岸井ゆきの、4月スタートの新ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」に出演! 演じる野田翔子は「素直で気持ちの通りに動いちゃう瞬間がある」2023/02/17
ABCテレビが4月から新設する、日曜午後10時の全国ネット連続ドラマ枠の第1弾「日曜の夜ぐらいは…」。主演を清野菜名さんが務め、脚本家・岡田惠和さんがオリジナルで描く本作は、お互いの存在も知らない3人の女性があるラジオ番組をきっかけに運命的な出会いを果たし、戸惑いながらも心を通わせ始めます。そんな彼女たちに“ある奇跡”が起こり、漫然とした暮らしの中で行き詰まっていた3人の人生が静かに動きだす姿を描き出します。
「人生とは、友情とは、家族とは、愛とは」をテーマとする本作で、ドラマを紡ぐメインキャラクターの1人として岸井ゆきのさんが出演することが決定。岸井さんが演じるのは、家族から縁を切られながらも、退屈な毎日に楽しみを求めてタクシー運転手を続ける野田翔子。元ヤンキーの翔子は、乗客にドリフト走行をちらつかせたり、勤務明けには缶チューハイを1人あおったりと、言動はどこまでも粗野。初対面での距離感の近さやノリの軽さと相まって、一見輪郭のはっきりした第一印象を与えますが、実は表には出さない人恋しさを心の奥底に抱え込んでおり、直視してしまったら痛くてしょぼい人生を時にむなしいバカ笑いでマスキングしながら、生きる道を懸命に模索する女性です。
ドラマ放送に先駆けて行われた取材会に、岸井ゆきのさん、企画・プロデュースを担当する清水一幸プロデューサーが登場。岸井さんが演じる役や、期待が高まる本作の魅力について2人に伺いました。
――まず、本作への出演が決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。
岸井 「テレビ朝日系列の連続ドラマに出演するのはたぶん初めてなので、初めてのことはまだまだあるなと。あとは、岡田惠和さんの脚本であることもとても楽しみでしたし、“女性3人”の物語というのをあまりやったことがなかったので、楽しくできたらいいなと思いました」
――野田翔子という役についてはどのように捉えていますか?
岸井 「まだ清水さんに聞きながらやっているところなんですけど、不良に憧れて学生時代を過ごして、家庭環境であったり、いろいろ複雑なものを抱えていて」
清水 「おそらく家自体は裕福で、そんな中で不良に憧れている子が、親とちょっとしたいさかいがあって家を飛び出しちゃう感じですね。そういった意味では、東京に出てきていろいろなことに追われて、やがてタクシー運転手になっていくという女性。まだ台本が進んでいないのでこれからという部分もありますが、岡田さんの設定では車に対してすごい興味がある子らしくて。車を買うぐらいのお金は貯めていきたいと思っているけど、意外と自分にしっかり投資するというか、いろんなことをやっているような設定は岡田さんから聞いています」
――今回、野田翔子役を岸井さんにオファーした理由を教えてください。
清水 「一番は何より、岸井さんなら岡田さんの(手掛ける)“野田翔子”という役を、岡田さんの思い以上にやっていただけるのではないかという気持ちがあったのが正直なところです。僕は今回お仕事をご一緒するのが初めてなんですけど、いろいろな役柄に真摯(しんし)に向き合って演じられている姿を映像で拝見していて。今回、女性3人の話という設定までは決まっている中で、『3人の中の1人をやっていただけたら』とは最初から思っていて、いざご相談したところ快諾いただけたのでよかったです。3人の中でも一番謎めいている部分が多い役なので、すごく不安な部分も岸井さんにはあるんじゃないかと思いますけど、逆にこっちが助けてもらったりしながらも、一緒に作り上げていければと思っています」
岸井 「あの…プレッシャーを感じます(笑)」
――岸井さんは、役に共感できる部分はありますか?
岸井 「私は目立った反抗期というのがなかったんですけど、それは自分で頑張って抑えていたというか『思春期だから今こういう悩みにぶつかっているんだ』って、自分を抑え込もうとしていた部分に素直に従っていたんだと思うんです。でも今感じるのは、思春期だからと思って当時耐えられた悩みって、たぶん大人になっても変わらなくて。『それで耐えていた部分もあるんだけどな』ということが大人になってもずっと続くから、翔子がいつまでも大人になりきれないというのはすごく分かるし、『これが続くんだったら反抗しとけばよかったな』『気持ちの通りに動いてみればよかったな』と私も思っているので、少しうらやましい部分もあります。もちろん家族の部分がくっつくとそうではないんですけど、翔子には素直で気持ちの通りに動いちゃう瞬間があるから、それは学生時代とか不良に憧れた時とか、そういうところからつながっていると思うので、気持ちの赴くままに自由にできたらいいなと思っています」
――岡田さんの脚本についてはどのように感じられていますか?
岸井 「すごくしゃべっています。セリフがバーっとあって、読んでいて気持ちがいいんですけど、その後に『あ、これ私たちがやるんだ。これは大変だぞ』って。3人それぞれ暗い部分も持っているんですけど、リズムがあるのですごく読みやすいし、見ていてそこまで暗さを感じないというか、『あ、自分にもあるな』というふうに受け取ってもらえるんじゃないかと思いました」
――主演の清野さんと共演されるにあたって期待するところを教えてください。
岸井 「楽しみです。まだ1回しかちゃんと会ってないんですけど、昨日本読みをやって、やっと雰囲気が分かったというか」
清水 「今後もう1人(キャストを)発表させていただくんですけど、暗い話なんじゃないかと思うようなシーンも、3人が会話すると『こんなに明るく感じるんだ!』っていうくらいめちゃめちゃテンポがよくて、とにかくしゃべっています」
岸井 「それぞれがバーっとしゃべるだけで明るい雰囲気は出ていましたよね。なので、きっと現場も明るくやっていけるんじゃないかなと思っています」
清水 「それぞれが本人とはちょっと違うんじゃないかというキャラクターなんですけど、それが余計に面白おかしいというか。脚本を読んでくださっているのを見ながら『岸井さんは普段こんなふうにしゃべるのかな?』と思ったりしていたので、僕らはクスクス笑いながら見ていました(笑)。もともと3人ともタイプが違うように見えていたんですけど、実は意外と近いんじゃないかなと思いましたよ」
岸井 「そうですか?」
清水 「まだ皆さんとプライベートな会話はできていないので素の部分までは分からないですけど、監督と話している姿はもちろん真面目で、真摯に役に向き合ってくださっていて、それぞれが本を読んだ上での会話のテンポや3人が並んでいる姿を見ていると、みんな役に入ってしゃべっているのがすごく分かったので、信念の部分は意外と近いんじゃないかなって感じました」
――先日衣装合わせが行われたと伺ったのですが、翔子の衣装についてはどんな印象を持たれましたか?
岸井 「派手でしたね。普段だったら絶対選ばないですけど、意外と派手な服を着る役はあったんです。だから、派手に派手を合わせるのも意外といけるんだなと」
清水 「いや、着こなしてましたよ」
岸井 「着こなしてないですよ(笑)。色に色のものもあれば、柄に柄のもの、上から下まで同じ色のものもあって、結構強烈ですね」
清水 「なんというか、大阪のおばちゃんの上を行っているような」
岸井 「結局あれはなんていうジャンルなんですかね(笑)」
清水 「僕も『売ってるの…?』って思いましたけど、でも着こなしていたので、放送を楽しみにしていてほしいです」
――翔子はヤンキーに憧れているという設定がありますが、岸井さんが翔子と同じ年代の時の憧れや「こうなりたい」といったものはありましたか?
岸井 「ないんですよね…。『静かに生きていたい』っていう願望があるんですよ。制服もちゃんと校則通りに着て、はやりものにもあまり興味がなくて。新しいものに興味があるよりは、潜在的に好きだったものを見つけてそれを掘っていくことが今も多いので、その時から好きなものはあまり変わらず、映画館によく行っていましたね。『映画が見たい』『本が読みたい』『散歩に行きたい』『湖で1日つぶしたい』みたいなのはあったんですけど、『何かをまとって自分がこうなりたい』というのはあまりなかったです」
――また、翔子はかなり破天荒なキャラクターでもありますが、ご自身とは真逆でしょうか?
岸井 「そうですね。私は安全運転が好きですし、『ハーブティーとかを飲みながらソファで本を読みたい!』という感じです(笑)」
――ドラマで「ここを見てほしい」というポイントがあれば教えてください。
岸井 「3人の会話のシーンやそのテンポだったり、3人が何かを抱えながらも『あ、友達ってこうだったかも』というのがあらためてどんどん出てくるのかなと思います。友情って『友達になろうね』と言ってなるわけではないですけど、それがすごく心地いい感じになるんじゃないかとは思っています」
清水 「もし出会わなかったら独りぼっちだったかもしれないという3人が、たまたま出会うんですよ。初めて会った時の会話のテンポが『あれ、なんか意外と合ってる』という感じなので、そこから3人がどうなっていくか、楽しみにしていただければいいなと思います」
――日曜夜に新設されるドラマになりますが、その点はどのように感じられていますか?
岸井 「あんまり考えないようにはしています。ただ、この作品が日曜の夜に選ばれるようになりたいですし、“日曜の夜ぐらい”は10時にテレビの前に座ってハーブティーでも飲みながら見てほしいです」
――ちなみに、岸井さんの定番だった“日曜夜の過ごし方”はありますか?
岸井 「実はフォトエッセーにも書いちゃっているんですけど、日曜の夜が大嫌いなんですよ。夕暮れ時が一番苦手で、終わっちゃう感じがすごく嫌で。大人になって曜日感覚がなくなっても、日曜だからって何かが強制的に終わらされる感覚がすごくつらいんですよね。毎日大変です。でも、その中で明日の仕事も頑張れるようなドラマにできたらいいなと思うし、元気をいっぱいあげるというよりは、同じ人間でも一歩ずつ進んでいる姿に勇気をもらって、希望になってもらえればいいなと思います」
【番組情報】
「日曜の夜ぐらいは…」
4月スタート
テレビ朝日系
日曜 午後10:00~終了時刻未定
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