持ちに寄り添うことができるのではないかなと思い、模索しながら演じていました」
――視聴者に共感してもらえそうなポイントはどこだと思いますか?
「自分が演じた役だからというのもありますが、美園だけが悪いとは思えない部分もあります。確かにもっといい気持ちの表現方法はあったのかもしれないけれど、愛せる部分はたくさんあるなと。人間みんな嫉妬やねたみを持っているからこそ、共感してもらえる瞬間が少なからずあると思うので、そこを見つけてもらえたらいいなと思います。特に本性を出してからは、なるべく美園に共感してもらえるように演じたいと思っていました」
――本性を出す前と後では、どのように芝居が変わったのでしょうか。
「前半は、どう演じたら視聴者目線で面白いかということを考えて、見せ方重視で演じました。実は今までそんなふうに考えてお芝居をしたことがなかったのですが、本作では周りをだますキャラクターだということを分かりやすくするために、含んだ笑みを出す場面などについて監督と細かく話し合いました」
――監督からは役柄についてどんなアドバイスがありましたか?
「監督からも『あざとさ全開でぶりっ子な女の子にしなくていい。普通の女の子でもするようなことをちょっと大げさにやっちゃうくらいのあんばいで』とお言葉をいただき、私もやり過ぎたくないなと思っていたので、監督と私の意見をすり合わせながら演じていました」
――ご自身から監督に相談した部分はありますか?
「罵倒するシーンは大きな声を出さないといけないこともあって家では練習できないので、現場で出た感情を交ぜながら演じていました。その時に瞬発的に出た感情で大丈夫かどうかをリハーサルなどで監督に確認して、自分の演技プランをしっかり伝えながら相談させていただきました」
――では、原作から参考にした表現などはありますか?
「私は、基本的にどの作品でもあえて原作は読まないようにしています。読むとお芝居の正解が決まってしまうのではないかなと思っていて…」
――伊崎紘役の上杉柊平さんもインタビューで全く同じことをおっしゃっていました!
「そうなんですね! おそらく原作を読むか読まないかは最初にご一緒した監督の方針や作品によって変わるものだと思います。私は、『今回は違う作品として作りたいから前作は見なくていいです』や、『原作は読まなくていい』と言われる作品がたまたま多かったこともあり、そういう考え方になったのだと思います」
「相手と対峙して感情をぶつけ合うことの良さと悪さの両方を伝えたい」
――「誰もがネガティブな感情を抱えている」というお話がありましたが、石井さんにもそういう瞬間がありますか?
「今でこそ、さまざまな角度から考えることができるようになりました。お芝居でも、完成した作品を見て『なんでこういうお芝居になってしまうのだろう…』など、自分への憎しみが募ったことも。『どうやったらあの人みたいにお芝居できるんだろう』と考えてしまう時期がありました」
――そのような時期がおありだったんですね…!
「はい。でも、いつの日からか受け入れることができるようになっていました。“これが自分だ!”と受け入れた方がもっと良くなりますし、出来上がった作品に対してマイナスなことを考える時間よりも、次は何ができるかを考えた方が成長できるなと。それに気づいてからは、徐々にポジティブ思考になれてきていると思います。今でも人に対してうらやましい感情を抱くことがありますが、そればかりを考えると自分が暗くなる気がするので、意識してネガティブな感情を持たないようにしています」
――なるほど。先ほどプロデューサーから、「詩や美園の年代の女性は自己肯定感は低いけど、承認欲求は高い傾向がある」というお話があったのですが、どう思われますか?
「まさにその通りだと思います! SNSのいいね数で承認欲求を満たすことが主流になっていますが、あまりにもそこにこだわり過ぎると、自我がどこにあるか分からなくなってしまうような気がします。SNSが匿名で書き込める現代だからこそ、相手に直接怒るような感情の衝突を避ける風潮も強いと感じていて、だからこそ実際に相手と対峙(たいじ)して感情をぶつけ合うことの良さと悪さの両方を本作を通して伝えたいと思っています。本作は、私にとっても自分の自我について考えるきっかけになったので、皆さんにとってもいい機会になったらいいなと思います」
――美園を通じて成長できた部分があるんですね。
「そうですね。美園を演じたことで、自分を俯瞰(ふかん)できるようになったと思います。どんな憎しみにも誰かへの愛情があると思うので、思いやりを持てば何事もうまくまとまるのではないかなと考えるようになりました。思いやりこそが怒りや悲しみの感情を収めてくれるものなのではないかなと。私ももっと人を思いやりながら接していきたいと、心をあらためることができました」
――では、最後に視聴者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
「後半からは怒濤(どとう)の復讐劇が始まると思います。詩、美園、(和田雅成演じる)新谷(貴人)、伊崎、それぞれの感情がぶつかり合っている本作なので、視聴者の皆さんも誰かしらの思いに共感していただけるのではないかなと思います。ぜひ最後まで見届けていただけたらうれしいです!」
取材中、最近悪魔的にハマっていることを伺うと「カレーが大好きなので、ここ数年はずっとカレーって答えてしまっているんです(笑)。でもそれだと代わり映えしないので、食器と答えさせてください! 最近さまざまな国籍の料理に合うようにたくさん集めているんです」と回答を考えてくださった石井さん。吉谷さんとの2ショット撮影時にも、落ちたイヤリングを拾ってつけ直してあげる一幕もあり、心優しい一面が存分に分かるインタビューとなりました。
【プロフィール】
石井杏奈(いしい あんな)
1998年7月11日、東京都生まれ。かに座。O型。映画「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」「ガールズ・ステップ」(ともに2015年)の2作でブルーリボン賞新人賞を受賞。最近の出演作にドラマ「東京ラブストーリー」(FOD)、「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」(フジテレビ系)、「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)、「金魚妻」(Netflix)などがある。
【番組情報】
Paraviオリジナルドラマ「悪魔はそこに居る」
木曜 午後7:00配信
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
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https://twitter.com/TVGweb/status/1636293978382548992
【締切】2023年4月10日(月)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/松村有咲(TBS担当) 撮影/尾崎篤志
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