木村昴が「どうする家康」トークショーに登場!“殿”松本潤のすごさとは?2023/03/06
NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「どうする家康」(日曜午後8:00ほか)のトークショーが、東京・二子玉川ライズで行われ、渡辺守綱役で出演している木村昴が登壇した。
古沢良太氏が脚本を担当する「どうする家康」は、誰もが知る徳川家康(松本潤)の生涯を新たな視点で描いた物語。今川家の人質だった少年が、弱小国の主として、織田信長(岡田准一)や武田信玄(阿部寛)などの化け物が割拠する乱世に飛び込み、さまざまな苦難に直面しながらも、個性派ぞろいの家臣団と戦国時代を生き抜いていく。
木村が演じる渡辺守綱は、やりもトークも一級品の三河武士。前作の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じた以仁王に続き、2作連続出演となった木村は、「2年連続はなかなか珍しいと思いますので本当にありがたい限りです。言葉を選ばずに言うと、めっちゃ、上がる(笑)。めちゃくちゃうれしいです。役者冥利(みょうり)に尽きるというか。僕のおじいちゃんが大河ドラマが大好きだったので、子どもの頃から一緒に大河ドラマを見ていたんです。実は、子役時代も大河ドラマのオーディションに行っていたんですが、(顔の)彫りが深くて…端正っていうの?(笑)。こういう顔立ちゆえに、役に恵まれなくて。理由を聞くと『この時代に、この目鼻立ちの人はいないのよ』と。そんな思いをしていた大河ドラマの役というのもあって、まず昨年やらせていただけたことがうれしかったんです。『いい時代が来たな』と。それだけでも光栄だったのに、まさかの2年連続。本当に皆さんありがとうございます」と幼少期の悔しい思いを経ての、連続出演に喜びを爆発させた。
続けて、「昨年出させていただいた時は、1話ゲストで、セリフはもちろんあったんですが、 源平合戦を始めるぞと刀をグーンと上げて、兵士たちの士気を高めた後、ナレーションで亡くなったことを告げられる(笑)。いわゆる名誉の“ナレ死”でした。それでも十分光栄だったんです。しかし、今回は渡辺守綱という家康の家臣としてともに戦う大役。恐れ多いんですけど、すごく楽しくやらせていただいています」と役への思いも告白。
そして、やりもトークも一級品という守綱は、まさに木村自身のようだと絶賛されると「いやいや。そんな、そんな」と謙遜。また、守綱は自身が声を務めている『ドラえもん』のジャイアンのようだとSNSで言われていることにも言及し、「登場した第7回(2月19日放送)の放送が終わった後、Twitterのトレンドに“ジャイアン”と入っていて、『なんで?』と思って。自分でも(放送を)見返しましたけど、めっちゃジャイアンでしたね」と振り返り、「あほたわけ! のび太!」とジャイアンの声で話し、会場を笑わせていた。
そんな守綱の人物像については、「寺内町ではお酒も好きで飲んでいますし、女性も好きだったと聞いていて、豪快な人というイメージがどんどん膨らんでいたので、大人になったジャイアンみたいな人かなとイメージをしていました。ただ、殿(家康)をたたいてしまったことを、ものすごく悔いていて。そこから一向一揆があって話が進んでいきます。殿についていくようになるところは結構インパクトがあるので、そこも期待してほしいです。守綱はシーンごとにキャラクターが変わっていく役なので、いろんな守綱が見ていただけますし、もちろん、戦のシーンも私の見事なやりさばきで戦っていますので、楽しみにしていてください」と役への手応えも感じているよう。
第7回で家康をたたいたシーンは1発撮りだったのかと聞かれ、「1発撮りを目指しました。できれば1発がいいなと思って臨みましたが、結果3発撮りでしたね。毎週、行われるリハーサルでちょっとビビっちゃって。目の前に松本さんがいたら、思いっきりたたけます? 無理でしょ?」と会場の人々に同意を求めながら、「ソフトにたたいたら松本さんの方から、『シーンとして成立しないから思いっきりたたいて』と言われて。『本番は思いっきり頼む。後日よろしく』と言われから、待っている間は(心臓が)バクバク。そして本番で『このあほたわけ!』とバーンってたたいたら、松本さんが『痛ってえな』と(笑)。『ごめんなさい! 力加減が分からなくなっちゃって』と謝りました。緊張したけど、その後、松本さんから『よかったよ』と声を掛けてもらって安心しました。あそこが緊張のピークだったので、後はもうずっと楽しいです」と松本とのシーンを振り返った。
さらに、やりを持って大立ち回りをする守綱ならではシーンに関しては、「やりの稽古がふた月くらいありました。殺陣の経験があるので刀は使えるんですが、やりは全然勝手が違いました。皆さんの想像されている2倍くらいやりが長くて、僕の身長より高いし、結構重いんです。だから振り回すと結構なパワーを使うし、下手に振り回すと人に当たっちゃうので、その感覚をつかむのにものすごく時間がかかりました。しかも、寺内町のお寺で振り回すんですけど、そのセットが広いわけじゃないんです。両側にある柱をよけて振り回すのが難しくて、何回もNGを出して大変でした。今は慣れてきて、戦のシーンでも問題なく扱えています。一級品になってまいりました」とやりを使いこなせるようになるまでの苦労を明かした。
もし今後大河ドラマでオファーが来たら、どんな役を演じてみたいかと問われた際には「ペリー、ペリー、ペリー」と3回連呼し即答。「ペリーじゃなくても、ペリーの仲間でいいでもいい」と顔立ちを生かした役をしたいと語り、「開国してください」と片言でセリフをいい、ペリー役を熱望。
気になる「どうする家康」の撮影現場の雰囲気はというと、「めちゃめちゃいいですよ。前作の『鎌倉殿』は、撮影日が1日だったので、現場の空気を感じ取るには時間が足りませんでしたが、今作は松本さんが気さくで、みんなのことを気にかけてくださる方なんです。撮影の合間の休憩時間などに、みんなに話を振って盛り上げてくださるので、ありがたいです。仲のよさは現場の空気につながると思うんです。みんながストイックで無口だと、プロとしてはかっこいいんだけど、現場の空気はちょっと重くなっちゃう。そこを殿が端っこの方に1人で座っている人がいたら『こっちにおいでよ』と呼んでくれて。僕もまさにその1人で緊張して端っこの方にいたら、『昴、今日ケーキの差し入れあるから食べれば』と言ってくださって。そういう方なので今回の撮影現場の“殿”といいますか。かっこいい松本さんがいてくれるおかげで、和気あいあいとしている感じです」と松本の気遣いに感謝する場面も。
加えて「松本さんがいっぱい差し入れをしてくれるんです。ケーキもですけど、全部めちゃくちゃ高級な、超いいやつなんですよ。それでみんな、『殿~!』って。みんな付いて行くと決めています(笑)。それに食事も連れていってくれるんです。この間、徳川家臣団のみんなで、戦のシーンの直前に一致団結するためにもご飯に行こうと誘ってくださって、少人数で行ったんです。そういうことをやってくれるところもかっこよくて。ご飯食べながら現場で不安なことがないかを聞いてくれたり、芝居の相談にも乗ってくれてめっちゃいい人。本当に最高です」と松本に全幅の信頼を寄せている様子。
徳川家臣団の中でよく話す人を問われると、「みんな、とても仲がいいんですけど、山田裕貴くんは特別仲良くしています。メークルームで僕が先にメークをしていると、裕貴くんが入ってきて、僕の乳首をつねるくらいに仲がいいです」と一風変わったエピソードでアピール。また、同じ年で以前に共演歴があるということで、「数年前に映画『100日間生きたワニ』というアニメ映画で共演したのがきっかけで仲良くなって。意外と1990年生まれの同い年の俳優さんって少ないんですよ。89年や91年生まれの俳優さんは結構いるんですけど、90年生まれの俳優さんはあまりいない印象だったんです。そうしたら山田くんも同じ印象を受けていて、珍しいねというところで意気投合しました。あとの同級生はエマ・ワトソンくらいしかいないかな(笑)。食事に行くこともありますし、現場で会えば、僕のアニメを見たよと言ってくれたり、最近山田くんが主人公を演じる新しいアニメ映画(『BLUE GIANT』)が公開されたので、(以前)アフレコのアドバイスを僕に聞いてくれたり、逆に僕はお芝居のこと聞いたりして、切磋琢磨(せっさたくま)しながら仲良くさせてもらっています」と交流のきっかけも回顧。
ほかにも、ものすごい役者の方々との共演でプレッシャーを感じることはあるかと質問され、「めちゃくちゃプレッシャーはありますが、殿がいい空気を作ってくれているので。NGを出した時も『OK、もう1回行こう』と盛り上げてくれるので、萎縮せずにすんでいます。みんながもっとトライしてみたい、もっと面白くしたいという気持ちになっていくから、すごくすてきな現場です」と松本が作り出す現場の雰囲気に、あらためて感謝を述べた。
今作で得たものを聞かれ、めっちゃあると言いながらも「おいしいおすし屋さんの住所?」と冗談っぽく回答。「殿が連れてってくれたおいしいおすし屋さんがすごかったんですよ! あまり言えないけど、回らないおすし屋さんで僕らしかいない。貸し切るんですよ。殿、すごいでしょ。一応、住所を教えてもらっていつか行こうと思って調べたけど、到底、僕が行けるようなお店じゃなくてビビりました。頑張ってそのおすし屋さんを貸し切れるぐらいまでなりたいと思います。みんなからしたら『勝手に行け』ですよね、すみません」と楽しそうに話した。
また、番組タイトル「どうする家康」にちなんで、「どうする木村昴」と自身に問いかけるとしたら何というかと尋ねられ、「僕は声優ですが、大河ドラマに携わらせていただくようにもなりましたし、普段はラップや落語など、いろんなことにトライしているんです。基本的に枠にとらわれず、できることはなんでも挑戦したいタイプ。声優だけどこんなこともできる、声優にもこんなことがやれるんだということをやっていきたいので、今後も結局あいつは何者なんだと迷われることもあるかもしれませんが、僕としては等しく楽しく挑戦させてもらっていて本当に充実しています。だから、お答えするんだったら、楽しすぎて『どうする木村昴』です」と充実した日々に満足している表情を見せた。
その後、イベント参加者からの質問で、「台本を見ながらセリフを話す声優と、セリフを覚える俳優の違いの難しさ」を聞かれ、「全然違います。アニメは台本を持ちながら読めますから、覚える必要はないんです。でも、難しいのが覚える必要がない分、ものすごく読み込まないといけない。一方、ドラマは台本を持たずにセリフを覚えて体を動かさなきゃいけなくて。普段、台本を持ってやっている自分からすると、体を動かすということが大変かなとは思っていたんですけど、意外とできちゃいましたね。というのも、舞台をよくやっているので、体を動かすことには慣れているんです。大変なことといえば、セリフの言葉遣いが難しいから、それを覚えるのが大変したね。三河の独特のイントネーションも最初は覚えるのが大変でした」とそれぞれの違いを話しながら答えた。
次に「1日に何時間寝ていますか?」という、小さな女の子のかわいらしい質問には目を細めながら、「ここに集まってくださった皆さんにだけお伝えしますよ。これあまり人には言ってないので、内緒にしていてほしいんだけど、僕って5人いるのよ。みんなと交代制でやっているから結構寝ている。びっくりでしょ。あまり人に言わないでね」とウイットに富んだ返しをして、笑わせていた。
3人目の「俺様キャラが多いですが、それぞれのキャラの役作りはどうしていますか?」と役に踏み込んだ質問には、「時間は足りる? 『アナザースカイ』(日本テレビ系)とかで話すやつよ?(笑)」と言いながら、「頭で考えてできるタイプじゃなくて。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、バイブス。その役の好き嫌いだけ頭に置いておくと、自然とその人がやらないことや、テンション上がる好きなことが想像できる。シンプルな要素だけ持っておくようにしています。細かく決めちゃうと、思い通りにいかなかった時に落ち込むので。練習しすぎて、練習通りに行かなかった時の残念な感じと、そんなに準備しなかったのに、うまくいった時の“ウェーイ”って気分が上がる感じが全然違うから。覚えるし、準備はするけど、“ウェーイ”っていう気分をいっぱい味わいたいから、ガチガチにやりすぎないようにしています」と自身の役作りと、心境を伝えた。
最後に、今後の見どころとして、「歴史の話ですから、今後どうなっていくかをご存じの方もいらっしゃるかとは思うんですが、それでも皆さんに楽しんでいただけるように、大河ドラマのチームで一生懸命、撮影に臨んでおります。守綱としては、歴史的には家康について家臣としてさまざまな戦に出向いて一緒に戦うようになりますが、守綱がどういうふうに殿との絆を深めていくかを注目していただきたいです。あとは、薄々お気付きの方もいらっしゃると思うんですけど、守綱が出てくるシーンは笑えます。笑えるというか、難しくないシーンで出てきますので、守綱たちが出てきた時には、ほっこりしてもらえたらうれしいです」と締めくくった。
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