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「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?2023/03/07

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

 電子コミックサービス「LINEマンガ」にて1億3000万viewを突破した人気漫画を実写化したドラマ「ブラザー・トラップ」が、1月24日よりTBSほかにて放送中。

 元彼とわだかまりが残ったまま別れてしまったことがきっかけで、恋愛に積極的になれない大学生・立花あかり(久間田琳加)に訪れた久々の恋。しかし、あかりの恋の相手である年下男子・成瀬和泉(山中柔太朗)は、元彼・成瀬大和(塩野瑛久)の弟であったことが発覚。三角関係を中心に、繊細でいちずなドキドキのピュアラブストーリーを繰り広げています。

 ここでは本作を手掛ける阿部愛沙美プロデューサーにインタビュー。気になるキャストの起用理由や、お気に入りの胸キュンシーンなどについて語っていただきました。

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

――初めに、久間田さん、山中さん、塩野さんの起用理由をあらためて教えてください。

「あかりは2人のイケメンに取り合われる役柄なので、女性に好かれていて笑顔がかわいらしい方を探していたのですが、なかでも久間田さんが一番いいなと思って起用させていただきました。すてきな笑顔が魅力的で、声やしぐさもあざとすぎない感じがすごくいいなと。とにかく原作のファンの方をがっかりさせないように熟考しました」

――確かに思わずほれてしまうお人柄でした。

「次に思い浮かんだのは塩野さん。原作を読んでいる時からイメージがぴったりで、途中からは決まってもいないのに塩野さんに演じてもらう想定で読んでいました。兄弟役である和泉は見た目も大和に似ていないといけないので、塩野さんになるべく似ていて、朴訥(ぼくとつ)とした雰囲気やあかりとの身長差も考えていたところ山中さんが思い浮かびました。言葉は少ないけれど雰囲気があり、礼儀がしっかりしているところも和泉のキャラクターにすごく合っているなと。何よりも、彼からこれから来る勢いを感じていました」

――キャスティング前とのギャップや印象を教えてください。

「久間田さんはかわいらしい雰囲気なのに、意外とおしゃべりだったのがギャップでした。山中さんと塩野さんは想像通りのお人柄。山中さんは『飴色パラドックス』(TBSほか)を撮影してから本作に参加されたこともあり、女性と恋愛する前に男性と恋愛してから王道ラブコメに挑戦されるという珍しいパターンでした(笑)。役をすごく研究してくださっていて、あかりの前だと少し照れ屋になる一面を上手に表現されていて、素晴らしかったです」

――塩野さんはいかがですか?

「大和はみんなに対してコミュニケーションを上手に取る役柄ですが、塩野さんはどちらかというと1人でいるのがお好きなのかな。でも、気づいたら隣に座っていたりして、人の懐に入るのが上手な方だなと(笑)。ご自身では『僕は冷たい人間です』とおっしゃっていましたが、絶対いい人だと思いますし、ふとした時にそばにいてくれる安心感を感じました。もっとこの人のことを知りたいなと思わせるような雰囲気を持っていらっしゃる方です」

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

――クランクイン前に皆さんにお願いしたことはありますか?

「久間田さんには、あまり悲劇のヒロインになってほしくないとお伝えしました。リアクションは大きい方が分かりやすいし見ていて楽しい気持ちもあるのですが、原作のイメージを残しながら作りたかったので、オーバーリアクションは避けてほしいとお願いしました。一方で、駒井瑛太役の若林時英さんには、『君がムードメーカーだから!』とお伝えしました(笑)。お芝居がお上手なので、本当に終始バランスいい感じで振る舞ってくださって最高でした」

――SNSの反響などをご覧になられた印象はいかがですか?

「予想以上に成瀬兄弟のキャスティングに好感を持ってくださる方が多く、良かったなと思っています。久間田さんにも女性の皆さんからかわいいというコメントをたくさんいただいていて、これを機に久間田さんのファンが増えているようなのでうれしい思いでいっぱいです!」

――現場での山中さんと塩野さんを見て兄弟っぽいと感じたところはありましたか?

「現場でのテンションは似ていたと思います。2人とも平均より1個下ぐらいのレベルのテンションなんです(笑)。物静かではあるのですが、しゃべる時はたくさんしゃべっていて、振り返ると久間田さんも含めて楽しそうにお話していることが多かったので、いい雰囲気だったなと。山中さんが、先輩である塩野さんにお芝居のことについて聞いていることもありました」

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

「そんな武器持ってたの!?って」阿部Pが山中柔太朗に魅了されたシーンとは?

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

――阿部さんは本作が初プロデュース作品とのことですが、どんな思いで作られていますか?

「気合を入れるとコケるタイプなので、目の前にあるものを確実にこなしていこうと思いながら取り組んでいます!」

――先輩方から何かアドバイスは受けましたか?

「2022年春に放送した『村井の恋』(TBSほか)ではAP(アシスタントプロデューサー)を担当していたのですが、その時の先輩が『せっかく自分の企画なんだから、好きなことをやった方がいい!』とアドバイスをくださったので、迷った時には自分の好きな方を選択してきました。もしかしたらそれで周りを振り回したこともあったかもしれないのですが、それによって思い入れの深い作品になった実感もあります。振り返ると、ただわがままを言っていただけなのではないかと思う瞬間もありますが、多くの人に助けていただきながら本作を形にできていることに感謝しています。作品作りは自分の力だけじゃできないなと」

――少女漫画を映像化するにあたって、意識されたことや難しいと思った点はどこでしょう。

「原作では、繊細な気持ちの積み重ねとともに2人の恋模様が描かれています。そのイメージを崩さないように丁寧に描きたいと思っていたのですが、展開がゆっくり過ぎると物語が進まなく感じてしまう方も多いと思ったので、いかに原作のイメージを崩さずに構築していくかを考えるのが大変でした。私自身がこれまであまり少女漫画に触れてこなかったこともあり、何をされたら胸キュンなのか、どういうこと言われたら胸キュンなのかの正解が分からずかなり悩みましたが、監督の助けを借りながら作り上げることができています」

――そんな中で、会心の一撃となったなと思われる胸キュンシーンはありますか?

「第4話の横浜デートのシーンで、和泉があかりのおでこにキスをするシーンはすてきに撮れたと思います。その後の手をつなぐシーンでは、山中さんの大きくてすてきな手を見せたくて、衣装の関係でいつも隠れてしまっているところを『ちょっと手を出してほしい』とお願いしました」

――細かい演出が隠されているんですね!

「はい。第6話では、指切りをしてからキスをする通称“指切りキス”という原作にはないシーンがあるのですが、そこはあかりが好きな漫画のタイトルにちなんで作りました。指切りの約束なんて大人になってすることはなかなかないですし、彼女たちだからこそできることかなと思って。くすぐったくなるくらいかわいくて、尊いシーンになりました」

――特に注目してほしいポイントはどこでしょうか?

「その時の山中くんのキスの仕方がめっちゃセクシーなんです! 下からすくい上げるようなキスをしていて『なんだこれ!?』と映像を見て歓喜しました。そんな武器持ってたの!?って。不意に見せる男らしさに魅了されました」

――どなたかの演出の指示があったのでしょうか?

「誰も指示をしていないはずなので、山中さんのオリジナルだと思います」

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

――本作は顔や手のアップ映像が多く、かなり漫画っぽく撮られているのではないかと感じました。セリフを話す前から登場人物の心境がストレートに伝わってくるのですが、こだわった点はありますか?

「そう言っていただけてうれしいです! 私がなんとなく言った『視聴者はスマホで見るので』という一言を監督とカメラマンさんがくみ取って、意識してくれたのかなと思います。また、通常のドラマではカメラを2台設置するのですが、本作はほぼ1台で撮影しているということもあり、なるべくワンカットで撮影しています。ワンシーン前の表情から撮影していれば、編集の時に使える幅が広がるんです。久間田さんがインタビューで漫画を読みながら表情を研究したとおっしゃっていたので、その努力が実っている部分も大きいと感じます」

――第4話ではゴミ置き場で告白するという斬新なシーンがありましたが、どんなふうに出来上がったのでしょうか?

「私もラストシーンがゴミ置場ってどうなんだろうとすごく悩んだので、やっぱり変えた方がいいのではと思って坂上(卓哉)監督に相談したところ、『俺はそのゴミを触ったあかりの手を触る和泉にキュンとする』とおっしゃっていて、そういう考え方もあるのかと納得してそのままにしました」

――ロマンチックな場所ではないからこそ、思いが先走っていることが伝わるシーンだなと思いました。

「そうですね。本当はもっと汚らしい絵になるんじゃないかと心配していたのですが(笑)、技術部さんがすてきに準備してくださったおかげでとてもいいシーンになりました!」

――では、最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。

「放送が始まってからエゴサーチばかりしています(笑)。そして、ありがたいことに好評が多く、たくさんの方が見てくださっているのを実感しています。後半からは、4年前に何があったのかや、大和の本当の思いなどが見えてきて、それを知ったあかりと和泉の心情も動いていきます。みんなの人間らしさが出てくるので、ただのラブストーリーでは終わらないというところにも注目していただきたいです!」

「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?
「ブラザー・トラップ」阿部愛沙美プロデューサーが明かす“会心の一撃”となった胸キュンシーンは?

【あらすじ】

 藤宮遥(工藤遥)の口から語られた4年前の真実を知ってしまったあかりは、知らないうちに大和を傷つけてしまったのではと思い悩む。そんな時、和泉の母・由紀(NANA)が入院したという知らせが届き、和泉と一緒に病院へ駆けつけたあかりは、後からやって来た大和の姿に動揺。たまたま大和と2人になったあかりは、4年前に自分が感じていたことを正直に打ち明ける。そんな中、由紀は自分が入院したことで大和につらい思いをさせてしまったから、和泉にあかりとの時間を大事にするように話す。その話を聞いた和泉はあることに気付き、あかりを避けるような態度をとってしまうのだった。あかりは和泉の態度に違和感を感じつつも、和泉とちゃんと話したいと思い和泉を呼び止める。そこで和泉は自分の思っていることを感情のまま話し出す。

【番組情報】

「ブラザー・トラップ」
TBSほか
火曜 深夜0:58〜1:28(一部地域を除く)
※Paravi、U-NEXTにて各話地上波放送の1週間前の毎週火曜正午に先行有料配信
※地上波放送後、TVer、TBS FREE、GYAO!、Yahoo!にて1週間無料見逃し配信

取材・文/TBS担当 A・M



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