お笑いトリオ・青色1号「THE CONTEへの道」優勝! 劇場を沸かせる、三者三様の自然体な3人【ロングインタビュー前編】2023/01/28
1月28日放送の特番「土曜プレミアム『THE CONTE』」(フジテレビ系)。豪華なコント師たちが集結し、今“最も自信のあるコント”を披露し合う、コントの祭典となっています。昨夏放送の第1弾に続き、今回もMCは東京03、かまいたちが担当。
このゴールデンタイムの放送に出演できる権利を手にしたのが、太田プロダクション所属のお笑いトリオ・青色1号。1月10日に東京・よしもと有楽町シアターで開催された「THE CONTEへの道」にて爆笑をかっさらい、観客投票で見事1位に輝きました(その模様は、本日午後4:30からの「THE CONTEへの道」で放送)。青色1号がゴールデンタイムでコントを披露するのは、「THE CONTE」が初となります。
2022年、「第43回ABCお笑いグランプリ」で決勝進出、「キングオブコント2022」では準決勝進出。神奈川・相模原で開催されている「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」では優勝という結果を残し、勢いに乗る3人。23年、幸先のよいスタートを切る上村典弘さん、榎本淳さん、仮屋想さんに、結成当時のエピソードや今後の目標など、たくさんお話をお聞きしました。前編・後編のロングインタビューでお届けします。
「東京03さんの前でネタができて、本当に幸せでした!」
――「THE CONTE」の収録、お疲れさまでした。東京03さん、かまいたちさんから、うれしい言葉もありましたね。
上村 「最高の舞台でした!」
榎本 「『終わっちゃった…』って感じです。ちょっと寂しいですね。めちゃくちゃ緊張しました」
上村 「榎本が緊張するの、意味分かんないけどな。披露したネタは、仮屋しか緊張するネタじゃないんですよ」
仮屋 「僕が一番セリフが多いネタなので。榎本は本当に『帰れ』って言うだけだからなぁ」
榎本 「そんなことねーわ! 最初も大事だから。説明とか大事だから!」
上村 「榎本って、こういうちゃんとしなきゃいけない舞台でかむんですよ。さっきも暗転して、明転するちょっと前に榎本見たらガチガチだったから、『そんなんだったらかむから。やめろよ、それ』って言ったんですけど、そしたら僕がちょっとかみそうになりました」
榎本 「甘がみしそうになってました(笑)」
上村 「あぶねー。強く言わなくてよかった」
榎本 「『あぶねー』じゃねーよ!」
――1月10日に行われた「THE CONTEへの道」で優勝が発表された時は、「東京03さんの前でネタができるのがうれしい!」とコメントされていましたね。
上村 「僕は『エンタの神様』(日本テレビ系)で東京03さんを見たことがきっかけでお笑いを始めたので、3人の前でネタができて、本当に幸せでした! あと、去年『ABCお笑いグランプリ』の決勝でネタを披露したんですけど、その場に審査員でかまいたちの山内(健司)さんがいらっしゃったんです。でも僕らがスベりすぎて、山内さんがコメントに困っていて…。今日、その借りは返せたかなと思います」
榎本 「めちゃくちゃ褒めてくれて。うれしかったです」
上村 「あのままだったら、僕ら山内さんにつまんない3人だと思われてたんで。幸せです。お笑い人生、フィナーレを迎えました」
榎本 「ダメダメダメ! お笑い人生終わり!? ここからね、もっと上に行けるように頑張ります」
――「THE CONTEへの道」から本日の収録まで、準備したことはありますか?
上村 「(即答で)半身浴とプチ断食ですね。顔がむくまないように」
榎本 「知らねーよ。女の子みたいなこと言うな」
仮屋 「滑舌表を見て、外郎売(ういろううり)をやりました」
榎本 「本当にアナウンサーみたいなことやってんだ」
「青色1号」結成まで
――3人とも、2014年に太田プロダクションの養成所「太田プロエンタテイメント学院」の6期生として入学。当時から面識はあったのですか?
上村 「最初は、3人とも別々のコンビでやってたんです。僕は地元が東京の足立区なんですけど、足立区でいっっっちばん悪い後輩と組んでました」
榎本 「ヤバいですよ」
上村 「ヤンキーコンビって言われてたんです。ただ、僕は東京03さんとバナナマンさんが好きすぎて。ヤンキー2人で結構きれいなコントをやってました」
仮屋 「『ゴリラズ』ってコンビで。相方が角刈りのゴツゴツのパワー系と、この高身長の2人で、繊細な演技派のコントをやってました。ゴリラの弟分が、見かけによらず演技がすげーうまいんですよ」
上村 「古田新太さんみたいな。いい演技するんですよ。でも辞めちゃって、同じタイミングで榎本もコンビを解散するんです。榎本のコンビは本当に面白くなかったんですよ。誰も笑ってなかった」
榎本 「いやいやいや、そんなことねーから。上ちゃん(上村)のコンビより順位高かったから!」
上村 「そこから僕と榎本で組んで2人でやってたんですけど、僕が書くネタが3人必要なものが多かったので、いずれ3人目を誰か入れようと思っていて。で、仮屋がコンビを解散したタイミングで誘いました。仮屋は『フィルダースチョイス』というコンビを組んでいたんですけど、養成所時代のライブで、ずっと1位を取ってたコンビだったんです」
仮屋 「優等生で。地元の同級生と一緒に漫才をやってたんですけど、2年くらいで解散しちゃって」
上村 「僕から『よかったら入って』って誘いました」
榎本 「僕、それ知らなかったんですよ。事前に何も聞かされていなくて、当日、ネタ合わせに行ったら仮屋がいて。『あれ、どうしたの? 俺これからネタ合わせするんだけど』って言ったら、『青色1号入る』って言われて。その時、『あっ、こうやって捨てられるんだ』って思って、ストレスででっかいニキビができたんです」
上村 「捨てたかったです」
榎本 「捨てたかったとか言うなよ! マジで」
――仮屋さんは上村さんに誘われた時、どういう心境だったのですか?
仮屋 「僕は1人になって、ピンで何回かネタをやってたんですけど、『これは無理すぎる』と思って。ピンネタが寂しすぎるし、どうしようもないから、誰かとコンビ組みたいと思っていたんです。3人でやるのは初めてだったし、『どうなるんだろう?』とも思ったんですけど、2人は知り合いだったし、声を掛けてくれてうれしかったので、入りました。まぁ、どうせ榎本もいなくなるだろうと…」
榎本 「お前もふざけんなよ(笑)。『どうせコンビになるしな…』じゃないよ!」
上村 「コンビで天下取ります!」
榎本 「おい、コントで取れよ! 3人で! 『THE CONTE』なんだから!」
――トリオの「青色1号」として初めてライブに立った時、手応えはありましたか?
上村 「ウケたんですよね。一発目で」
仮屋 「最初のネタは割とウケました」
上村 「温かかったですね。お客さんとも顔見知りというか、ほとんど僕らのことを知ってくれている方ばかりが来るようなライブだったので、お客さんも『3人になったんだー』って」
仮屋 「ウケて、ポンポンと上にいけて。ライブの中だけですけど、バトルで勝てるようになったんです。それを見た同じようなライブに出ているコンビたちが『トリオになればちょっと売れるんじゃないか』って思い始めて、当時太田プロにトリオが増えました」
上村 「例えば、僕ら3人が3人ともかわいがっている後輩のサルベースが、急にトリオになって。下ネタのネタばっかりなんですけど、面白いです。調子いいです」
榎本 「あと、ロックスさんっていう先輩とか、モシモシっていう男女トリオとか。当時、トリオがめっちゃ増える流れがありました」
ビスケットブラザーズを前に「レベルが違うなと痛感」
――昨年は「第43回ABCお笑いグランプリ」で決勝進出、「キングオブコント2022」では準決勝進出。相模原市で開催されている「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」では優勝という結果を残し…。
榎本 「TVガイドさんがサガミハラエッジのこと知ってるんですか!?」
上村 「サガミハラエッジ特集ですか?」
榎本 「ちげーだろ! TVガイドがそんな特集するか!」
仮屋 「TVガイド相模原版ですよね?」
榎本 「ちげーよ! 関東版があるのにさらに相模原に絞った!?」
仮屋 「TVガイドって相模原のフリーペーパーなんですか?」
榎本 「そんなわけねーだろ! せめて出身のNEWSの小山(慶一郎)くんとかさ。なんで俺ら載せてくれるんだよ」
――(笑)。昨年は、結果がついてきたと感じる1年だったのではないかと思います。
上村 「そうっすね。まぁ、榎本は本当浮かれてましたね。でも、『ABC』で決勝いって、結局勝てないとか。『キングオブコント』は準決勝でビスケットブラザーズさんのネタを目の前で見て、もうレベルが違うなと痛感させられて。案の定、優勝しましたし。だから逆にヘコむことも多かったですね。上には上がいるな、と。いいところまでいけるようにはなってきたんですけど、勝ち切れていないので」
榎本 「もう1個上にいきたいんですけど、なかなか。『もっと頑張らないと』って。ただ、ちょっとずつですけど、知ってくれてる人がどんどん増えたのはうれしいですね」
仮屋 「芸人の知り合いはすごく増えました」
――「ネタを磨く」という部分に関しては、昨年は何か変化があったのでしょうか?
上村 「『キングオブコント』準々決勝で勝負できるネタにするために、初めて『ネタを磨く』という作業をやったんです。同じネタを毎日やり続けて、違うセリフで試したり」
榎本 「あえてお客さんが少ないライブに出て、ウケてない状況の中でやったりもしました。スベった時に動揺しない対策で」
上村 「お客さんが1人しかいないライブにあえて出たりとか」
――お客さんが1人というライブがあるんですか?
榎本 「あるんですよ」
仮屋 「結構あります。相模原じゃないですよ、東京で」
上村 「でも四天王さんとか出てますよ?」
榎本 「誰が分かるんだよ、四天王さん!」
上村 「そういうライブに出て、『何の反応もなくても、とりあえず完全にやり切ろう』っていう練習をしようとしたんですけど、その1人のお客さんが笑いまくってくれて。全然、楽しくできてしまった(笑)。2、3年前に『キングオブコント』の準々決勝で全くウケなくて、動揺して、ミスが連発しちゃったんですよ。その時、仮屋はサングラスを外さなきゃいけないのに、動揺しすぎてサングラスを付けたままやっちゃって」
仮屋 「そういう対策をしたおかげで、今ではお客さんが少なくても動揺しなくなりましたね。たぶん、今日のリハが一番よくできたんじゃないかって」
榎本 「リハだからお客さんいなかったけど?(笑)」
仮屋 「スタッフさんもあんまり笑ってくれなかった(笑)。でも、一番出来がよかったと思います」
――これまでのお仕事で、一番緊張した現場を教えてください。
上村 「ネタをやる現場だと、確実に今日です」
榎本 「緊張しましたね…」
仮屋 「僕は昨年末に放送した、『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日/ABEMA)の企画『キングオブう大2022』で、かもめんたるの(岩崎)う大さんの前でネタをやるのも緊張しました。その場にいたのは、う大さん、若林(正恭)さん、吉村(崇)さん、澤部(佑)さん、アルコ&ピースさん。今日みたいな大きいセットじゃなくて、本当にすぐ目の前でネタを披露したのもあって、すごい緊張感でした。今日も緊張したんですけど、『キングオブう大』を経験していたので、ちょっとマシというか。いきなり『THE CONTE』だったらもっとヤバかったと思います」
インタビュー後編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2009093/
【プロフィール】
青色1号(あおいろいちごう)
上村典弘(1990年6月7日生まれ、東京都足立区出身)、榎本淳(1992年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身)、仮屋想(1991年7月17日生まれ、福岡県出身)が、2014年、太田プロダクションの養成所「太田プロエンタテイメント学院」の6期生として共に入学。上村と榎本がコンビ「青色1号」として活動していた中、17年に仮屋が加わり、トリオ「青色1号」を結成。22年、「第43回ABCお笑いグランプリ」決勝進出、「キングオブコント2022」準決勝進出、「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」優勝。YouTubeチャンネルにて、ネットラジオ「青色1号NEWごめんあそばせ」が更新中。
【番組情報】
「THE CONTEへの道」
フジテレビほか
1月28日 土曜 午後4:30~5:25
MC:あべこうじ、小室瑛莉子(フジテレビアナウンサー)
出場芸人(結成8年目以内):青色1号、嬉しい朝、黄金の桜、cacao、金の国、さすらいラビー、11月のリサ、ジャックポット、Gパンパンダ、大自然、竹内ズ、たらちね、チェリー大作戦、TCクラクション、ドンデコルテ、ハイツ友の会、バッテリィズ、バローズ、プール、ママタルト
「土曜プレミアム『THE CONTE』」
フジテレビ系
1月28日 土曜 午後9:00~11:10
MC:東京03、かまいたち
出演者:青色1号、かもめんたる、空気階段、さらば青春の光、サンドウィッチマン、ザ・マミィ、ジャングルポケット、ゼンモンキー、チョコレートプラネット、天才ピアニスト、ニューヨーク、ハナコ、ビスケットブラザーズ、わらふぢなるお
ナレーション:満島ひかり
取材・文・撮影/宮下毬菜(フジテレビ担当)
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